2013年09月30日 (月) 19:23:00

先行き強気の鉱工業生産と堅調な商業販売統計

本日、経済産業省から8月の鉱工業生産指数商業販売統計が発表されました。鉱工業生産は季節調整済みの前月比で▲0.7%の減産、商業販売統計は小売業販売額が季節調整していない前年同月比で+1.1%増加の11兆3150億円となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

8月の鉱工業生産、0.7%低下 火力発電用部品の反動減響く
経済産業省が30日発表した8月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は97.2だった。前月比で0.7%低下した。マイナスは2カ月ぶり。火力発電用部品を含む「はん用・生産用・業務用機械工業」が前月に好調だった反動で落ち込んだ。自動車生産が一服したことも響いた。
業種別でみると15業種のうち7業種が低下した。はん用・生産用・業務用機械工業は7月に大きく伸びた電力会社向けの一般用蒸気タービンや化学プラント用機器が設備投資の一服で反動減となり、2.4%減少した。乗用車販売が国内外で低調だったことで輸送機械工業も0.9%減少した。
経産省は「指数の水準自体は高さを維持している」とみている。生産の基調判断は「緩やかな持ち直しの動きがみられる」で据え置いた。
出荷指数は0.4%上昇の96.0。7月中に予定していた乗用車の輸出は一部が8月にずれ込み、輸送機械工業が3.6%上昇した。在庫指数は輸送機械工業の出荷増などにより0.1%低下の108.6、在庫率指数は1.6%上昇の112.3だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、先行きは9月が5.2%上昇。デスクトップ型パソコンやノート型パソコンの需要が伸びていることが寄与し、情報通信機械工業がけん引する。10月ははん用・生産用・業務用機械工業や輸送機械工業の回復で2.5%上昇となる見込みだ。
8月の小売販売額、2カ月ぶりプラス 燃料高と猛暑効果で
経済産業省が30日発表した8月の商業販売統計(速報)によると、小売業の販売額は11兆3150億円で、前年同月に比べ1.1%増えた。プラスは2カ月ぶり。円安による燃料価格上昇に加え、猛暑で夏物衣料や飲料などが伸びた。
小売業の内訳をみると、燃料は円安によるガソリンなど石油製品価格の上昇で6.2%増えた。夏物の売れ行きが好調だった織物・衣服・身の回り品は3.4%増だった。飲食料品小売業は猛暑による野菜の価格上昇もあり1.6%増加。一方、自動車は軽自動車が好調だったものの、前年のエコカー補助金制度がなくなった影響で3.5%減った。
大型小売店は0.9%増の1兆5822億円で、2カ月ぶりのプラス。既存店ベースは0.1%減と2カ月連続で減った。このうち百貨店は3.0%増と2カ月ぶりに増加した。夏物衣料が好調だったうえ、前年より土曜日が1日多かったことが寄与した。スーパーは1.3%減だった。
コンビニエンスストアは4.3%増の9047億円。新規出店効果に加え、飲料やアイスなどが好調だったほか、ゲーム用プリペイドカードなども増えた。既存店ベースでは1.3%減だった。


いつもの通り、いずれもよくまとまった記事でした。記事の引用だけでおなかいっぱい、という感じがしないでもないんですが、次に、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。なお、毎度のお断りですが、このブログだけのローカル・ルールで、直近の景気循環の谷は2012年11月であったと仮置きしています。これについては後の商業販売統計のグラフでも同じです。

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鉱工業生産は季節調整した前月比で▲0.7%の減産となりましたが、日経QUICKによる市場の事前コンセンサスも▲0.4%と減産を予想していて、予測レンジが▲1.4%から+0.6%でしたから、大きなサプライズはありませんでした。引用した記事にもある通り、電力会社の火力発電向けの部品の反動減が主たる減産の要因です。加えて、これも記事にあるように9月から10月にかけて製造工業生産予測指数は大きくリバウンドしています。統計作成官庁の経済産業省が「緩やかな持ち直しの動き」で基調判断を据え置いたのも当然という気がします。上のグラフを見ても、生産はジグザグした動きながら、引き続き、緩やかな回復基調を維持していると言えますし、資本財出荷も設備投資動向と整合的な動きで緩やかな増加傾向にある一方、耐久消費財出荷もプラスに反転しつつあります。伸びは緩やかながら先行きは強気の生産計画で、総じて生産と出荷ともに底堅い動きと受け止めています。

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続いて、商業販売統計のうちの小売業販売のグラフは上の通りです。上のパネルは季節調整していない原系列の販売額の前年同月比伸び率、下は季節調整指数そのものを、それぞれプロットしています。上のパネルの前年同月比では最初に書いたように+1.1%増ですが、先週の金曜日に発表された消費者物価が生鮮食品も含む総合、いわゆるヘッドラインCPIで+0.9%の上昇でしたので、CPIでデフレートした実質の消費はほぼ横ばいと考えるべきです。引用した記事にもある通り、エコカー補助金の反動減がある一方で、猛暑効果による衣類や食料・飲料の売上増が消費を下支えしています。先行きは冬のボーナスも含めて、所得の伸びに対する期待にも依存し、また、何といっても来年4月から消費税率が引き上げられるかどうかで駆込み需要が発生する可能性があります。すなわち、消費税率が来年4月から引き上げられると仮定すれば、駆込み需要も含めて来年の3月いっぱいまで消費は堅調に推移し、4月からの消費税率引上げとともにドカンと落ちる、というのが標準的なシナリオなんではないかと思います。年明けとともに駆込み需要が目に見えて実感される地合いになる可能性を指摘しておきたいと思います。

リーマン・ショックの大混乱から5年を経て、米国が再び暫定予算不成立による政府機関のシャットダウンから世界経済に影響が及ぶ可能性が無視できなくなってきています。ギリシアをはじめとする欧州のソブリン危機が落ち着きつつある中で、世界経済の新たな火種にならないように願っています。
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2013年09月29日 (日) 17:49:00

キース・ジャレット・トリオの新譜「サムホエア」を聞く

今週聞いたジャズは私の好きピアノ・トリオです。

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キース・ジャレット・トリオ「サムホエア」です。今さら言うまでもありませんが、キース・ジャレットがピアノ、ベースはゲイリー・ピーコック、ドラムスはジャック・デジョネットです。録音は2009年7月にスイスにてライブの収録です。アルバムの構成は以下の通りです。

  1. Deep Space/Solar
  2. Stars Fell on Alabama
  3. Between the Devil and the Deep Blue Sea
  4. Somewhere/Everywhere
  5. Tonight
  6. I Thought About You


アルバムのタイトルに取られている曲が4局目のバーンスタインの作になる曲なんですが、実は、私が高校生くらいですから35-40年くらい昔、今のキース・ジャレット・トリオが結成される前のアメリカン・クインテットからホーンを除いたトリオで「サムホエア・ビフォー」というアルバムが発売されています。セピア色のノスタルジックな写真をジャケットに貼っていて、私はこのLPを持っていました。1曲目がボブ・ディランの「マイ・バック・ペイジ」でした。大好きな曲で、今でもウォークマンに入っています。
実は、この2つのアルバムを混同していて、先週になって違うんだということをを知り、とても慌てて入手しました。録音が2009年ですから、とっても最新のアルバムというわけではありませんが、その前に私が入手したキース・ジャレットのアルバムは2011年の「リオ」でしたので、ライブを収録したトリオのアルバムということもあり、私からすれば是非とも聞くべきアルバムと言えます。音楽の完成度や仕上がりという点ではキース・ジャレット・トリオからすればやや抑制されている感じもして、標準的と言えるんでしょうが、私のようなジャズ・ファン、特に、ジャズ・ピアノを好きな人間は必ず聞いておくべきアルバムです。その意味でオススメです。
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2013年09月28日 (土) 20:14:00

今週の読書は『ライス回顧録』と『第2次世界大戦 影の主役』

今週読んだのは大作2冊だけですが、以下の通りです。

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まず、コンドリーザ・ライス『ライス回顧録』(集英社) です。はじめにお断りしておきますが、私はこういった「回顧録」とか「回想録」のたぐいの自伝的な、と言うか、自分で自分を対象にした本は意図的に読まないようにしています。ですから、ブッシュ政権期では『ライス回顧録』よりも私の専門分野で言えば3年ほど前に出た『ポールソン回顧録』の方が近いんですが、これは読んでいません。ブッシュ政権期の経済的な範疇でもっとも印象的だったイベントはリーマン・ショックなんですが、たぶん『ポールソン回顧録』でもたっぷり回顧されているとは予想するものの、むしろソーキンの『リーマン・ショック・コンフィデンシャル』と言ったジャーナリストに取りまとめられた記録の方を好んで読んだりしています。それはともかく、私のようなリベラルというよりも、左翼のエコノミストから見ればブッシュ政権期の外交や安全保障に関わった政府要人、例えば、チェイニー副大統領をはじめ、コリン・パウエル国務長官、ドン・ラムズフェルド国防長官、そして言うまでもなくコンドリーザ・ライス安全保障担当大統領補佐官などはひとまとめにして「ネオコン」だと思っていたんですが、ご本人からすればかなり違うようです。チェイニー副大統領は何の留保条件もなくネオコンなんでしょうが、民主主義というデュープロセスを重視するライス補佐官・国務長官はネオコンではないような書き振りでした。また、1期目のブッシュ政権下での国家安全保障担当大統領補佐官と2期目の国務長官というそれぞれのポストは、私のようなエコノミストから見れば大きな違いはないように感じていたんですが、大統領の信任だけが仕事の支えとなる補佐官と巨大なる官僚機構をバックに従えた国務長官では、大きな違いがあることを知りました。とても興味深い本なんですが、2段組でびっしり字の詰まった700ページ近い枚数を読みこなすのは万人にオススメ出来ることではありません。

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次に、ポール・ケネディ『第2次世界対戦 影の主役』(日本経済新聞) です。私はケネディ教授の著作は25年ほど前に、かの有名な『大国の興亡』上下を読んだ記憶はありますが、読んだ記憶があるだけでさすがに中身は忘れました。ハンティントン教授の『文明の衝突』を読むまでは私の考え方に大きな影響を及ぼしていた本だったと言えます。ということで、この『第2次世界大戦 影の主役』も読んでみたのですが、私に専門的な知識がないことも一因でしょうが、よく分からなかったです。例えがひどいんですが、関西方面の意地悪なぞなぞで「大阪城を建てたのは誰でしょう?」というのがあります。豊臣秀吉ではなく、「大工さん」というのが正解です。この本も第2次世界大戦の帰趨を制したのはエンジニアのちょっとした発明品であるということを延々と敷衍しています。やや失敗した気がします。

先日、アセモグル&ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』上下巻を借りることが出来ました。来週の読書はこの本が中心になりそうです。
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2013年09月28日 (土) 08:27:00

「あまちゃん」最終回を見る!

先ほど、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の最終回を見終えました。
初回からBS1の朝7時半に始まる放送を出来るだけ欠かさず見続けてきました。とても面白かったです。豪華キャストでした。世間ではTBS日曜劇場の「半沢直樹」シリーズの高視聴率も話題になっていますが、私は池井戸潤さんの原作を読んでいますので、コチラはパスしました。
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2013年09月27日 (金) 21:54:00

上昇幅を拡大した消費者物価はこの先どうなるか?

本日、総務省統計局から消費者物価指数 (CPI) が発表されました。生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPI上昇率は8月の全国で+0.8%、9月の東京都区部で+0.2%と、いずれもプラスながら、前月に比べて、全国では上昇幅を拡大した一方で、東京都区部では縮小しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

消費者物価0.8%上昇 8月、3カ月連続プラス
総務省が27日朝発表した8月の全国の消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、生鮮食品を除く総合が前年同月比0.8%上昇の100.4と3カ月連続で上昇した。上昇率は原油価格や穀物価格が高騰した08年11月(1.0%上昇)以来、4年9カ月ぶりの大きさ。引き続きエネルギー価格の上昇がけん引した。
指数を押し上げたエネルギーのうちガソリン価格は13.2%上昇した。円安で仕入れ価格が上昇する傾向にある。電気代も原子力発電所の稼働停止を受けた電力会社による値上げにより8.9%上昇した。
教養娯楽用耐久財はテレビの販売価格の下落幅が縮小したほか、デスクトップパソコンやノート型パソコンの価格上昇が寄与し、1992年1月(0.4%上昇)以来、11年7カ月ぶりに上昇に転じた。
生鮮食品を含む総合はトマトが10.3%上がるなど生鮮野菜の値上がりで0.9%上昇の100.3だった。食料とエネルギーを除いたCPIは0.1%下落の98.5で、プラスには転じなかった。
同時に発表した9月の東京都区部のCPI(中旬の速報値、2010年=100)は生鮮食品を除く総合が0.2%上昇の99.5だった。全国と同様にエネルギー価格が指数を下支えした。
総務省は先行きについて「都区部の9月中旬速報値の結果を踏まえると、全国の『総合』と『生鮮食品を除く総合』は9月もプラスが続くと見込まれる」とみている。


いつもの通り、いずれもよくまとまった記事でした。続いて、下のグラフは生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの全国と東京都区部の前年同月比上昇率とエネルギーと食料を除く総合で定義されるコアコアCPI全国の上昇率を折れ線グラフでプロットし、全国コアCPIの上昇率に対する寄与度をエネルギーと食料とその他に分けて積上げ棒グラフで示してあります。

