2017年03月22日 (水) 20:43:00

貿易統計は世界経済の回復とともに我が国輸出の増拡大基調を確認!

本日、財務省から2月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額は前年同月比+11.3%増の6兆3465億円、輸入額は+1.2%増の5兆5331億円、差引き貿易収支は8134億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の貿易収支、2カ月ぶり黒字 10年3月以来の水準
財務省が22日発表した2月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8133億8900万円の黒字だった。貿易黒字は2カ月ぶりで、2010年3月以来の水準。QUICKがまとめた市場予想の中央値は8591億円の黒字だった。中国の旧正月(春節)休暇が前年より早く1月中に始まった影響で輸入需要の一部が前倒しになった半面、輸出には反動増が発生し対中国貿易が60カ月ぶりの黒字となった。
輸出額は前年同月比11.3%増の6兆3465億円と3カ月連続で増加。2月の為替レート(税関長公示レートの平均値)は113.40円と前年同月に比べ3.4%の円高だったが、輸出数量全体の伸びや対中国輸出の好調が寄与し、増加幅は15年1月(16.9%)以来の大きさとなった。
中国向けギアボックスなどの自動車部品や香港向けICといった半導体など電子部品の伸びが目立った。地域別では中国向けが28.2%増、米国向けが0.4%増となった。欧州連合(EU)向けも3.3%増と5カ月ぶりに増加した。
輸入額は1.2%増の5兆5331億1100万円となった。資源価格の回復に伴いアラブ首長国連邦(UAE)からの原粗油、オーストラリアからの石炭などが伸びた。ただ、中国からの衣類やアイルランドからの医薬品の輸入が減り、増加幅は限られた。


いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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貿易黒字の幅については、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば+8591億円の黒字でしたので、ほぼジャストミートした感じです。ただし、これも引用した記事にある通り、中華圏の春節が昨年から1か月ズレて1月に始まった影響によるものであり、要するに、輸出拡大が貿易黒字に寄与しているわけです。昨年2月はうるう年でしたので、その1日多いうるう年効果を上回る春節効果は偉大であると改めて感じました。どうでもいいことかもしれませんが、季節調整済みの系列でも主節効果で歪みが生じている気がします。なお、今後も貿易収支の黒字基調は大きな変化ないと多くのエコノミストは予想しているものの、その黒字幅は縮小する可能性が強いと私は考えています。

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>輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。2月の輸出については、中華圏の春節効果である点は前のパラに記した通りですが、上のグラフの真ん中のパネルや一番下のパネルに見られる通り、先進国はもとより、中国をはじめとする新興国でも景気は底入れして回復に向かっており、世界経済の拡大とともに我が国の輸出への需要が高まりを見せ始めています。ただし、米国の通商政策及び為替政策のリスクは依然として私には不明です。
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2017年03月21日 (火) 21:26:00

マンションサプリ調査による東京メトロで最も資産性が高い沿線やいかに?

とても旧聞に属する話題ながら、3月7日付けでマンションサプリから「東京メトロで最も資産性が高い沿線」に関する調査結果が明らかにされています。関連データは相場情報サイト「マンションマーケット」のデータを用いているようです。

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結果は上のテーブルの通りです。間隔10年間ということで、2007年と直近の2017年を比較しています。東京メトロ9路線のすべてにおいて、この10年間で平均m²あたりのマンション価格は下落しているんですが、最も下落率が小さかったのが千代田線沿線で、逆に大きく下落したのが銀座線、ということになっています。大雑把に見て、格差がhす苦笑yし収束が進んでいるように見えなくもありません。それにしても、東京メトロ沿線ではマンション1m²あたりで100万円近くするんですね。改めて驚いてしまいました。
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2017年03月20日 (月) 18:32:00

世論調査結果「特殊詐欺に関する世論調査」に見る根拠の不明な自信は何を招くか?

ちょうど1週間前の先週月曜日3月13日に内閣府政府広報室から「特殊詐欺に関する世論調査」の結果が公表されています。その昔に、「オレオレ詐欺」などと呼ばれていた詐欺に関する世論調査です。年齢別に見て、やや疑義のある結果でしたので簡単に取り上げておきたいと思います。

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上のグラフは、年齢別に見て、特殊詐欺に対する意識、すなわち、自分が被害にあうかどうかについての問いに対する回答結果の比率です。見れば明らかな通り、「自分は被害にあわないと思う」が年齢が高くなるに従って増加しています。なかなか根拠が疑わしい結果ではないかと思いますが、さらに、被害にあわない根拠を問うと、さらに根拠が薄弱そうに見えます。

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ということで、上のグラフは、被害にあわないと思う理由のうち、「だまされない自信があるから(家族の声やうそを見分けられる自信がある)」と回答した比率を年齢別にプロットしています。これまた、年齢が高くなるに従って「だまされない自信がある」とする比率が上昇しています。

どういった根拠で、このような自信がわいてくるのか、私はとても知りたいと思いますが、そう遠くない将来に、私もこういった年齢層の仲間入りをするわけですから、根拠薄弱な自信は慎みたいと自戒しています。
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2017年03月19日 (日) 14:44:00

ウェザーニューズによる「第2回桜開花予想」やいかに?

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とても旧聞に属する話題ですが、3月7日にウェザーニューズから今年2017年の「第2回桜開花予想」が明らかにされています。3月5日にも日本気象協会の開花予想を取り上げたところなんですが、まあ、そこは季節の話題です。
見れば明らかですが、上の2枚の画像のうち、上の方が各地の桜の名所別、下が都市別、となっています。東京ではこの3連休明け、数日ならずして開花が始まるとの予想です。全国で早いところでは、福岡県舞鶴公園や熊本県熊本城、高知県高知公園では3月22日、東京都上野恩賜公園では23日、京都府清水寺では30日、などの見通しとなっています。
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2017年03月18日 (土) 11:42:00

今週の読書は充実した経済書中心に計5冊!

今週の読書は経済書、特に私の専門分野である開発経済学を含めて経済書中心に以下の5冊です。先週末に米国雇用統計が割り込んで営業日が1日少ないので、こんなもんかという気もします。特に、藤田先生ほかの『集積の経済学』をはじめとして、分厚くボリュームたっぷりの本が目白押しでしたので、冊数の割にはなかなかの読書量ではなかったかと自負しています。

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まず、外山健太郎『テクノロジーは貧困を救わない』(みすず書房) です。著者は、マイクロソフト、特に、マイクロソフト研インドでの研究歴が長く、本書では主としてインドでの体験を基に議論が進められています。本書でいうところのテクノロジーとは、狭く考えればパソコンやスマートフォン、あるいは、それらのハードで走らせるソフト、ということになり、いわば、我が国のODAが進めてきたような途上国援助のうちのハコモノ援助、道路や橋や空港やといったインフラ整備を中新とする援助のようなものであり、それはたしかに貧困を救わないかもしれないわけですが、テクノロジーについて人間が利便性を追い求めてきた仕組みややり方などすべてに対する総称として考えれば、それなりに貧困削減には役立ってきた気もします。ただし、本書で著者は貧困削減のためには、取り組む人々のヤル気や意識の高さなどをとても重視しているような気がします。そういった、いわば、エウダイモニア的な崇高な意識の下での貧困削減が重要であり、そういった崇高な見識をテクノロジーは増幅するが創造はしない、というのが本書の結論なんだろうという気がします。私はそこには疑問があります。もちろん、エウダイモニア的な崇高な意識の高さは重要かもしれませんが、」そういった意識の高さがなくても社会的な仕組みの中でジコチュー的な人間でも大きな貧困削減の成果が上げられる、といった方向にシステムや制度を設計することこそが重要ではないでしょうか。崇高な意識の下では、貧困削減だけでなく、ほかの何らかの政策目標、もっとも極めて専門的な技術を要するものを除きますが、そういった、一般的な政策目標は何だって達成されそうな気がします。その意味で、意識の高さだけを要件と考えるのはよろしくないと私は考えます。そうでない一般的な人々が、貧困削減に成功するような仕組みや制度を考えて実行するのが開発政策ではないんでしょうか。