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生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIは上昇率をさらに高めて+0.8%に達しました。上の青い折れ線グラフの通りです。他方、食料とエネルギーを除く総合で定義されるコアコアCPIは上の赤い折れ線グラフではゼロに達したように見えますし、実際にも発表されている小数点以下1位までの指数で計算するとゼロなんですが、公表されていない端数を持った指数で計算すると▲0.1%の下落となるようです。統計局から発表されている指数と上昇率が整合性ないわけで、このあたりは情報公開の観点から大きな問題のような気がします。次に、折れ線グラフから、コアCPI上昇率の寄与度を示す積上げ棒グラフに目を転じると、エネルギーと食料以外のその他と食料の寄与度は、小数点以下1位の指数で計算する限り、どちらもゼロとなります。すなわち、コアCPI上昇率+0.8%のすべてがエネルギーに起因しています。このブログの一昨日のエントリーで企業向けサービス価格指数(CSPI)を取り上げた際に、国際運輸を除くCSPIはかなり需給に敏感であり、これが上がるのであれば相対価格の変化ではない一般物価の上昇かもしれない、と書きましたが、現時点では、+0.8%の上昇を記録したコアCPIについては、エネルギー価格の上昇という相対価格にとどまっていると考えるべきです。もちろん、このエネルギー価格の上昇には、我が国がエネルギーの多くを輸入している以上、為替の円高修正も含めてということで私は理解しています。なお、エネルギー価格に起因するという意味では、まったく同様に、東京都区部の9月のコアCPI上昇率が+0.2%と先月の+0.4%からプラス幅を縮小させているのは、昨年9月における東電の電気料金引上げの影響が一巡したためです。ここ数か月の物価上昇が為替変動も含めたエネルギー価格に起因するものであれば、国際商品市況や為替の動きがこのまま安定的に推移すると仮定すれば、この後、財政政策や日銀の金融政策による需給ギャップの改善や賃金の引上げが伴わない限り、インフレ率の上昇幅拡大はそろそろ頭打ちになる可能性があると覚悟するべきです。

ですから、2年後に+2%というインフレ目標は、来年4月の中間点で消費税率引上げという需給ギャップの悪化を招くイベントもあって、やや難しそうな気もします。しかしながら、一昨日の記事の繰返しですが、政府の財政政策や日銀の金融政策によって景気がよくなった上で、あくまで景気がよくなると前提した上で、景気がよくなって物価が上がらないのであれば、もっと結構なことではないか、とうそぶくリフレ派のエコノミストもいたりします。
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2013年09月26日 (木) 22:49:00

9月調査の日銀短観は企業マインド大幅改善を裏付けるか?

来週火曜日10月1日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから9月調査の日銀短観予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業と非製造業の業況判断DIと大企業の設備投資計画を取りまとめると下の表の通りです。設備投資計画は2013年度、すなわち、今年度です。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。いつもの通り、先行きに関する見通しを可能な範囲で取りました。もともと先行き判断を含む調査ですから、何らかの先行きに関する言及があるリポートが多かったような気がします。ただし、長くなりそうな場合はこの統計のヘッドラインとなる大企業製造業だけにした場合もあります。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名大企業製造業
大企業非製造業
<設備投資計画>
ヘッドライン
6月調査 (先行き)+10
+12
<+5.5>
n.a.
日本総研+10
+20
<+6.0>
先行き(2013年12月調査)は、大企業・製造業、大企業・非製造業で各々9月対比+2%ポイント、+4%ポイントと改善を予想。製造業では、生産や輸出の拡大が企業業績の回復を後押しする見込み。一方、非製造業では、消費税率引き上げ前の駆け込み需要や、円安基調を背景とした訪日外国人客数の増加により、景況感が改善を続ける見通し。
大和総研+5
+15
<+6.9>
先行きに関しても、2013年度は収益の改善が見込まれることから、幅広い業種で改善が続くとみている。足下のドル円レートは100円前後と、企業の業績前提と比べて円安水準での推移が続いている。企業の想定為替レートが現在の値に収斂していけば、企業の収益見通しは上方修正され、業況感の押し上げ要因になるだろう。ただし、ASEAN諸国をはじめとする新興国の景気減速懸念が高まっていることは、企業の収益見通しを押し下げる可能性があり、先行きの改善幅を縮小させる可能性がある。
みずほ総研+8
+14
<+5.8>
(大企業製造業) 先行きは、原材料コストの上昇や新興国の景気減速が懸念されるが、円安による輸出数量面への効果が続くことなどから改善が続く見込みとなるだろう。
(非製造業) 先行きは、冬のボーナス増加に伴う年末商戦への期待や、緊急経済対策による公共投資の押し上げが続くことなどを背景に改善の見込みとなろう。
ニッセイ基礎研+8
+14
<+6.1>
先行きについても、米国を中心とする海外経済の回復やアベノミクスへの期待は根強く、全体としては小幅ながら景況感の改善を予想する。ただし、先行きに対して慎重になりがちな中小企業では、ほぼ横ばい推移に留まると見ている。
伊藤忠商事経済研+6
+14
<+6.0>
大企業製造業の現状判断DIは6月調査の4が9月調査で6へ改善、リーマンショック直前の2008年6月調査で記録した5を上回ると見込む。先行き見通しは更に8へ改善するが、消費税率引き上げ後の需要動向に対する懸念もあり、改善幅は小幅にとどまると考えられる。
第一生命経済研+7
+15
<+5.7>
10月1日の日銀短観は、安倍首相が最終的に消費税率を引き上げる上での判断材料になる。筆者は、ここでの業況判断DIの改善を見極めて、首相は増税を決断するとみている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+11
+15
<+7.0>
政府は、2014年4月に予定されている消費税率の引き上げ(5%→8%)の是非について、日銀短観(9月調査)発表後の10月初旬に最終判断を下すとみられる。今年上半期に高成長を実現した日本経済だが、さらに夏場にかけての企業マインドの改善ならびに設備投資意欲の高まりが確認された場合、政府は、「経済状況の好転」が条件となっている消費税率引き上げを決断する可能性が高い。
三菱総研+7
+14
<n.a.>
先行きの業況判断DI(大企業)は、米国経済の回復持続や国内需要の堅調維持を背景に、引き続き改善となろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+9
+15
<+6.1>
(大企業製造業) 先行きの業況判断DIは1ポイント低下の8と小幅に悪化する可能性がある。輸出企業を中心とした円安による売上高の押上げ効果が一巡する上、国際商品市況の上昇が徐々にコストを押上げ利益を圧迫する。
(非製造業) 先行きの業況判断DIは1ポイント低下の14と、改善は頭打ちとなるだろう。個人消費は足元までの急な伸びが一服すると見込まれ、小売など消費者関連の業種を中心に業況は悪化する可能性がある。


ということで、ヘッドラインは業況判断に関する先行き見通しについて主としてピックアップしたんですが、ハイライトしてある第一生命経済研と三菱UFJモルガン・スタンレー証券だけは来年2014年4月からの消費税率引上げに関する判断を取っています。先週金曜日の9月20日に経済見通しを取りまとめた記事と同じ結論なんですが、日銀短観に見られる企業マインドも順調に改善を示しており、大雑把に、多くのエコノミストの間で「消費税率引上げの環境は整った」とのコンセンサスが出来上がりつつあるような気がします。
ほぼすべての予測機関が公表する業況判断DIと設備投資計画のほかに、前回6月調査の日銀短観から私は販売と仕入の価格判断DIにも注目しているんですが、上のテーブルに取りまとめたシンクタンクや金融機関の短観予測にはいずれも含まれていません。ただし、メールに添付してクローズな形のニューズレターの中に、Deutsche Bank からちょうだいしているリポートがあるんですが、そこでは大企業製造業の販売価格判断DIは9月調査ではプラスに転ずるとの予想が示されていました。6月調査時点では足元▲4、先行き▲1だったDIが9月調査の足元では+1に転ずるとの予想でした。そろそろ販売価格引上げのマインドが広がりつつあるような気がしないでもありません。言うまでもありませんが、日銀による+2%のインフレ目標やデフレ脱却には追い風と考えるべきです。

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最後に、日銀短観のうちの業況判断DIの予想の一例として、日本総研のリポートからグラフを引用すると上の通りです。何らご参考までなんですが、直近の2012年4月を山とする景気後退期のシャドーは示されていませんので念のため。
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2013年09月25日 (水) 19:23:00

需給ギャップに敏感な企業向けサービス価格指数 (CSPI) も上昇が続く!

本日、日銀から8月の企業向けサービス価格指数 (CSPI) が発表されました。ヘッドラインである総平均の前年同月比上昇率は+0.6%を記録し、前月と同じ上昇幅でした。2月に一度プラスを記録した後、5月に再度プラスに転じて以来4か月連続のプラスということになります。変動の激しい国際運輸を除く総平均で定義されるコアCSPIの前年同月比は+0.1%と久し振りにプラスを記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

8月の企業向けサービス価格、4カ月連続上昇
日銀が25日発表した8月の企業向けサービス価格指数(2005年平均=100)は96.1と、前年同月比0.6%上昇した。前年実績を上回るのは4カ月連続。テレビや新聞の広告に加え、リース・レンタルの単価上昇が寄与した。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引するサービスの価格水準を示す。為替相場や海外景気の影響を受けにくい「国際運輸を除く総平均」は前年同月比0.1%上昇した。前年実績を上回るのは12年5月以来、1年3カ月ぶり。
業種別にみると、広告が前年同月比1.0%上昇した。テレビでは特別番組の高単価な広告があったほか、幅広い業種からの出稿があったという。新聞では輸送機器や金融などが増えた。
リース・レンタルでは電子機器関連の単価が上昇した。仮設資材や建設機械のレンタル価格も上昇。首都圏の再開発事業やマンション建築、東北地方の建設関連の需要が増えていることが背景にあるという。
一方、外航貨物輸送はプラス幅が縮小した。外国為替相場が7月に比べ円高方向に振れたうえ、原油タンカーの運賃が下落したことが響いた。


というわけで、いつもの通り、よくまとまった記事だという気がします。企業向けサービス価格指数 (CSPI) と企業物価指数 (CGPI) の前年同月比上昇率グラフは下の通りです。折れ線グラフの色分けは凡例の通りとなっており、影をつけた景気後退期は毎度のお断りで、直近の景気の山は内閣府の認定通りに昨年2012年4月なんですが、このブログのローカル・ルールで、2012年11月を直近の景気の谷と仮置きしています。

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引用した記事にもある通り、国際運輸を除く総平均のコアCSPIの前年同月比上昇率がプラスに転じたのは2012年5月以来の15か月ぶりです。サービスは商品よりも人件費の割合が高いため、上のグラフでも左右で軸を分けてプロットしているように、サービス価格は商品価格よりもプラスもマイナスも変動幅が小さく、我が国のようなデフレ状態に陥った場合にはプラスに転ずるのに時間がかかるんですが、ようやく、総平均のヘッドラインもコアもCSPIの上昇率がプラスに転じつつあると私は受け止めています。企業物価 (CGPI) と明後日に発表される消費者物価 (CPI) はどちらもエネルギー価格にけん引された物価上昇を生じており、相対価格の変化なのか一般物価の上昇なのかを見分けにくいと私は感じていたんですが、需給ギャップにかなり敏感なCSPIが上昇に転じつつあるならホンモノの一般物価の上昇なのかもしれません。また、物価ではなく賃金なんですが、別のソースを見ても、先週9月20日に発表されたリクルート・ジョブズの「アルバイト・パート全国エリア別募集時平均時給調査」では、8月の首都圏・東海・関西の三大都市圏におけるアルバイト・パートの募集時平均時給は951円と前年同月より+4円、+0.4%の上昇となっていますから、実にゆっくりしたペースながら、一般物価とともに賃金の上昇も本格的に始まるのではないかと期待させる兆候も見られます。

2年後をめどに消費者物価の上昇率で+2%を目指す日銀のインフレ目標は、私は十分可能性があると予想していますが、この2年の間に消費税率の引上げなどの需給ギャップを悪化させるイベントもあり、必ずしも容易に達成できるとは考えられません。しかし、私と同じリフレ派のエコノミストでも、日銀の金融政策によって景気がよくなった上で、あくまで景気がよくなると前提した上なんですが、景気がよくなって物価が上がらないのであれば、もっと結構なことではないか、とうそぶく人もいたりします。そうなのかもしれません。
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2013年09月24日 (火) 23:11:00

消費税の逆進性緩和策について考える

このブログの先週金曜日のエントリーでも、来年2014年4月からの消費税率引上げを見据えて経済見通しを紹介しましたが、一部の報道では安倍総理はすでに消費税率引上げを決意したと報じられたりしています。他方、実行面で消費税には直接的な所得の移転に加えて、価格の引上げに伴う実質所得の減少などにより景気にマイナスであることから、さまざまな景気対策について議論されているのも事実です。例えば、日本経済研究センターの「消費増税、景気腰折れを防ぐ配慮を」と題するリポートでは、消費税増税に公的年金の負担増と今年度補正予算の剥落効果や駆込み需要の反動を加えて2014年度には▲16兆円強の需要削減効果が生じると試算していたりします。包括的な経済対策も考えられているようですが、今夜のエントリーでは逆進性の緩和策に話題を絞って、簡単に私の考えを取りまとめたいと思います。