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次に、藤田昌久 & ジャック F. ティス『集積の経済学』(東洋経済) です。本書の英語の原題は Economics of Agglomeration ですから、邦訳はそのまま直訳されています。初版は2002年に出版されていますが、本翻訳書の底本は2013年出版の第2版です。著者は2人とも経済学者であり、2008年にノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン教授らとともに空間経済学のリーダーでもあります。ただ、少しだけアプローチが異なり、藤田教授は一般均衡論的なアプローチ、ティス教授は産業組織論的なアプローチとの特徴があります。いずれにせよ、本書は世界的な空間経済学の権威による専門学術書、ないし、大学院レベルのテキストとしても耐え得る著作です。まあ、ハッキリいって、私のようなシロートが通勤電車で読み飛ばすような内容では本来ありません。当然のように、数式も頻出して解析的にエレガントに結果が導かれたりします。私が「定量分析」と呼ぶような手法のごとく、再帰的に力ずくで漸近的な結果を求めようとするわけではなかったりします。空間経済学は都市の形成という観点で、実は都市以外は農村だったりするわけですが、2部門モデル的な要素が強くて、私の専門分野である開発経済学と通ずる部分も少なくなく、少なくとも、クルーグマン的な核周辺モデルにおいて、非常に単純化すれば、核=都市=製造業と商業に対する周辺=農村=農業の2部門モデルの分析はそれを歴史的な展開に置き換えれば開発経済学そのものです。ですから、空間経済学では本書にも登場する「首都の罠」、すなわち、首都以外の都市が形成されず製造業も育たない、といった望ましくない状況が開発経済学といっしょになって研究されていたりもします。第2版の本書では最終章をはじめとしてグローバル化に対応した部分に追加修正が加えられており、核となる国に戦略的な経営・研究開発・ファイナンスなどの本社機能が置かれ、周辺国に未熟練労働を相対的に多く使う工場が置かれたり、といった結果が導出されています。加えて、コミュニケーション費用が低下すれば、周辺国の工場の比重が増加、核となる国の熟練労働者の厚生が低下するという結果も得られています。ですから、トランプ米国大統領的に、国境に大きな壁を築いてコミュニケーション費用を高めれば、あるいは、逆のことが生じるのかもしれません。繰り返しになりますが、かなり高度な内容の専門学術書、ないし、大学院レベルのテキストです。税抜きで6000円というお値段も考え合わせて、買うのか借りるのか、読むのか読まないのか、について合理的な選択をするべきかもしれません。

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次に、野村直之『人工知能が変える仕事の未来』(日本経済新聞出版社) です。著者は労働や雇用ではなく、人工知能(AI)の方の専門家です。ですから、タイトルに魅力を感じて、私なんぞは読み始めたなですが、やっぱり、AIの解説の方に重きが置かれていて、少し肩透かしを食った恰好です。でも、2045年にAIの能力が人間を上回るという意味でのシンギュラリティを迎える、とかの宣伝文句先行型のAIの先行き見通しに本書は疑義を唱え、もっと落ち着いた先行き予想を展開しています。すなわち、AIについては人間の道具となる弱いAIと人間の脳機能を超えるようなスーパーな存在を目指す強いAIを区別し、後者が人間を超えるという意味でのシンギュラリティの近い将来での到来に疑問を呈しています。もちろん、前者の人間の道具としてのAIについては、単なる3メートルの棒でも人間の能力を超えるからこそ道具として有用なわけですから、特定の用途で人間の能力を超えるのは当然、という見方です。そして、最終章15章では例のオックスフォード大学によるAIに代替される労働について考察を加え、その昔のラダイト運動なども引きつつ、決して悲観一色の見方ではありません。その前提として、何回かベーシック・インカムの導入について前向きの記述を見かけます。AIを導入して人間労働を大幅に削減しつつ、働かなくてもベーシック・インカムで最低限の生活を保証する、というのが将来の政策の方向なのかもしれません。ただし、AIをはじめとする最先端技術における日本の貢献や政策動向についての本書の見方はとてもありきたり、というか、ハッキリいって、ほとんど何の見識もありません。2045年のしんgyラリティに少し不安を感じた向きに落ち着いた技術論を供給するのが本書の主たる貢献ではないかという気がします。雇用や労働のあり方まで著者に将来像の提示を求めるのは少し酷かもしれません。