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まず、消費税の逆進性に関する実証研究から、上のグラフは直接には2011年5月に発表された内閣府の「社会保障・税一体改革の論点に関する研究報告書」p.7 から引用していますが、基はといえばAmerican Economic Review に掲載された論文からデータを取っていて、カナダにおける売上げ・物品税の年間所得と生涯所得の年収階級別の負担率をプロットしています。見れば明らかなんですが、ある1年の年間所得に対しては消費税はかなり逆進的であるものの、生涯の年収カーブを考慮した生涯年収に対しては逆進性はそれほど大きくない、という結論が導かれると思います。

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生涯所得に対する逆進性はそれほど大きくないとは言うものの、逆進的であることは確かですから、何らかの対策をもしも講じる必要があると仮定すれば、一般的には、(1) 軽減税率の適用、(2) 何らかの簡素な給付措置の実行、(3) 給付付き税額控除、などが考えられます。もちろん、(2)と(3)は国民全員ではなく、何らかの基準に従って低所得者だけを対象とする措置です。上のうち、軽減税率については、大和総研のリポート「来春の消費税増税後の焦点」でいくつかのケースの逆進性が試算されており、リポートの p.11/14 から引用したグラフは上の通りです。結論として、軽減税率の適用は逆進性を緩和する効果は小さい、と考えざるを得ません。加えて、軽減税率は結局のところ額としては高所得者に大きな恩恵を及ぼすとしか考えられません。例えば、食料品について一括で軽減税率を適用するとしても、低所得者よりも高所得者の方が支出額として食料品により多く支出している可能性が高く、高所得者により大きな金額の恩恵が及ぶと考えるべきです。ですから、私としては、低所得者を対象とした何らかの簡素な給付措置か給付付き税額控除が望ましいと考えています。前者の簡素な給付措置は、一例としては、1999年度の上半期に実施された地域振興券あるいは2009年3月に実施された定額給付金を思い浮かべることが出来ます。この両者はともに国民一律に実施されましたが、もちろん、今回は何らかの基準を設けて低所得者を対象とすべきです。なお、後者の給付付き税額控除は世界各国でいろんな制度が実施されており、基本的には税額控除または給付なんですが、所得に従ってゼロまで含めて給付を減額するものです。やや分かりにくいかもしれませんが、下の画像は昨年2012年5月に開催され、給付付き税額控除について等が議論された税制調査会第13回専門家委員会に提出された「資料 (諸外国の制度について)」から、私が直感的に理解できたカナダにおける「給付付き税額控除」の概要を引用しています。カナダの詳細やほかの国の制度については引用元の資料をご覧ください。

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軽減税率はそれほど逆進性緩和に効果がなく、むしろ、低所得者を対象とした何らかの簡素な給付措置か給付付き税額控除が望ましい、と考えるのはエコノミストの間で大雑把なコンセンサスを得ているのではないかと私は受け止めています。例えば、先に引用した日本経済研究センターのリポート「消費増税、景気腰折れを防ぐ配慮を」とか、あるいは、大和総研のリポート「来春の消費税増税後の焦点」でも同様の結論を示しているだけでなく、アカデミックな学界でも早稲田大学の横田教授の紀要論文「消費増税における逆進性緩和策」も同じ結論に達しています。なお、これらの公開のリポートや論文には示されていませんが、私は軽減税率の適用が天下りの利権として利用されるおそれがあるのではないかと疑っています。例えば、財務省の事務次官経験者が新聞社やインターネット・プロバイダに天下ったりしたのは、ひょっとしたら、この軽減税率利権にからむ何かがあるのではないかと疑いの目で見ていたりします。いずれにせよ、軽減税率は低所得者を含めた消費者サイドの議論ではなく、生産者が自社や同業他社も含めた業界の製品の相対的な価格競争力を高めるための仕組みになってしまうおそれがあることは覚悟すべきです。
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2013年09月23日 (月) 17:09:00

ラザール・ベルマンのピアノによる「リスト: 巡礼の年」を聞く

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ようやく図書館の予約の順番が回って来ましたので、ラザール・ベルマンのピアノによる「リスト: 巡礼の年」を聞きました。1977年レコーディングの3枚組です。アルバムの構成は以下の通りです。

[CD 1]
巡礼の年 ・ 第1年《スイス》 S160
1. ウィリアム・テルの聖堂
2. ワレンシュタットの湖で
3. 田園曲
4. 泉のほとりで
5. 夕立
6. オーベルマンの谷
7. 牧歌
8. ノスタルジア (ル・マル・デュ・ペイ)
9. ジュネーヴの鐘

[CD 2]
巡礼の年 ・ 第2年《イタリア》 S161
1. 婚礼
2. 物思いに沈む人
3. サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ
4. ペトラルカのソネット 第47番
5. ペトラルカのソネット 第104番
6. ペトラルカのソネット 第123番
7. ダンテを読んで(ソナタ風幻想曲)
《ヴェネツィアとナポリ》 S162 - 《巡礼の年》 ・第2年補遺
8. ゴンドラを漕ぐ女
9. カンツォーネ
10. タランテラ

[CD 3]
巡礼の年 ・ 第3年 S163
1. アンジェルス!守護天使への祈り
2. エステ荘の糸杉に 第1番〈悲歌〉
3. エステ荘の糸杉に 第2番〈悲歌〉
4. エステ荘の噴水
5. 哀れならずや [スント・ラクリメ・レールム] (ハンガリーの施法による)
6. 葬送行進曲
7. 心を高めよ [スルスム・コルダ]

言うまでもありませんが、村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋) を読んでインスパイアされて聞いたものです。上のジャケットは国内盤のデザインなんですが、しばらく廃盤になっていたものの、輸入版が売切れ続出なもので、5月半ばにユニバーサル・ミュージックから再発売しています。私は最近まで再発売を知らずに図書館の予約を待ち続けていました。第1年スイスの8局目の「ル・マル・デュ・ペイ」が『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の重要なモチーフのひとつとして登場します。私はジャズ中心に聞いていて、こういったクラシックは専門外なので、単に「聞いた」というだけで終わりにします。のんびりした3連休でした。
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2013年09月22日 (日) 18:16:00

巨人の優勝と小川投手の新人賞を本日の試合で阪神がアシスト!

  HE
ヤクルト201000400 771
阪  神100002210 6122


「阪神が負けて巨人が優勝」の回避は有効期限1日だけでした。ジャイアンツの優勝だけではなく、さらに、ヤクルト小川投手の新人賞も強力にアシストです。ついでに、バレンティン選手のホームラン日本新記録更新はどうかと思ったんですが、コチラはゼロ回答でした。連日の長時間の試合お疲れさまです。リーグ優勝はようやく決まりましたので、タイガースも早くCS出場を決めたいものです。

ポストシーズン目指して、
がんばれタイガース!
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2013年09月22日 (日) 17:26:00

先週の読書は三浦しをん『政と源』(集英社) ほか

先々週はジャーナリストが書いたドキュメント、ルポルタージュが中心でしたが、先週読んだのはフィクションというか、小説が中心です。特に、三浦しをん『政と源』(集英社) を中心に取り上げます。もちろん、単なる私の趣味です。

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三浦しをん『政と源』(集英社) を読みました。今日のエントリーはこの本の特集ですので特別扱いで、以下は出版社の特設サイトからあらすじと登場人物の画像を引用しています。

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この作者の作品は、直木賞を授賞された『まほろ駅前多田便利軒』にせよ、本屋大賞に輝いた『舟を編む』にせよ、私の割と好きな青春小説の『強く風が吹いていた』も、最近流行った『神去なあなあ日常』にしても、何となくプライベートの部分が弱くて、パブリックの部分で勝負している、というか、関西人的にいえば、ホンネを見せずに建て前だけでストーリーを進めているように見えるところがあり、それだけに、キレイだが浅い小説になっている気がしていました。私が読んだ中では、唯一の例外が同じ出版社の『光』です。そして、この『光』は三浦しをんの小説の中でも、もっとも評価の低い作品のひとつだろうと私は考えています。ですから、この作品はその意味で新機軸なんだろうと私は受け止めています。決して、舞台が郊外の「まほろ」≒町田から下町に移ったことや、主人公が70歳を超える男性高齢者になったことなどが新機軸なのではありません。『Cobalt』でまだ連載が続いているのかどうか、私は知りませんが、続編を待望しています。

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次に、海堂尊『輝天炎上』(角川書店) です。この作者のシリーズの最初の『チーム・バチスタの栄光』は私は高く評価していて、田口公平を主人公とする表シリーズも、天馬大吉を主人公とする裏シリーズもどちらもすべて読んでいると思うんですが、デビュー作から時を経て作品の質が低下しているように思います。これは、森博嗣の作品にも同じことが当てはまると私は考えていて、S&MシリーズとVシリーズをすべて読んで、Gシリーズはそもそも完結していないながら、デビュー作の『すべてがFになる』を私はもっとも高く評価しています。

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次に、秋吉理香子『暗黒女子』(双葉社) です。ミッション系の名門女子高校を舞台にしているんですが、私は仏教系の男子高校の出身者ですので、よく分からない部分もあります。作者は覆面作家で正体が知れないんですが、ひょっとしたら男性なのではないかと疑うような女心の無理解を示す部分もなくはありません。流行っていると聞いて借りましたが、オススメしません。

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次に、コーマック・マッカーシー『チャイルド・オブ・ゴッド』(早川書房) です。米国の作家としてはオーツとともにノーベル文学賞に最も近い作家の1人と認識しています。その初期の作品で、初出は1973年です。私はこの作家なら、常識的ではありますが、1990年代のいわゆる国境3部作、『すべての美しい馬』、『越境』、『平原の町』、そうです、ジョン・グレイディが主人公の作品なんですが、コチラをオススメします。なお、今年こそノーベル文学賞は村上春樹がイチオシです。

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最後に、高田郁『残月』(ハルキ文庫) です。時代小説です。澪つくし料理帳シリーズの竿新刊第8巻です。澪をめぐる環境が大きく変わる予兆の巻です。小松原との縁談が壊れ、種市は澪を2年後に吉原に送り出す決意を固め、芳は再婚します。これからの展開が楽しみです。

この連休はエンタメ系の小説の旧作しか読みませんでした。『ライス回顧録』、倉重篤郎『小泉政権1980日』、ポール・ケネディ『第2次世界対戦 影の主役』などを借りましたので、今週はせっせと読書したいと考えています。
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2013年09月21日 (土) 19:46:00

5時間を超える延長戦ながら「阪神が負けて巨人が優勝」は回避!

 十一十二 HE
ヤクルト010510000000 7131
阪  神200022010000 7111



マジックを1とした巨人がナイターを戦う前に、「阪神が負けて巨人が優勝」だけは回避したいところでしたが、何とか阪神ファンの願いは叶えられました。ついでに、バレンティン選手のホームラン日本新記録更新阻止も成し遂げられました。今日の試合の成果はその2点に尽きるのではないでしょうか。5時間を大きく超える長い試合、お疲れさまでした。

ポストシーズン目指して、
がんばれタイガース!
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2013年09月21日 (土) 13:44:00

リニア中央新幹線の経済効果やいかに?

メディアで広く報じられているところですが、今週水曜日の9月18日、JR東海からリニア中央新幹線に関する「環境影響評価準備書」が発表されています。来年の着工と2027年の開業を目指し、全線286キロの詳細なルートと具体的な駅の場所が明らかになっています。まず、ルートを Yahoo! ニュース The Page のサイトから引用すると以下の通りです。

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一時は南アルプスを回避して山梨と長野の県境付近で大きく北に蛇行するルートも報じられていましたが、どうやら、直線に近いルートで決着したようですが、新大阪まで延伸する際には、わが故郷の京都は通らないようです。もっとも、新大阪までの開業は2045年度を予定しており、30年余り先の話ですから、今年ですでに50歳を過ぎている私は寿命が尽きる可能性もあります。また、これも広く報じられている通り、全線286キロのうち地上部分は約40キロに過ぎず、残りの86パーセントがトンネルというか、地下になります。騒音対策や用地取得手続きを簡略化するためだそうですが、車窓からの景色は楽しめそうもありません。

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次に、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「政策研究レポート: リニア時代到来への期待」において試算されている経済効果は上の通りです。すなわち、2025年の開業年から50年間の経済効果で、名古屋までの開業により10.7兆円、大阪まで延伸すれば16.8兆円と算出されています。試算では大雑把な経済効果の県別の大きさも発表されており、赤が濃いほど経済効果が大きくなっています。ですから、東北北部や山陰、北陸、四国南部、福岡を除く九州などの地域経済への波及は小さいと見込まれています。ほど、現在の新幹線が通っている地域、特に東海道ないし東海道・山陽に偏っているといえます。さらに、産業についてもリポートでは首都圏では金融・サービス業が、名古屋県では製造業の活性化が見込まれるとしています。観光への波及は「中間駅周辺地域では観光面での交流増進が強く期待される」という表現にとどまっています。

9月9日の東京オリンピックの経済効果を取り上げたエントリーでも、地域的な偏りと産業的な偏りを指摘しましたが、従来と同じ産業構造のままの量的な拡大を目指すんではなく、東京オリンピックやリニア新幹線で活性化される地域や産業にいかにスムーズに労働や資本の移動を図るかが重要になります。
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2013年09月20日 (金) 19:39:00

消費税率引上げを盛り込んだ2013-15年度経済見通しやいかに?