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次に、翁邦雄『金利と経済』(ダイヤモンド社) です。著者は日銀金融研所長などを歴任していて、いわゆる旧来からの日銀理論家ですから、現在のアベノミクスや黒田総裁の下でのリフレ派の日銀金融政策に対してはとても批判的なバイアスを持っていることを前提に読み進む必要があります。非常に単純にいえば、本書では物価の動きの背景にある国際商品市況における石油価格についてはまったく考慮することなく、要するに、現在の黒田総裁の下での日銀金融政策が自ら掲げたインフレ目標の2%を達成できていない点を基本的には理論面から分析しています。まず、現在の米国のポリシー・ミックスが拡張的な財政政策と引締め的な金融政策になっていて、1960年代のケインジアン的な政策とは逆に、1980年代のレーガン政権下の政策と類似性あるとの見方を示し、その中で、1980年代前半においては為替の円安が進みつつ、それは持続性なかったためにプラザ合意から円高に反転したわけですが、我が国のアベノミクス、実は、本書でも指摘するように、安倍政権成立の少し前から円安が進んだ点との類似性を見ています。それはそうかもしれません。その上で、現状の長期停滞理論を持ち出し、自然利子率の低下の影響を日本経済にも写し出そうと試みています。ただ、結論で大きく異なる点が、要するに、自然利子率まで実際の金利を下げようとするリフレ派とちがって、国民に大きな負担を強いるカギカッコ付きの「構造改革」により自然利子率を引き上げようとする点です。どうして日銀理論家がここまで中長期的な視点で自然利子率を引き上げるような形の構造改革を提唱するのか、私にはまったく不明です。通常、中央銀行は短期循環を視野に入れた景気循環の平準化、というか、景気後退の回避を念頭に金融政策を運営し、政府はより長期の政策目標を設定して、まあ、いわゆる構造改革を含めて、例えとしてはよくないかもしれませんが、よく「国家100年の大計」と称される教育などの政策まで含めたグランド・デザインを描く、というのが役割分担だ、と私も官庁エコノミストの先輩から聞かされた記憶があります。私が考えるに、金融政策の庭先をきれいにしておいて、物価への政策の影響力がないとか何とかいって、裁量的な金政策を自由気ままに企画立案していた昔の姿が懐かしい、といっているように聞こえてしまうエコノミストもいるかもしれません。いないかもしれません。繰り返しになりますが、本書は現在のアベノミクスや黒田総裁の下でのリフレ派の日銀金融政策に対してはとても批判的なバイアスを持っている著者の手になるものである点を前提に読み進む必要があります。

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最後に、須賀しのぶ『また、桜の国で』(祥伝社) です。著者は、私は作品を読んだことはないんですが、それなりに売れている作家であろうと受け止めています。本書は今年上期の直木賞候補作となっています。戦間期のポーランドの首都ワルシャワを舞台に、外務書記生という在外公館の中でも書記官未満のやや低い職階をこなす青年を主人公にし、しかもこの青年の父親が白系ロシア人という設定のかなり大がかりな歴史小説です。少年時代のポーランド人孤児との邂逅は別にして、物語は1938年秋に主人公の青年がポーランドの日本大使館に赴任するところから始まります。誇り高いポーランド人を持ってしても、ロシア、ハプスブルク家のオーストリア、近代以降のプロシアや統一後のドイツなどの列強に囲まれて、なかなか独立を維持することさえ困難なポーランドにあって、第2次隊戦前夜の不穏な世界情勢を背景に、そして、独ソ不可侵条約に基づいて独ソに分割されるポーランド、頼りにならない英仏など、20世紀前半の欧州情勢を余すところなく盛り込みつつも、ポーランドの首都ワルシャワにおける主人公の日本人外交官として、あまりにもポーランドに肩入れした姿勢に不安を感じながら私は読み進みました。というのも、一応、私は外交官経験者ですし、戦争前夜の欧州の情報収集担当こそ経験がありませんが、似たような情報収集はどこの大使館でもやっています。大使館勤務の当時に私が外交官としてやったのはGATTウルグライ・ラウンドのドンケル事務局長提案に対する主要国の姿勢に関する情報収集でした。それはさて置き、本書のキモは米国人ジャーナリストだと思っていた人物の意外な正体なんですが、それも面白い趣向ながら、やっぱり、直木賞を逃した最大の要因は登場人物のキャラがあまりに似通っているからではないでしょうか。すべて正直で一途で思い込んだら命がけ、のような熱血漢ばかりです。日和見をして風見鶏のように態度を変える人物とか、味方だと思っていたのに実は敵のスパイだったとか、そういったヒネったキャラが見当たりません。その分、物語が平板で深みがなく、スラスラと進んでしまいます。いくつか、表現上の不一致も散見され、例えば、ドイツ側ではナチスの象徴としてのヒトラーは登場しますが、ソ連のスターリンに関する言及はどこにも出てきません。また、主人公が列車で出会ったカメラマンのヤンについても、生意気な発言を「である」調でしているかと思えば、急にへりくだって「です・ます」調でしゃべり始めたり、編集作業で訂正しきれていない部分も少なくありません。小説としての完成度はその分割り引かれそうな気がします。
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2017年03月17日 (金) 21:34:00

東京商工リサーチ「長時間労働」に関するアンケート調査の結果やいかに?

広く報じられている通り、今週になって、労使間で協議してきた残業時間の上限規制を巡る協議が決着し、月45時間を超える残業時間の特例は年6カ月までとし、年720時間の枠内でか月100時間と2-6か月平均80時間の上限を設けることとなりました。こういった中、東京商工リサーチから3月10日付けで「長時間労働」に関するアンケート調査の結果が明らかにされています。いくつかグラフを引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフは東京商工リサーチのサイトから残業があると回答した企業に対して 労働時間が短縮する場合に予想される影響 を問うた結果です。実は、この前に、グラフは省略しますが、残業の有無について、恒常的にあるが7,095社(57.3%)、時々あるが4,504社(36.4%)、「ない」と「させない」が764社(6.1%)との結果が示され、その残業の理由として、取引先への納期や発注量に対応が6,170社(37.6%)、また、人手や時間の不足との結果が示されています。ということで、回答のトップは仕事の積み残しが5,659(28.9%)で2位以下を引き離しています。続いて、受注量(売上高)の減少、従業員の賃金低下となっていますが、影響はないという回答も無視できない割合であります。なら、どうして残業があるのかは理解できませんが、まあ、そうなっているわけです。

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次に、上のグラフは東京商工リサーチのサイトから残業減少の努力をしていると回答した企業に対して 残業削減に取り組んでいる施策 を問うた結果です。回答のトップは仕事の効率向上のための指導が7,123社(37.8%)、次いで、仕事の実態に合わせた人員配置の見直しが5,621社(29.8%)、ノー残業デーの設定が2,981社(15.8%)などとなっています。ひとつの特徴は、ノー残業デーの設定を別にすれば、資本金1億円で境界をつけている規模別に大きな差が見られる点です。人手不足で余裕の乏しい中小企業等では残業削減にも限界があるのかもしれませんし、グラフは省略しますが、この後に残業削減に取り組んでいない理由を問う設問があり、回答のトップは必要な残業しかしていないの901社(51.0%)となっています。

残業削減のための新規採用や設備増強というのは、経営者の頭にはなかったりするんでしょうか?
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2017年03月16日 (木) 21:42:00

PwC による The World in 2050 やいかに?