先週月曜日9月9日のGDP速報2次QEの発表を受けて、シンクタンクなどで今年度から2015年度くらいまでの経済見通しが公表されています。来年度見通しにつては2014年4月からの消費税率の引上げが標準シナリオとなった感があり、消費税率引上げ直前の駆込み需要の発生と税率引上げ直後の景気の落ち込みを合わせて評価されています。それでも、2014年度はプラス成長を見込む機関が多いとの結果です。以下のテーブルは、いつもの通り、パスワード付きのサイトやニューズレターなどのクローズな形で提供されている情報を除き、広くweb上で公開されている情報に限って取りまとめてあります。引用には十分に慎重を期したつもりですが、タイプミスもあり得ますのでデータの完全性は無保証です。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。なお、発表時期については、日本総研だけが2次QEの公表前ですが、それ以外はすべて9月9日の2次QE公表を踏まえた見通しとなっています。

機関名201320142015ヘッドライン
日本総研+2.6+0.3n.a.2014年度入り後は、消費税率引き上げ後の落ち込みと、公共投資の押し上げ効果はく落による「二重の反動減」が、景気下押しに作用。とりわけ下振れ圧力が集中する4-6月期は大幅マイナス成長に。その後は、米国景気が堅調に推移するほか、金融緩和などを通じた円安が引き続き輸出環境の改善に寄与し、成長率も持ち直しへ。
ニッセイ基礎研+2.50.0+0.8実質GDPは2013年7-9月期、10-12月期と前期比年率3%程度の伸びを続けた後、2014年1-3月期は個人消費の駆け込み需要を主因として前期比年率4.6%の高成長になるだろう。しかし、2014年4-6月期は駆け込み需要の反動減と物価上昇に伴う実質所得低下の影響が重なることで年率▲6.6%の大幅マイナス成長となることが予想される。反動減の影響は消費税率引き上げ直後が最も大きく、その後は押し下げ幅が縮小するが、実質所得減少による影響は年度を通して下押し圧力となる。マイナス成長は1四半期で終了するが、その後もあまり高い成長は期待できないだろう。
大和総研+3.0+1.2n.a.今回の予測では、消費税増税の是非を多面的に検証した。現時点で、当社は、「消費税増税を予定通り行うことが十分可能な経済環境が整った」と判断している。前回増税が実施された1997年当時と比較すると、内需は堅調な推移が見込まれる。ただし、中国など海外経済の下振れリスクについては慎重に見極める必要があろう。
みずほ総研+2.9+0.7n.a.駆け込み需要の反動で個人消費と住宅投資が落ち込む2014年4-6月期は、大幅なマイナス成長(前期比年率▲5.7%と予想)が避けられないだろう。その後については、円安・海外景気回復を背景とした輸出増、企業収益の改善に支えられた設備投資回復が続くことが支えとなり、景気後退に陥る可能性は低い。駆け込み需要の反動による落ち込みから個人消費・住宅投資が徐々に持ち直していく中で、7-9月期以降の日本経済は緩やかな景気回復軌道に戻ると予測している。
第一生命経済研+2.9+0.9+1.1消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動が出ることに加え、税率引き上げに伴う実質可処分所得減少による消費の下押しが予想されるため、14年度の成長率は鈍化が避けられない。もっとも、①経済対策効果で公共投資が高水準を維持すること、②輸出の増加が見込めること、③景気回復の波及により設備投資が好調に推移、雇用・賃金も改善が見込まれることから、景気後退局面入りは避けられる。15年度についても、10月に予定されている再度の消費税率引き上げが下押し要因になるものの、均してみれば景気回復局面が続くと予想する。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+3.1+1.6n.a.14年度の実質GDP成長率見通しも1.6%に据え置いた。消費増税対策として国費3兆円規模の補正予算を想定しており、日本銀行も資産買い入れの拡充及び固定金利オペの長期化で景気下支えを図る見通し。
三菱総研+2.7+0.5n.a.先行きを展望すると、①輸出の緩やかな持ち直し、②更新需要等による設備投資増、③消費の堅調、④補正予算の執行を背景に、日本経済は回復を続けると予想する。とくに13年度後半は、消費税増税前の駆け込み需要も予想される。14年度は、前半に駆け込み需要の反動減を見込むが、各種税制措置もあり調整期間は短期で終了するとみられ、年度後半には再び回復軌道に戻ると予想する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+2.3+0.2n.a.2014年度は、消費税率引き上げ後の影響が、家計部門を中心に現れるため、実質GDP成長率は前年比+0.2%と小幅プラスにとどまる見込みである。また、2013年度中は景気押し上げに寄与した公共投資のプラス効果が剥落し、経済対策による押し上げ効果を勘案しても前年比マイナスになることも、成長率を押し下げる要因となる。企業部門は改善傾向を維持するものの、円安による収益の押し上げ効果が一巡する一方で、コスト上昇の負担が増してくるため、力強さには欠けるだろう。
一方、海外景気の持ち直しが続くことを背景に、輸出の増加が続くことが景気を下支えする要因となろう。製造業では、内需の不振を輸出で補うために、輸出価格の引き下げによって価格競争力を高め、輸出数量の増加を目指す動きが強まる可能性がある。内外需の寄与度をみると、内需が前年比-0.5%と2009年度以来5年ぶりにマイナスに転じるのに対し、外需は+0.7%にまで高まろう。消費税率の引き上げによる家計部門の落ち込みと、それに伴う企業部門の低迷を、外需で補うことになる。
伊藤忠経済研+2.9+0.2+1.22013年度の高成長から一転して、2014年度は低成長が予想される。消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動から個人消費や住宅投資など家計部門が大きく落ち込むためである。家計部門の落ち込みは、遅ればせながら増勢を強める設備投資や輸出の拡大により、ある程度補われるものの、成長ペースの減速全てを回避は出来ない。なお、マイナス成長は2014年4-6月期の一四半期にとどまり、いわゆる2四半期連続のマイナス成長を意味するテクニカルリセッションには陥らず、また日本において、景気基準日付の決定権限を有する景気動向研究会がリセッション認定をすることもないと考えられる。
農林中金総研+2.8+1.2n.a.14年度は約8兆円の増税措置に伴うショックが加わることで前年度の反動減が発生、それに対する対抗措置が打たれることを想定しているとはいえ、少なくとも上期中は景気が足踏みするのは不可避であろう。下期に入れば、そうした調整が一巡し始め、アベノミクスによるデフレ脱却・成長促進政策による効果などから持ち直しが再開すると思われるが、持続的な成長経路を一旦外れてしまうことに伴う弊害は無視できないだろう。


ということで、ヘッドラインは2014年度の先行き見通しについて主としてピックアップしたんですが、ハイライトしてある大和総研だけは来年2014年4月からの消費税率引上げに関する判断を取っています。明示的に消費税率引上げについて言及していない機関もありますが、大和総研ほどで明確ではないものの、大雑把に、多くのエコノミストの間で「消費税率引上げの環境は整った」とのコンセンサスが出来上がりつつあるような気がします。そして、来年4月に消費税率が引き上げられても、一時的な駆込み需要の反動減が4-6月期に出るものの、景気後退に陥ることはなく年度を通じてプラス成長を確保する、というのも広範な合意を形成しつつあります。さらに、2015年度には年度半ばの2015年10月から消費財率がさらに10%まで引き上げられるんですが、この2段階目の消費税率引上げを実施する2015年度もプラス成長というコンセンサスになっています。私はここまで日本経済が堅調かどうかは懐疑的です。来年度の2014年度は年度を通じてマイナス成長の可能性が排除されないと私は考えています。ただし、2四半期連続のマイナス成長によるテクニカル・リセッションは何ともいえませんが、景気後退に陥る可能性は低いと見込んでいます。世間一般のエコノミストの大雑把なコンセンサスよりも、私の見方はやや悲観的かもしれません。

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最後に、上のテーブルのいくつかの経済見通しの一例として、ニッセイ基礎研のリポートから成長率の推移のグラフを引用すると以下の通りです。2014年度はゼロ成長を見込んでいます。何ら、ご参考まで。
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2013年09月19日 (木) 21:06:00

大量点の翌日は競って負けるいつものパターン!

  HE
阪  神100000000 151
広  島01000020x 380


多くの阪神ファンの懸念通りに、大量得点の翌日はゼロ行進に近い試合でした。1回の坂選手のラッキーパンチ一発のスミ1では勝てません。しかもその上、いつもの無策のベンチワークで継投が遅れて後手に回ります。代打も代走もなく、およそ作戦らしい作戦も見られず、ただ手をこまねいて座して敗戦を待っているだけのベンチワークだった気がします。アホらし。やる気あるんか。

ポストシーズン目指して、
がんばれタイガース!
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2013年09月19日 (木) 19:21:00

赤字の続く貿易収支は円高修正の進む為替で改善するのか?

本日、財務省から8月の貿易統計が発表されました。統計のヘッドラインとなる輸出額は前年同月比+14.7%増の5兆7837億円、輸入額は+16.0%増の6兆7440億円、差引き貿易収支は▲9603億円と、季節調整していない原系列の統計で見て、14か月連続、かつ、8月としては過去最大の赤字でした。まず、やや長くなりますが、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

貿易赤字9603億円、8月として最大 14カ月連続赤字
財務省が19日発表した8月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は9603億円の赤字だった。8月としては2011年(7775億円の赤字)を上回り、比較できる1979年以降で最大。赤字は14カ月連続で、これまで最長だった第2次オイルショック後の79年7月から80年8月にかけての14カ月に並んだ。前年同月と比べ円安が進み、原粗油などの燃料や半導体等電子部品の輸入額を押し上げた。
輸入額は前年同月比16.0%増の6兆7440億円で、10カ月連続で増えた。中東やロシアからの原粗油のほか、中国から衣料や太陽光パネルに使われる光電池など半導体等電子部品の輸入が増えた。
特に中国からの輸入額は1兆4231億円と8月として過去最大。これに伴いアジアからの輸入額も2兆9198億円と8月では最大だった。
輸出額は14.7%増の5兆7837億円。米国やアラブ首長国連邦(UAE)向け自動車や、中国向けにペットボトルなどの原料となる有機化合物などが伸びた。輸出数量指数は1.9%増で、2カ月連続で増えた。
為替レート(税関長公示レートの平均値)は1ドル=98円44銭で、前年同月比25.4%の円安だった。
貿易収支を地域別にみると、中国とは3041億円の貿易赤字だった。8月としては最大で、18カ月連続の赤字だった。米国との貿易黒字は4953億円で、前年同月比29.3%増。自動車など輸出額が20.6%伸び、8カ月連続の黒字だった。
財務省は貿易収支の今後の見通しについて、原子力発電所の稼働が止まった影響で原粗油など鉱物性燃料が輸入全体の3割以上を占めている点を挙げ「輸入全体に大きな影響を与える流れはしばらく続く気がするので、注視していきたい」(関税局)と説明した。


いつもながら、とてもよく取りまとめられた記事です。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフでプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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貿易収支の赤字は、引用した記事では季節調整していない原系列の統計で見て「14か月連続」とのことでしたが、季節調整してトレンドを見ると、実は、2011年3月の震災以降29か月連続で赤字を記録しています。震災直後のサプライ・チェーン毀損による輸出不振から始まって、現時点まで原発稼働率低下と世界的なエネルギー価格上昇に起因する輸入額の増加まで、ほぼ2年半に渡って貿易赤字が継続し、定着した可能性も考慮すべきです。ただし、日経QUICKによる市場の事前コンセンサスでは貿易収支は▲1兆604億円との予想でしたので、これは下回っています。また、引用した記事にもある通り、円高修正がかなり進んでおり、4-6四半期くらい続くいわゆるJカーブ効果を経て、いくぶんなりとも為替の動きが輸出の増加と輸入の抑制に効くのであれば、我が国の貿易収支は黒字に戻らないまでも、赤字幅を縮小する可能性もあります。しかしながら、1985年のプラザ合意以降の円高局面で、私なんぞはイヤというほど弾力性ペシミズムの実例、すなわち、いくら円高が進んでも貿易収支や経常収支の黒字が減少しない、というのを見て来ましたので、為替がどこまで対外収支に影響を及ぼすかは疑問が残らないでもありません。加えて、我が国では急速な高齢化が進行しており、家計の貯蓄率が低下して、貯蓄投資バランス的にも貿易収支や経常収支の黒字の維持が難しくなっているのも事実です。

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ですから、私が従来から主張しているように、同仕様もなく必要な輸入を含めた収支のレベルでなく、海外需要を取り込むとすれば輸出を眼目にすべきであり、目を輸出に転じると、上のグラフの通りです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同月比を価格と数量で寄与度分解しており、下のパネルは輸出数量指数とOECD先行指標の前年同月比を重ねてプロットしています。ただし、OECD先行指標には1か月だけリードを取っています。現時点では、上のグラフのように前年同月比で見る限り、為替に基づく価格効果から輸出額が増加している段階であり、輸出数量が伸びているわけではありません。しかし、そろそろ欧州をはじめとする先進国の景気回復に伴った世界的な需要拡大により、数量面からも我が国の輸出が増加する局面が始まりそうな予感もあります。なお、下のパネルの2本の折れ線グラフの乖離は、部分的に景気低迷の続く中国に起因するものと受け止めています。

原発を停止して火力発電の比重を高めるためには石油や天然ガスなどのエネルギーをせっせと輸入せねばなりません。逆から見て、エネルギー輸入の増加をサステイナブルにするためにはせっせと輸出せねばなりません。新興国経済がやや停滞しているだけに、欧米への輸出ももう一度見直す必要があります。
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2013年09月18日 (水) 21:08:00

先発能見投手が広島打線を4安打1点に抑えてボロ勝ち!

  HE
阪  神310320000 9131
広  島000000001 141


今夜の試合は、上り坂の広島打線を先発の能見投手が4安打のソロホームラン1点に抑え、阪神のボロ勝ちでした。しかし、解説の金本氏によれば、今年の阪神は打線が打ちまくった翌日は抑えられて負けることが多いとか。実に、そういう気もします。クライマックスシリーズでは広島と第1ステージを戦う可能性も十分あるんですから、明日の試合も勝っておきたいところです。

ポストシーズン目指して、
がんばれタイガース!
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2013年09月18日 (水) 19:28:00

東京都「地震に関する地域危険度測定調査」を見る

広く報じられている通り、昨日9月17日に東京都から「地震に関する地域危険度測定調査」(第7回) が公表されています。この地域危険度測定調査は東京都震災対策条例に基づき概ね5年ごとに実施しており、7回目となる今回は都内の市街化区域の5,133町丁目について、各地域における地震とその後の建物の倒壊や火災に関する危険性を測定しています。町丁目ごとに詳細な地域危険度マップが併せて公表されているのが特徴のひとつで、我が町の安全性についてひと目で分かるようになっています。まず、長くなりますが、調査結果の概要などについて報じた記事を東京新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

都が大地震危険度調査 区部東部に「5」集中 壊リスクは減
東京都は17日、震度5強-7の地震が発生した際の「地域危険度」の測定調査結果を公表した。都内五千百三十三の町・丁目ごとに、建物倒壊と火災の危険性、消防救助活動のしにくさ(活動困難度)を調べ、5段階で相対評価した。危険度が高いのは足立区、荒川区、墨田区など区部東部に集中。都内全体の建物倒壊の危険度は、建て替えの進展などにより、5年前に比べ7.5%減った。
地域危険度は、都が約5年ごとに調査している。今回は東日本大震災後、17年ぶりに改定した液状化予測図なども反映させた。
建物倒壊と火災の危険度、活動困難度を加味した総合で最も危険度の高いランク5に分類されたのは、全体の1.6%に当たる84カ所の町・丁目。市区町村別では足立区が22カ所で、荒川区と墨田区が各15カ所、葛飾区7カ所、大田区と江東区が各6カ所。多摩地区はすべてランク3以下だった。
建物倒壊の危険度が高いのは、地盤が軟弱な荒川や隅田川沿いの下町地域、大田区の木造住宅密集(木密)地域など。火災危険度が高いのは、木密の多い環状7号沿い、区部のJR中央線沿線に分布していた。
「活動困難度」は、今回新たな指標として導入した。避難や消火、救助活動のしやすさを、幅の広い道路が多いかどうかで算定。下町地域や品川区のほか、中野区、杉並区など山手地域の一部でも高い所があった。
都防災都市づくり課の青木成昭課長は「結果を耐震化や不燃化の計画に反映させる」と話している。
危険度マップは都のホームページで公表し、都庁の都民情報ルームで報告書や冊子を販売する。


と言うことで、「地震に関する地域危険度測定調査」では東京23区において建物倒壊・火災危険度・災害時活動困難度を考慮した総合危険度が5段階中4と5にあたる地域を「危険度の高い地域」として地図上に示しています。その地域危険度マップ東京都のサイトから引用すると以下の通りです。

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なお、23区と違って地図はないんですが、多摩地域において建物倒壊・火災危険度・災害時活動困難度を考慮した総合危険度が5段階中4に当たる地域は、武蔵野市吉祥寺北町1丁目と西東京市泉町5丁目だけとなっており、いずれも火災危険度が4であり、危険度5の地域は多摩地区にはないようです。加えて、この地域危険度マップを示した東京都のサイトでは、23区別にそれぞれの危険度の高い地域、すなわち、建物倒壊・火災危険度・災害時活動困難度を考慮した総合危険度が5段階中4や5に当たる地域を色・パターン別に示した詳細なマップを pdf 形式のファイルでダウンロード出来るようになっています。ファイルのサイズが大きくて時間がかかりましたが、私も早速ダウンロードしてみました。我が家が住んでいる区、私の勤務先の区、上のおにいちゃんの高校がある区、下の子の中学校がある区、の計4枚です。調べたところ、通勤・通学路を含めて総合危険度の高い地域はないように見受けられました。

引用した記事にも現れた「木密」という言葉が周知されたように、2011年3月の震災後は防災に関する意識が高まっています。従って、このような情報の提供は大いに有り難いと思いますが、それだけに、正しく情報を理解し、本来の目的に外れた使い方をしないような良識も必要だという気もします。
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2013年09月17日 (火) 21:58:00

4安打1得点と打線が湿りっ放しで広島にサヨナラ負け!

  HE
阪  神000001000 140
広  島000100001x 260


セリーグの順位は2位と3位でも、上り坂の広島と真っ逆さまの下り坂の阪神では勝負の行方は知れたものです。先発メッセンジャー投手こそよく踏ん張って投手戦に持ち込みましたが、4安打1得点では勝てませんでした。3連敗です。クライマックスシリーズでは広島と第1ステージを戦う可能性も十分あるんですが、とても心配になっています。

ポストシーズン目指して、
がんばれタイガース!
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2013年09月17日 (火) 19:24:00

インテージによる「2020年夏季オリンピック・パラリンピック 東京開催決定! 緊急意識調査」の結果やいかに?

やや旧聞に属する話題ですが、2020年東京オリンピック・パラリンピックの決定を受けて、調査会社大手のインテージが「2020年夏季オリンピック・パラリンピック 東京開催決定! 緊急意識調査」を実施し、結果を9月9日に公表しています。常識的な調査結果ですが、簡単に取り上げておきたいと思います。まず、インテージのサイトから調査結果の概要を箇条書き部分に沿って引用すると以下の通りです。

2020年夏季オリンピック・パラリンピック 東京開催決定! 緊急意識調査
  1. 86.7%が東京開催決定を歓迎
  2. 78.5%の人が招致活動を評価すると回答
  3. 「子供に夢」「国内消費の活性化」「震災復興活動の弾み」に期待
  4. 半数を超える人が「競技場で観戦したい」と回答
  5. 注目競技は「水泳」、やってみたい競技は「テニス」


次に、この調査結果を公表したインテージのサイトからいくつか図表を引用したいと思います。

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まず、東京開催決定について、「嬉しい」か「嬉しくない」かの回答結果は上のグラフの通りです。私にとっては意外にも10パーセントを超える「嬉しくない」がいることです。「嬉しい」の理由は、オリンピックがナマで見られる、景気が上向く、子供達に夢を与えられる、などであり、逆に、「嬉しくない」の理由は、原発や災害からの復興などオリンピックよりも優先すべき課題を上げたり、東京の開発だけが優先される地域格差を指摘したり、治安に対する懸念を表明したりしています。また、結果を出しましたので、招致活動に対しては、「非常に高く評価する」と「まあ評価する」と回答した合計は78.5%にのぼり、「どちらともいえない」が15.8%ある一方で、「あまり評価しない」と「まったく評価しない」を合わせても5.8%にとどまっています。

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続いて、東京オリンピック・パラリンピックの観戦・視聴方法を聞いた結果は、「テレビで生中継」が76.3%、「競技場で観戦」が53.7%の2つが50%を超え、それに、「ニュース番組のダイジェスト」や「インターネット記事」が続いています。「競技場でのナマ観戦」はもちろん、テレビにせよリアルタイムで観戦出来るのが東京開催の強みなんでしょう。「注目している競技」を聞いた結果は上の表の通り、「水泳」がトップで、以下、「体操」、「陸上競技」、「サッカー」、「レスリング」が続いています。他方、「自身でやってみたい競技」では「テニス」、「ゴルフ」、「水泳」などが上げられています。

最初に書きましたが、極めて常識的な結果で、特に驚くような内容は含まれていませんので、ニュース・バリューは必ずしも高くないような気がしますが、逆に、平均的な日本人像というものも浮かび上がりそうな気もします。
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2013年09月16日 (月) 17:49:00

先週読んだ本からジャーナリストによるドキュメンタリーほか

色んな本を図書館で借りて読んだ読書感想文です。先週読んだ本は、意図したわけではないんですが、ジャーナリストの著書が多かった気がします。なお、今日のブログでは、著者や登場人物などについて、政府高官や国会議員などは当時の肩書きで、時には敬称略となっています。私は国家公務員ですから、総理大臣や政府高官を呼び捨てにするのはためらうんですが、「元」や「前」をつけるのも厳密ではないかもしれませんし、ご容赦願います。

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まずは、来年2014年4月からの税率引上げの可否について安倍総理の判断が注目される消費税についての2冊です。すなわち、清水真人『消費税 政と官との「十年戦争」』(新潮社) と伊藤裕香子『消費税日記 検証 増税786日の攻防』(プレジデント) です。清水は日経新聞の、伊藤は朝日新聞のジャーナリストです。どちらも消費税がテーマになっているんですが、本のタイトルを見ても分かる通り、時間軸が大きく異なります。清水『消費税』が10年を鳥瞰しているのに対して、伊藤『消費税日記』は2年余りです。内容もかなり違っていて、インタビューも含めて事実関係を延々と書き連ねる伊藤『消費税日記』に対して、清水『消費税』は政府高官発言の背景説明や税制の解説などもていねいで、事実だけでなくより深い分析に突っ込んでいます。言ってみれば、対象とする期間の長さから直感する手法と逆になっています。例えが悪いかもしれませんが、伊藤『消費税日記』ではリンゴが落ちた、だけでなく、モモが落ちた、ナシが落ちた、など、広く浅く事実関係のデータに数多く接することが出来ますが、清水『消費税』ではリンゴしか落ちない一方で、深い探求がなされて、その背後にある万有引力の法則を明らかにしようと試みています。加えて、伊藤『消費税日記』では消費税率引上げが人間関係の偶然による面を強調しているのに対して、清水『消費税』では高齢化を背景とする社会保障費の増大に起因する必然の結果、のような議論が展開されているような印象も受けました。これらの差はやや私が対照的に大げさに書いた面があり、ある意味で、両者は補完的でどちらも読めばいいんでしょうが、どちらかに軍配を上げるとすれば、私は清水『消費税』だろうと見ています。もっとも、私は清水の著書については、以前の『官邸主導』、『経済財政戦記』、『首相の蹉跌』も読んでいますので、その記憶も合わせてという認識かもしれません。もちろん、かなり多くの論点で両者は同じ結論に達しています。例えば、当時の菅総理が参議院選挙を前にして突如として「消費税率10パーセント」を言い出したのは、カナダのイカルイットにおけるG7サミットに出席し、日本の財政赤字を諸外国から指摘されたことに起因する、と初めて政権の座に就いた民主党が諸外国の首脳の意見に初めて接し、言わば「外圧」を感じる中で財政規律をより強く自覚するに至った点とか、与野党を渡りい歩いて節操がなかったかに見える与謝野大臣が消費税率引上げに向かうキーパーソンの1人であった点とか、両書は同じ議論を展開し同じ結論に達しています。

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次に、消費税論議に先立つ政局のドキュメントということで、読売新聞政治部『民主瓦解 -政界大混迷への300日-』(新潮社) も読みました。これは必ずしも新刊の範囲に入らないかもしれませんが、昨年2012年10月に出版されています。知る人ぞ知るのかもしれませんが、読売新聞政治部はこの本に先立って、『自民崩壊の300日』、『民主党 迷走と裏切りの300日』、『亡国の宰相 官邸機能停止の180日』も出版しており、2009年の民主党による政権交代の直前からこの本まで4冊の本を出版しています。なお、私はこのうちの『亡国の宰相』を読んでおり、一昨年2011年12月20日付けのブログで取り上げています。ということで、前置きが長くなりましたが、この『民主瓦解』はほぼ野田内閣の1年を対象にしています。その中でも、やはり消費税率引上げがもっとも大きなトピックのひとつとなっています。エピローグのタイトルが奮っていて、「あれは何だったのだろう」となっています。結論として、綱領も持たずに政策的に一致した集団でもない民主党なんですが、ただ1点、自公政権からの政権交代だけに集中して政党として結集した勢力が、実際に政権交代して政権に就いたらアイデンティティ・クライシスを起こして瓦解した、と取りまとめています。私もこれに近い印象を持ちますが、逆から見て、この民主党に政権を奪われた自公政権、あるいは、政権を託した、託してしまった日本国民て何なんだろうか、という気がしないでもありません。日本の民主主義の成熟度とは、何ら裏付けのない「バラ色の夢」を信じて総選挙で選択する程度なんでしょうか?