先月半ばだったと思うんですが、PwC から The World in 2050 と題するリポートが明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。まず、PwC のサイトから Key findings を6点引用すると以下の通りです。

Key findings
  • The world economy could more than double in size by 2050, far outstripping population growth, due to continued technology-driven productivity improvements
  • Emerging markets (E7) could grow around twice as fast as advanced economies (G7) on average
  • As a result, six of the seven largest economies in the world are projected to be emerging economies in 2050 led by China (1st), India (2nd) and Indonesia (4th)
  • The US could be down to third place in the global GDP rankings while the EU27’s share of world GDP could fall below 10% by 2050
  • UK could be down to 10th place by 2050, France out of the top 10 and Italy out of the top 20 as they are overtaken by faster growing emerging economies like Mexico, Turkey and Vietnam respectively
  • But emerging economies need to enhance their institutions and their infrastructure significantly if they are to realise their long-term growth potential.


もうほとんど、私のブログくらいのレベルではこれで十分だという気がしますので、後はいくつか図表を引用して簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のテーブルは PwC のサイトから、2016年と2050年の購買力平価で換算したGDP規模のランキングのテーブルを引用しています。中国がトップであることは変わりありませんが、米国は2050年時点では中国に次ぐ2位の座をインドに明け渡して世界3位に後退すると予想されています。我が日本は2016年の4位から後退するとはいえ、2050年時点でもまだGDP規模で世界第8位の実力を誇っています。

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次に、上のテーブルは PwC のサイトから、2050年時点でまだトップ10に入らないまでも、2016年から順位を大きく上げるであろう国をピックアップしています。すなわち、アジアからベトナムとフィリピン、アフリカからナイジェリアです。それぞれ、順位を上げて抜き去る国の数と2016-50年の平均成長率が示されています。

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最後に、上のテーブルは PwC のサイトから、2016年と2050年における中国・インドと米国・欧州のそれぞれの購買力平価換算のGDPの世界におけるシェアを比較しています。当然ながら、新興国代表たる中国とインドはシェアを上昇させ、先進国代表の米国と欧州はシェアを下げています

まあ、方向としては、言われるまでもない事実なんでしょうが、2050年という超長期の先行き見通しに関して具体的な数字をもって示したのが値打ちあるかもしれません。繰り返しになりますが、今世紀半ばの時点においても我が日本はまだまだ世界トップテンに入るGDP規模を持ち続ける、という事実も忘れるべきではありません。
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2017年03月15日 (水) 22:45:00

侍ジャパンがイスラエルを下して全勝で決勝ラウンド進出!!!

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今夜は大学時代の友人と飲み会があり、終盤だけしか観戦しておらず、ほとんど試合は見ていないんですが、イスラエルを下して全勝で決勝ラウンド進出でした。先制弾の筒香選手、ジャパンの4番として素晴らしい活躍です。阪神にはこういった決定力がないんですよね。

決勝ラウンドの準決勝も、
がんばれ侍ジャパン!
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2017年03月15日 (水) 20:41:00

東洋経済オンラインによる「就職に力を入れている大学」ランキング100やいかに?

先週金曜日の3月10日に東大の前期試験の合格発表が終わり、ほぼ今年の受験シーズンが終了したような気がしますが、その3月10日付けの東洋経済オンラインでは「就職に力を入れている大学」ランキング100が明らかにされています。取り急ぎ、1位の明治大学から同率55位までのランキングの画像を東洋経済オンラインのサイトから引用すると以下の通りです。

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諸般の事情により、簡単に済ませておきたいと思います。
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2017年03月14日 (火) 22:45:00

侍ジャパンがキューバを再び撃破してWBC2次ラウンドで連勝!

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WBC2次ラウンド第2戦で再びキューバを撃破して侍ジャパンは負けなしの連勝でした。山田選手の先頭打者ホームランと8回のダメ押しホームラン、内川選手の勝ち越し犠牲フライ、投げては最後の牧田投手の見事なリリーフと、文句なしのWBC5連勝でした。これで決勝ラウンドのロサンゼルスが大きく近づいた気がします。

次のイスラエル戦も、
がんばれ侍ジャパン!
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