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次に、消費税論議とは少し離れますが、公務員制度改革を取り上げた塙和也『自民党と公務員制度改革』(白水社) です。著者は毎日新聞から日経新聞に移ったジャーナリストです。対象としているのは民主党による政権交代前の福田内閣と麻生内閣の時の自民党内の公務員制度改革です。担当大臣は、すでに自民党を離れてみんなの党を創設した渡辺喜美代議士と現在の経済財政担当大臣である甘利明代議士です。上げられている参考文献も伊藤裕香子『消費税日記 検証 増税786日の攻防』などとは比較にならないくらいに多岐にわたり、分かりにくい公務員制度改革というテーマを深く掘り下げて情報収集すると同時に、ていねいにバックグラウンドや制度そのものを解説しています。妙にメッセージ性を出したり、まさかの党派性を明らかにしたりすることなく、長らくキャリアの国家公務員をして来た私ですら理解が及ばないほど複雑な制度、あるいは、改革なんですが、専門外の私にもほのかに概要を把握できるように書かれています。なお、私自身の公務員制度改革の観点は、制度としてシステム的に質的な面の制度疲労や崩壊というよりも、かつては天下りも含めて公務員にそれだけリソースをつぎ込んでもペイするくらいまで、公務員の生産性や役所のアウトプットが評価されていたし、実際にもそうだったのが、決して質的なものではなく量的に生産性が低下しアウトプットが小さくなっているのが原因ではないか、と考えています。ですから、例えば、天下りを「悪」と捉えて全廃するのも一案なんですが、公務員の生産性や役所の組織的なアウトプットに合わせて適切な水準まで縮小する、という勝手な考え方も成り立ち得ると思っています。すなわち、全員一律の横並びではなく、私のようなボンクラはダメでしょうが、生産性が高くて立派な業績を残した公務員はもっと報いられるべきなのだという気がしないでもありません。

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日本を少し離れて、次に、チャールズ・デュヒッグ『習慣の力』(講談社) です。著者は「ニューヨーク・タイムズ」紙のジャーナリストです。本書で紹介されているように、いくつかの研究に従えば、日常行動の4割以上が無意識の習慣によるものだそうで、もしそうなら、習慣がどのようにして形成されるか解明できれば、人間の生き方だけでなく会社などの組織やひいては世界のシステムさえも変えることができる可能性があります。本書はこうした習慣の驚くべきパワーを明らかにすべく、様々な例を持ち出して解明を試みています。すなわち、禁煙や肥満防止などにつながる「キーストーン・ハビット」の存在を明らかにし、いかにすれば個人生活を豊かにし、会社などの組織を効率的にし、世界をうまく動かすことができるか、を考えます。この『習慣」について、私の脳裏をよぎったのは、今年2013年3月25日付けのエントリーで紹介したダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』上下巻 (早川書房) のファストの方です。ファストの意思決定のうち、いい結果をもたらすものは、かなり「キーストーン・ハビット」に近いんではないかと私は受け止めました。ただし、本書の結論として、意志力を鍛えるというのがホントに習慣と関係あるのか、という疑問は残りました。むしろ、本書の論旨からすれば、偶然が支配する領域の方が広そうな気がしないでもありません。私は一般的な教養書として読みましたが、実践的な人生のマニュアルとして読む人がいるかもしれません。

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やや毛色の変わったところで、オーストリアの日本研究者の作になるブリギッテ・シテーガ『世界が認めたニッポンの居眠り』(阪急コミュニケーションズ) です。実にまじめに、日本の居眠りを研究しています。「居眠り」とは、日本人には当然ながら、「居る」+「眠り」であり、「いながらにして眠る」という意味です。私の実感として海外から日本に「居眠り」を見ると、私は英語とスペイン語しか解さないんですが、英語では "catnap" の役が当てられることが多くなっている一方で、この語は「一眠り」とか、日本語では「仮眠」に近い意味であり、正確な日本語の「居眠り」に当たる英語はありません。私の知る範囲でスペイン語には、日本でも知られた「シエスタ」=午睡という語がありますが、明確に居眠りとは違います。本書では、日本の「居眠り」とは、会議や授業などの主要関与に対して、その会議や授業の場で眠りを副次関与とすることと定義されています。本書では、睡眠というものを分析した後、さまざまなケーススタディから始まって、日本のNHKや韓国のKBSといった放送機関による国民の生活時間に関する統計も駆使し、パジャマを着てベッドに入る睡眠とは明確に異なる日本の居眠りを社会学的に考察しています。そして、性差や社会的なヒエラルキーによる居眠りの受容性などを考えています。私も南米ラテンアメリカやインドネシアなどでの海外生活の経験を持っていますので、なかなか興味深い点が多々ありました。日本人のアイデンティティを高めるというほど高尚な本ではありませんが、それなりの雑学的知識の蓄積には役立ちそうです。

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続いて、米国連邦制度理事会 (FED) ベン・バーナンキ議長のスピーチの翻訳である高橋洋一『リフレが正しい』(中経出版) です。バーナンキ議長の講演集の邦訳ですから、どこかで何らかのエッセンスが報じられたものが多いんでしょうが、改めてまとめて読み通すとそれなりに勉強にはなります。特に私が強く意識させられたのは2点あって、第1に、デフレや低いインフレのデメリットは実質金利を引き下げる障害となる、という点をバーナンキ議長は強調しています。すなわち、実物経済に影響をおよぼすのは名目金利ではなく、いわゆるフィッシャー方程式により物価上昇率を差し引かれる実質金利なんですが、この実質金利がデフレや極めて低いインフレ率の下では引き下げが困難である、という点です。その意味で、物価上昇率がプラスかマイナスかというのが重要なのではなく、マイナスのデフレでなくても極めて低いインフレ率はデフレと同様に実質金利を引き下げるハードルとなるという考えが示されています。第2点は、第4章で展開される中央銀行の独立性の議論です。すなわち、バーナンキ議長は中央銀行は民主主義下で政策目的を与えられた際に、手段の独立性のみを有するという考えを明確に示しています。民主主義化で中央銀行が政策目的を国民から、すなわち、代議制の議会から独立した政策目的を持つことはあり得ず、民主主義化で議会、もしくは執行機関としての政府から目的を与えられた下で、手段の独立性を発揮して政策を遂行する、という点を明確にしています。その際に、説明責任が果たされるべきであることは言うまでもありません。

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最後に、ケント E. カルダー『新大陸主義』(潮出版社) です。ユーラシア大陸をめぐるエネルギーの地政学をテーマにしています。カルダー教授はジョンズ・ホプキンズ大学のライシャワー東アジア研究所の所長です。エネルギーの地政学ということで、やや炭化水素、すなわち、石油と天然ガスに偏っていて、原子力はほとんど出て来ませんし、ユーラシア大陸の大陸主義、とはいっても、実は、西欧はほとんど含まれておらず、シルクロード諸国という言い方も出来そうです。でも、さすがに、博覧強記のカルダー教授の著書ですから、読みこなせばかなり勉強になりそうです。専門外の私には難し過ぎたかもしれません。きちんと理解したと胸を張って言うことは出来そうにありません。

もうすぐ、近くの図書館から『ライス回顧録』(集英社) の予約待ちの順番が回って来そうです。書店で手に取ったんですが、日本的な四六判よりもう少し大きな版で、上下2段でビッチリと字が埋まっています。内容はまったく違うんでしょうが、体裁や分厚さだけならば、20年以上も前に読んだスティーヴン・キング『It』のようなカンジです。『It』は上下巻でしたから、分量だけからすれば『ライス回顧録』くらいは読めると思いますが、時間がかかる可能性があります。
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2013年09月15日 (日) 21:55:00

バレンティン選手に56号と57号を打たれてヤクルトにボロ負け!

  HE
阪  神000000000 060
ヤクルト30200112x 9150


真っ向勝負で打たれました。バレンティン選手、日本新記録の56号と57号おめでとうございます、でした。こうなっては勝負になりません。連夜の完封負け、しかも、今夜はボロ負けでした。ホントにクライマックスシリーズは出られるんでしょうか?

ポストシーズン目指して、
がんばれタイガース!
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2013年09月15日 (日) 18:48:00

おにいちゃんの高校の文化祭に行く!

今日は、ヘンなお天気の中、午後からおにいちゃんの高校の文化祭に行きました。模型部の展示を中心に見て回りました。それにしても、私は制服のない高校を卒業したんですが、あれだけ白いシャツに黒いズボンの中高生がいっぱいいると、我が子を見分けるのも難しそうな気がします。
下の写真は、模型部の展示の中から、おにいちゃんの作品3点です。上の2点はガンプラで、LBXドット・ブラスライザーとバイアラン・カスタム、一番下は伝説巨神イデオンのギドマックです。分からない人はネット検索しましょう。

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2013年09月14日 (土) 21:21:00

藤浪投手が8回途中まで5安打2失点に抑えるもヤクルト投手陣に打線が沈黙して完封負け!

  HE
阪  神000000000 081
ヤクルト00000110x 250


またしても、打線に決定打なく完封負けでした。藤浪投手も8回途中までヤクルト打線を5安打2失点に抑え、バレンティン選手にもホームランを許しませんでしたが、無得点では勝てません。当たり前です。2番打者は俊介の固定ではダメなんでしょうか?

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2013年09月14日 (土) 08:19:00

今日は私の誕生日!!

大多数の善良なる市民のみなさまには関係ないことながら、今日は私の誕生日です。完全に人生の半ばを超えて、定年まで指で勘定できるようになって早やウン年。子供達の自律性が高い年齢に差しかかり、今日は恒例の食べ放題ランチは私ひとりで行く予定です。
我が家の吉例であるジャンボくす玉を置いておきます。

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2013年09月13日 (金) 22:53:00

バレンティン選手をノーヒットに抑えてヤクルトに1点差で勝利!

  HE
阪  神010010100 391
ヤクルト000101000 280


相変わらず打てない打線が今夜も3点しか取れませんでしたが、投手陣が踏ん張り、バレンティン選手をノーヒットに抑えて、東京ヤクルトに1点差で逃げ切りました。でも、今日の試合を見ていると、単なる私の直感ですが、明日か明後日にでもバレンティン選手に56号が出そうな気もします。阪神には消化試合なんですから、それはそれでいいように思います。

ポストシーズン目指して、
がんばれタイガース!
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2013年09月13日 (金) 19:35:00

9月のシルバーウィークの過ごし方やいかに?

今日を乗り切れば、この週末とその次の週末も月曜日にハッピーマンデーの敬老の日と秋分の日が来て、連続で3連休となります。何年か前には9月に休みが続いて、4-5月にかけてのゴールデンウィークになぞらえて「シルバーウィーク」と呼ばれたりもしましたが、たとえ休みがそれほど連ならなくても、私のようなサラリーマンの勤め人にはとてもお得感があります。たぶん、そう思っている人も多いハズ、ということで、楽天リサーチから「シルバーウィーク (ハッピーマンデー) に関する調査」結果が今週月曜日の9月9日に公表されています。やや休日に出費が増える傾向も確認されており、エコノミストから見ても、とても興味深い内容ですので、このブログでも図表とともに簡単に取り上げたいと思います。まず、楽天リサーチのサイトから調査結果の概要をリポートの章のタイトルで4点引用すると以下の通りです。

シルバーウィーク (ハッピーマンデー) に関する調査
  • 今年のシルバーウィークの休暇取得は、カレンダー通りの「3連休」が半数以上
  • 連休は「自宅でゆっくり過ごす」予定が大多数。「旅行」も国内の傾向
  • 旅行先は「関東」が3割強。目的は「グルメ」「名所・旧跡巡り」「温泉」の傾向
  • 理想の休日を過ごすために最も必要なものは「お金」・「時間」で二極化


まず、図表は引用しませんが、9月のシルバーウィークの連休の日数は、3日が約半数となっています。土曜日が休みではないのか、2日という回答も少なくありません。もちろん、せめて1日くらいは有給を取って4日連続という人もいますが、ゴールデンウィークのような大型の連続休暇を取る人は少なそうです。

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3日連続がせいぜいですから、連休で過ごす予定を取りまとめた上のグラフの通り、複数選択とはいえ、「自宅でゆっくり」が圧倒的に多くて53.5%と過半を占めてトップ、「掃除等の家事」が22.3%で次に来ています。未定を別にすれば、以下はそれなりの出費をともなう活動が続き、泊あり・なしの「国内旅行」、「帰省」、「外食」、「海外旅行」となっています。「帰省」はおそらく国内でしょうから、連続休暇日数が少ないため、自宅を離れるとしても国内旅行が圧倒的で海外は少なそうです。

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9月のシルバーウィークの過ごし方として、「自宅でゆっくり」とか「掃除等の家事」がかなり多いわけですから、出費は決して大きくなりようがありません。グラフは省略しますが、予算のかけ方に関するテーブルがあり、この2項目の回答に対しては「出費5000円未満」が圧倒的となっています。これらも含めて、例年と比較した予算のかけ方を取りまとめたのが上のテーブルです。「変わらない」という回答が多いんですが、右側の「減った」と「やや減った」よりも、左側の「増えた」と「やや増えた」の方が明らかに回答が多くなっています。景気回復で財布のヒモが緩んでいるのかもしれません。

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最後に、上のグラフは「旅行の目的」です。上位は「グルメ」35.4%、「名所・旧跡巡り」32.9%、「温泉」31.7%、「ショッピング」26.8%が高い割合を占めています。9月ですので平地では「紅葉」はまだ早い気がします。「登山・ハイキング」とセットになっているのかもしれません。もっとも、母集団が82人ですから、かなり誤差が大きい可能性があり、大雑把に受け止めておく必要はあります。

私は明日からの3連休も、来週末の3連休も、いずれも近場に出かけなくもありませんが、基本は「自宅でゆっくり」です。プールには行くことと思いますが、テレビで野球観戦でもして過ぎ去ったセリーグのペナントレースに思いを馳せたいと予定しています。
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2013年09月12日 (木) 22:42:00

前月比微減にとどまった機械受注は設備投資の先行きに影を落とすか?

本日、内閣府から7月の機械受注統計が発表されました。船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は季節調整済みの系列で前月比▲0.0%減の7772億円となりました。まず、統計のヘッドラインを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

7月の機械受注、製造業中心に回復 全体は0.025%減
内閣府が12日発表した7月の機械受注統計は、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が前月比0.025%減の7772億円だった。前月と比べて製造業を中心に回復したが、季節要因をならす統計処理をした結果、全体は前月比横ばいだった。
内閣府は「過去3番目の伸び率だった5月と比べると落ち着いているが、全体として悪い水準ではない」とした。6月の統計で上方修正した基調判断は「緩やかに持ち直している」に据え置いた。7月の実績は日経グループのQUICKが11日時点で集計した民間エコノミストの予想(2.4%増)を下回った。
製造業からの受注額は前月比4.8%増の3187億円。前月比で3カ月連続の増加となり、金額ベースでは2012年4月以来の高水準となった。業種別に見ると、非鉄金属業界やパルプ・紙・紙加工品業界からの受注が大きく伸びた。一般機械も伸びており、全体として回復基調を示している。
船舶と電力を除く非製造業は前月から横ばいだった。情報サービス業などIT(情報技術)系企業からの受注が伸びたが、運輸業や金融業などの減少により全体としては前月比0.02%増にとどまった。
機械受注は国内総生産(GDP)の設備投資額に3-6カ月ほど先行するとされる。機械受注は注文した段階で集計するのに対し、GDPでは設備が実際に導入された段階で計上するためだ。民間企業の設備投資動向の先行指標として注目が集まっていた。
機械受注統計は季節要因をならすときに、製造業と非製造業、全体の受注額などでそれぞれ統計上の処理を施している。7月はこの影響で、製造業と非製造業からの受注がそれぞれ前月を上回ったが、全体では前月比微減という姿になった。


季節調整についてはややくどい解説なんですが、いつもながら、とてもよくまとまった記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその後方6か月移動平均を、下のパネルは需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。いつものお断りですが、このブログだけのローカル・ルールで、直近の景気循環の谷は2012年11月であったと仮置きしています。

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上のグラフを見れば分かりますが、コア機械受注の後方6か月移動平均は今年2013年2月に底を打っています。このブログの暫定的な景気の谷である2012年11月から3か月遅れです。その後、この統計のクセとして季節調整済みの系列でありながらも月ごとに大きな変動を繰り返しつつ、現時点で利用可能な統計に基いて見ると、最新の7月統計もオンラインに乗っていて、2月の底入れ以降は回復基調を維持しているように見えます。ですから、引用した記事にもある通り、日経QUICKによる市場の事前コンセンサスである前月比+2.4%を下回って▲0.0%の微減をつけたからといって、決して悲観する必要はないと受け止めています。
産業別には、製造業が季節調整済みの前月比で+4.8%増、船舶と電力を除く非製造業が+0.0%増と、絶対額のレベルは低いながらも方向性のモメンタムとしては製造業に勢いがあります。アベノミクスに伴う円高修正や欧州経済の回復などから、輸出に明るい展望を持てる製造業が先行きの設備投資をけん引する形となっているわけです。もっとも、このブログでも取り上げた昨日発表の法人企業景気予測調査では大企業で見て、製造業の方が非製造業よりも設備の過剰感が強かったので、このあたりはやや不整合な気もします。いずれにせよ、先行指標であるコア機械受注から設備投資の先行きを見通せば、緩やかな回復基調が続くものと考えています。

昨日9月11日、みずほ総研から「消費増税先送りの影響を考える」と題したリポートが公表され、パネル分析やロジット・モデルを用いて、消費増税を先送りすれば、金利が+1.7%ポイント上昇したり、日本国債が投資適格とされるトリプルB以下に格下げされたりするリスクがあると結論しています。とても興味深いんですが、消費税率を引き上げるとしても景気へのダメージを及ぼすリスクがあるわけですから、一方的に消費増税先送りのリスクだけに焦点を当てる内容は私には賛同しかねる点もあり、何といっても、今夜は遅くなりましたので、今日のところはパスします。ひょっとしたら日を改めて取り上げるかもしれませんが、ご興味ある向きはリンク先のリポートをご覧ください。
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2013年09月11日 (水) 22:15:00

終盤にリリーフ陣が打たれて中日に逆転負け!

  HE
中  日000000030 380
阪  神000000200 250


今夜は昨夜よりもさらにチャンスすら少なく、何とか鳥谷選手の長打から7回に2点先制したものの、リリーフ陣が打たれて逆転負けでした。今まで酷使していましたから仕方ない面もあろうかと思います。またまた、クリンナップに組替えがありました。今夜の直接の敗因はリリーフ陣ですが、打線の方も点が取れないのは相変わらずです。マートン選手を外してみたら、と思わないでもありません。
巨人のマジックが一桁になりましたから、ペナントレースは完全に終戦です。

ポストシーズン目指して、
がんばれタイガース!
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2013年09月11日 (水) 19:29:00

法人企業景気予測調査における企業マインドは引き続き改善!

本日、財務省から7-9月期の法人企業景気予測調査が発表されています。ヘッドラインとなる大企業景況判断 BSI は7-9月期+12.0となり、前期の+5.9からさらに改善しました。ただし、先行き見通しは翌10-12月期の+9.8、来年2014年1-3月期+8.5と、高い水準ながらやや下降すると見込まれています。まず、とても長くなりますが、統計について報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

大企業景況判断指数12.0、過去最高に 7-9月
内閣府と財務省が11日発表した7-9月期の法人企業景気予測調査によると、大企業の景況感を表す景況判断指数はプラス12.0だった。3期連続のプラスで、2004年4-6月期の調査開始以来、最高となった。昨年来の円安傾向を受けて輸出関連企業を中心に収益環境が改善し、企業の景況感が大きく上向いた。中堅企業全産業の景況感もプラス9.6で過去最高だった。
指数は自社の景況が前の期と比べて「上昇」と答えた企業の割合から「下降」の割合を差し引いて算出。4-6月期の景況感はプラス5.9だった。
大企業製造業の7-9月期の景況感はプラス15.2と、2期連続プラスだった。円安傾向を受けて自動車や建設向け生産用機械器具が改善。スマートフォンなど携帯端末関連の情報通信機械器具などの景況判断も上向いた。非製造業の景況感はプラス10.4。プラスは3期連続。防災インフラ整備の建設コンサルタントなどサービス業や、建設資材、携帯端末、自動車を扱う卸売業などで改善が目立った。財務省は「企業マインドの改善が続いていることが確認できる」(財務総合政策研究所)とみている。
対ドルの円相場は、前期比では4円超の円高だが前年同期比では19円弱の円安。円安は自動車など輸出産業を中心に収益面でプラスに働いている。ただパルプ・紙・紙加工品製造業では原材料価格が上昇し、景況感は悪化した。
中小企業全産業の景況判断はマイナス8.7だった。4-6月期のマイナス11.3よりは改善した。中小企業全産業の景況判断は04年の調査開始以来マイナスが続いているが、7-9月期のマイナス幅は過去3番目に小さかった。
大企業全産業は10-12月期はプラス9.8を見込んでいる。7-9月期と比べプラス幅は縮小。製造業はプラス13.5、非製造業はプラス7.8を見込む。今回初めて公表する2014年1-3月期の大企業全産業はプラス8.5の見通し。
2013年度の設備投資計画(ソフトウエアを含む)は、全産業で前年度比9.1%増を見込む。前回6月時点の見通し(7.2%増)が上方修正された。上期は15.4%増、下期は3.8%増を見込んでいる。
調査は資本金1000万円以上の1万5890社を対象に実施し、回答率は80.6%。調査基準日は8月15日だった。同調査は日銀が10月1日に発表する全国企業短期経済観測調査(短観)の内容を予測する材料として注目される。


「過去最高」と見出しをつけるかどうかは少し疑問ですが、いつもながら、全体として的確に取りまとめられた記事だという気がします。次に、下のグラフは法人企業景気予測調査のヘッドラインとなる大企業全産業の BSI、すなわち、「貴社の景況」と「国内の景況」をプロットしています。やや色を薄くしてあるのは先行き見通しです。影をつけた景気後退期の景気日付については月次データと同じで、昨年10-12月期が直近の景気の谷であったと仮置きしています。

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産業別に見て、スマートフォンやタブレット端末などの情報通信機器をはじめとして、アベノミクスに伴う円高修正の追い風を受けた製造業などで企業マインドが改善していると私は受け止めています。もっとも、この統計のクセとして、将来見通しがなぜか下方に振れるきらいがあるのも事実です。今回の統計では先行き見通しは2014年1-3月期までなわけで、あったとしても消費税率引上げの直前までが統計の対象ですから、厳密には駆込み需要のピークと見なすべきなんでしょうが、そのあたりは少し混同されている可能性も否定できません。また、グラフにはありませんが、設備投資については今年度の投資計画は前期調査の時点の+7.2%増から+9.1%増に上方修正されました。ソフトウェアを含み、土地購入を除くベースです。ただし、スタンスとしては能力拡大よりも維持更新を目的とする設備投資の方がシェアが高くなっています。さらに、従業員数判断 BSI については、規模別にも業種別にも過剰感はほぼ払拭され、不足感を示すプラス幅が拡大しています。すなわち、9月末の従業員数の現状判断を企業規模別に見ると、大企業が+3.1から+5.1に、中堅企業が+7.5から+11.7に、中小企業が+7.9から+11.4に、それぞれ従業員の不足感を持つ企業の割合が増加しています。当然ながら、マインドの改善とともに設備も雇用も伸びる段階に来つつありそうです。特に、雇用の不足感の広がりは量的な雇用拡大とともに賃金上昇につながる可能性が示唆されていると考えるべきです。

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誠についでながら、本日、日銀から8月の企業物価 (CGPI) も発表されています。上のグラフは前年同月比上昇率をプロットしています。円安に伴うガソリンや電気料金などのエネルギー価格の寄与が大きいんですが、国内企業物価の前年同月比上昇率が4月にプラスに転じ+0.1%を記得してから、8月の+2.4%までジワジワと上昇幅を拡大しています。経済の拡大にともなって需給ギャップが改善するとともに、企業収益の改善もあって価格引上げを容認する余地が大きくなることが期待できます。もちろん、企業収益の改善は雇用の不足感の広がりとともに賃上げを促進する可能性が十分にあります。上昇要因がエネルギー価格である上に、企業物価から消費者物価への波及は決して単純ではありませんが、デフレ脱却に向けた動きのひとつとポジティブに捉えるべきです。
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2013年09月10日 (火) 22:58:00

チャンスに決定打を欠き中日相手に負けに等しい引分け!

 十一十二 HE
中  日100000100000 290
阪  神000002000000 2112


チャンスは作れど決定打なく、中日相手に負けに等しい引分けでした。ポストシーズンの試合に向けて試行錯誤の過程にあるとはいえ、先週はDeNAにも巨人にも2カード続けて1勝2敗でしたから、そろそろ結果がほしいと願うのは私だけでしょうか。この先、ベンチワークの見せどころです。

ポストシーズンでの結果を出すべく、
がんばれタイガース!
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2013年09月10日 (火) 19:32:00

2020年東京オリンピックの経済効果やいかに?

東京オリンピックが決まって週末明け昨日の東証では大商いとなり、日経平均株価は前週末終値比344円42銭高の1万4205円23銭、TOPIXも同じく25.18ポイント高の1173.00とそろって値上がりしました。今日も日経平均は続伸し昨日比218円13銭高の1万4423円36銭で引けました。ということで、エコノミストとしてはとても気になるところで、「アベノミクスの第4の矢」とも称され始め、世間では早くも大きな話題になっている東京オリンピックの経済効果について、今夜は簡単に取り上げておきたいと思います。まず、広く報じられている「経済効果3兆円」の根拠となった東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会試算結果を引用すると以下の通りです。

2020年オリンピック・パラリンピック開催に伴う経済波及効果を試算
東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会では、開催に伴う経済波及効果試算を発表しました。
来年2013年から開催年に当たる2020年までを対象としており、経済波及効果は全国で約3兆円。
これに伴う雇用の誘発は、約15万人と試算されています。
大会関係施設への投資や観戦客の消費などを合わせた経済波及効果は、東京都で1兆6700億円、そのほかの地域で1兆2900億円となり、雇用面の波及効果はおよそ15万人分の所得に相当するおよそ7500億円と試算しています。


ということで、上の引用の2パラ目に「経済波及効果は全国で約3兆円」とあります。これが人口に膾炙しているわけです。また、同じパラの中に「来年2013年から」という文言が見えますが、実は、この試算は昨年2012年6月8日に発表されています。まず、生産誘発額に関する経済波及効果のテーブルを東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会にサイトから引用すると以下の通りです。

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生産誘発額で見た経済波及効果は、東京都で約1兆6700億円、その他で約1兆2900億円、全国総計で約2兆9600億円、切りよく3兆円、ということになります。このサイトでは試算の根拠は余り明らかではないんですが、東京新聞の報道によれば、参加選手数1万7000人、オリンピック期間中の来日観光客数25万人、チケット販売数1010万枚、新国立競技場建設費1300億円、選手村建設費1057億円などが示されています。東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会の立候補ファイルを見れば、さらに詳細な前提条件が分かりそうにも思いますが、明示はしていないものの、おそらく、産業連関表か何か類似の手法を用いて推計していることと私は想像しています。なお、雇用誘発については下のテーブルのとおりです。

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そもそも、私にはこういった試算を検証する意図も能力もありませんし、何よりも試算の詳細が明らかにされていないこともありますので、この試算の妥当性については議論を進めるつもりはありません。代わりに、すでにお示しした東京新聞の記事のほかに、メディアの報道をいくつか紹介したいと思います。「いくつか」といっても、実は山ほどあるんですが、私が見た範囲では日経新聞と経済週刊誌の東洋経済の以下の2本がよく取りまとめられていると受け止めています。



いずれの報道も、オリンピックの経済効果は3兆円なんてケチなことは言わずに、もっとあるんではないか、という論調を含んでいます。日経新聞では大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストに取材し「経済効果は約95兆円、国土強靱化計画が進めば約55兆円の効果を見込めるため総額150兆円」との大きな額を示していますし、東洋経済では明治大学専門職大学院長の市川宏雄教授から「実際には10兆円」との発言を引き出しています。私も直感的に7年間で3兆円は小さいという気もします。
ただし、私が懸念するポイントが2点あります。第1は地域的な偏りで、第2に産業的な偏りです。何でも偏りなく満遍に、というつもりは毛頭ありませんが、東京オリンピックですから、当然のように地域的には東京に偏ります。生産誘発効果3兆円の試算でも、東京都で約1兆6700億円、その他で約1兆2900億円となっていましたが、東京都以外のほとんどは首都圏3県、すなわち、神奈川県、埼玉県、千葉県なのではないでしょうか。ホントに疲弊した地方圏には心意気以外の経済効果はほぼ見込めないと考えるべきです。また、産業的な偏りについても、土木・建設と不動産や観光・運輸などに偏る懸念があります。これらの産業が将来の我が国をけん引するリーディング産業なのか、それとも、いわゆる斜陽産業なのかを考えて、もしも後者だとすれば、あくまでそうであれば、なんですが、労働力や資本といった生産要素をそれらの斜陽産業に張り付かせるオリンピック効果は、日本経済の将来にとって長期的にどこまでプラスなのか、という疑問が残らないでもありません。

エコノミストとして、いろいろと書き連ねてしまいましたが、私自身としてはオリンピックの経済効果はそれなりにあるものの、経済効果を主眼として取り組むべきイベントではないと考えています。経済効果の地域的及び産業的な偏りなんぞは忘れて、もちろん、総額も気にせずに、オリンピックをそのままの形で受け止めて楽しむべきかもしれません。とは言いつつも、「経済評論の日記」に分類しておきます。
Entry No.3614  |  経済評論の日記  |  コメント(0)  |  トラックバック(0)  |  to page top ↑

2013年09月09日 (月) 19:28:00

4-6月期GDP統計2次QEから内需主導の明確な景気回復・拡大を確認!

本日、4-6月期のGDP速報2次QEが発表されました。実質成長率は先月発表された1次QEの前期比+0.6%、前期比年率+2.6%から、前期比+0.9%、前期比年率+3.8%に大幅に上方改定されました。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じた記事を引用すると以下の通りです。

4-6月期実質GDP改定値、年率3.8%増 名実逆転解消せず
速報値は2.6%増

内閣府が9日発表した4-6月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%増だった。8月12日発表の速報値(0.6%増)から上方修正し、3四半期連続のプラス成長だった。年率換算では3.8%増(速報値は2.6%増)だった。速報値の発表後に明らかになった法人企業統計などを反映し、設備投資や公共投資が上方修正された。
3四半期連続のプラス成長は2011年7-9月期以降、12年1-3月期まで続いて以来となった。4-6月期の法人企業統計をもとに推計し直し、設備投資は1.3%増(速報値は0.1%減)に上方修正した。プラスに転じたのは11年10-12月期以来6四半期ぶり。伸び率も11年10-12月期(8.3%増)以来の高さだった。
6月分の実績を加味した公共投資は3.0%増(速報値は1.8%増)に上方修正した。一方、住宅投資は0.3%減(0.2%減)にマイナス幅がやや拡大。個人消費も商業販売統計の確報値を踏まえ0.7%増(0.8%増)に下方修正した。
自動車などの仕掛かり品在庫の増加を加味した結果、民間の在庫寄与度はマイナス0.2ポイント(速報値はマイナス0.3ポイント)になった。
生活実感に近い名目GDPは0.9%増(速報値は0.7%増)、年率で3.7%増(同2.9%増)だった。速報値では名目が実質を上回る「名実逆転の解消」が3四半期ぶりに実現したが、改定値では3四半期連続で「名実逆転」が続いた。総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前期比で0.0%下落。速報値は0.1%上昇だったが今回下落に修正したことが響いた。
前年同期比0.5%下落(同0.3%下落)となりマイナス幅が拡大した。民間企業在庫に関係するデフレーターが下ぶれたことが響いた。


ということで、いつもの通り、とても適確にいろんなことが取りまとめられた記事なんですが、次に、GDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者報酬を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、項目にアスタリスクを付して、数字がカッコに入っている民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。もちろん、計数には正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンク先からお願いします。

需要項目2012/4-62012/7-92012/10-122013/1-32013/4-6
1次QE2次QE
国内総生産 (GDP)▲0.3▲0.9+0.3+1.0+0.6+0.9
民間消費+0.1▲0.4+0.5+0.8+0.8+0.7
民間住宅+2.1+1.6+3.6+1.9▲0.2▲0.3
民間設備▲0.7▲3.2▲1.2▲0.0▲0.1+1.3
民間在庫 *▲0.3+0.1▲0.2▲0.0▲0.3▲0.2
公的需要+0.9+1.0+1.1+0.3+1.0+1.2
内需寄与度 *▲0.1▲0.2+0.3+0.6+0.5+0.7
外需寄与度 *▲0.2▲0.7▲0.1+0.4+0.2+0.2
輸出▲0.2▲4.5▲2.7+4.0+3.0+3.0
輸入+1.3▲0.0▲2.0+1.0+1.5+1.5
国内総所得 (GDI)▲0.3▲0.6+0.2+0.0+0.7+1.0
国民総所得 (GNI)▲0.2▲0.5+0.4+0.6+1.4+1.7
名目GDP▲0.9▲0.9+0.1+0.6+0.7+0.9
雇用者報酬▲0.3+0.7▲0.4+0.7+0.4+0.5
GDPデフレータ▲1.0▲0.8▲0.7▲1.1▲0.3▲0.5
内需デフレータ▲0.7▲1.0▲0.8▲0.8▲0.1▲0.3


テーブルに加えて、いつもの需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。青い折れ線でプロットした季節調整済みの前期比成長率に対する寄与度であり、左軸の単位はパーセントです。棒グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された4-6月期2次QEの最新データでは、前期比成長率がプラスであり、グレーの民間在庫が在庫調整進展に伴ってマイナス寄与を示した他は、赤い民間消費、黄色い公的需要、黒い外需とバランスよく成長に寄与しているのが見て取れます。水色の民間投資も2次QEではプラスに上方修正されています。円高是正も含めて、アベノミクスによる経済効果が現れていると考えるべきです。

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1次QEの際の前期比+0.6%、前期比年率+2.6%の成長率では少し「物足りない」と8月12日に1次QEが発表された日のエントリーでは書きましたが、今日発表の2次QEの前期比+0.9%、前期比年率+3.8%は、日経QUICKの市場コンセンサスにも、景気実感にもジャストミートしました。かなり大きな上方改定だったんですが、引用した記事にもある通り、設備投資と公共投資が主たる要因として上げられています。テーブルから読み取れる通り、昨年2012年10-12月期に景気が底を打ってから、足元の4-6月期まで、明確な景気回復・拡大が確認され、しかも、内需主導型の成長が続いています。特に4-6月期は、1次QEの際の前期比成長率+0.6%は、寄与度で分解すると内需+0.5%、外需+0.2%だったんですが、2次QEの前期比成長率+0.9%は内需+0.7%と外需+0.2%に分かれます。アベノミクスで円高修正が進んだり、海外経済の持直しで輸出も増加しつつあるとはいえ、成長率に大きく寄与しているのは消費をはじめとする内需であることは明らかです。しかしながら、設備投資のプラス転換はデフレータの低下に起因する部分もあり、引用した記事のタイトルにもある通り、1次QEの際の名実逆転は2次QEで元の木阿弥に戻ってしまいました。デフレ脱却にはまだ時間がかかりそうです。GDP統計に関して最後に、今回の2次QEの大きな論点のひとつに来年4月からの消費税率引上げの判断材料という側面があることは忘れるべきではありません。少なくとも、この統計を見ている限り、ゴー・サインが出る確度は高いと受け止めています。

photo


最後に、今日は内閣府から需給両サイドのマインド指標である景気ウォッチャー調査消費者態度指数も発表されています。いずれも8月の統計です。グラフは上の通りです。このところ低下気味ですが、依然として高い水準にあります。
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2013年09月08日 (日) 18:46:00

9回の猛反撃も及ばずジャイアンツに連敗!

  HE
読  売000009000 9101
阪  神100000005 5121


打ち負けてジャイアンツに連敗でした。東京ドームで3タテされ、甲子園でも1勝2敗でしたから、ペナントレースは未練なく諦めることが出来そうです。このままではジャイアンツに力負けすることが明らかですから、ポストシーズンの試合にどのような対策を取るのか、ベンチワークの見せどころです。

ポストシーズンでの試合を目指して、
がんばれタイガース!
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2013年09月08日 (日) 17:12:00

先週読んだ新刊書

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何と、先週読んだ新刊書はとうとうフレデリック・ルヴィロワ『ベストセラーの世界史』(太田出版) だけになってしまいました。フランス人の憲法学者がベストセラーの誕生から現在にいたるまでの歴史について考察した本です。最初は発行部数を水増しして流行っているような装いをもって売り込んだり、いろいろとインチキもあったようですが、『ドン・キホーテ』から『ダ・ヴィンチ・コード』、『ミレニアム』3部作、もちろん、『ハリー・ポッター』シリーズまで、西洋諸国におけるベストセラーが次々と俎上に上ります。でも、何といっても歴史的なナンバーワンのベストセラーは『聖書』です。これに次ぐのが、何と『毛沢東語録』だったりします。冒頭に、売れた本と読まれた本の違い、読書室や図書館が本の売上げに及ぼす影響なども考察されています。もっとも、今どきの電子書籍とアナログの紙に印刷した本の違いには言及されていません。とても面白いです。多くの読書子には一読の価値あると思います。

さて、新刊書を1冊しか読まなかったとすれば、実は、旧刊書を私は読んでいたわけです。8月31日付けのエントリーで取り上げた森博嗣『神様が殺してくれる』に触発されて、同じ著者の真賀田四季シリーズの『春』、『夏』、『秋』、『冬』の4部作を読んで、瀬在丸紅子と犀川創平の関係はxxだったのか、と初めて知ったりしました。高田郁のみおつくし料理帳シリーズの最新刊『残月』を入手して、その昔の『ハリー・ポッター』シリーズの新刊が出た時みたいに第1巻『八朔の雪』に戻って読み返したりしていました。もっとも、『残月』にはまだ達していなかったりします。楽しみにしている『ライス回顧録』こそまだなんですが、この週末には予約が回って来て図書館から何冊か借り出しましたので、今週は充実した読書生活が送れそうです。
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2013年09月08日 (日) 14:32:00

2020年東京オリンピック決定おめでとう!

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日本時間の本日未明にブエノスアイレスで開催されていた国際オリンピック委員会 (IOC) 第125次総会で2020年のオリンピック開催地は東京と決定しました。
誠におめでとうございます。
私も平均寿命的には2020年までは生きていることと思いますので、とっても楽しみです。

がんばれニッポン!
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2013年09月07日 (土) 18:03:00

藤浪投手がツーラン2本で沈み甲子園不敗神話が崩れる!

  HE
読  売000220000 450
阪  神010000000 160


今日の藤浪投手も7回5安打に抑えながら、ツーラン2本に沈みました。ジャイアンツは昨日と同じ4得点ですが、タイガースは1点しか取れませんでした。「バント以外の作戦も試すべき」と昨夜のブログに書いたら、今日は盛んに盗塁を試みました。結局、ホームには帰れませんでしたが、いいんではないでしょうか。さらに、ポストシーズンの試合に向けて、いろいろと試行錯誤すべきと私は考えています。

ポストシーズンの試合で結果を出すべく、
がんばれタイガース!
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2013年09月07日 (土) 08:39:00

米国雇用統計は引き続き基本的に堅調ながら物足りない数字か?

昨日、米国労働省から8月の米国雇用統計が発表されています。いずれも季節調整済みの系列で見て、ヘッドラインとなる非農業部門雇用者数の前月差増加は+169千人、失業率は前月から▲0.1%ポイント低下して7.3%となりました。また、7月の非農業部門雇用者の増加幅はかなり下方に改定されました。まず、New York Times のサイトから記事を最初の4パラだけ引用すると以下の通りです。

U.S. Economy Adds 169,000 Jobs as Unemployment Rate Falls
The nation's employers added 169,000 jobs in August, slightly below what economists were expecting. The unemployment rate ticked down to 7.3 percent from 7.4 percent, but it fell largely because people dropped out of the labor force and so were no longer counted as unemployed.
In fact, the share of working-age Americans who were either working or looking for work was at its lowest level since 1978, a time when women were less likely to be participating in the labor force.
The report also contained large downward revisions to job growth in July and June. August's growth was about in line with the average hiring rate so far this year, which has been steady but mediocre. If the economy were to fill the jobs gap left by the recession within the next four years, around 300,000 jobs a month would need to be created, according to the Hamilton Project at the Brookings Institution.
The latest numbers leave in question whether the Federal Reserve will start scaling back its stimulus measures after it meets Sept. 17-18, as Wall Street seems to expect. The Fed has been buying long-term Treasury bonds and mortgage-backed securities in order to keep long-term interest rates low, and the Fed chairman, Ben S. Bernanke, has said that the central bank will reduce the rate of those purchases "later this year."


引用した記事は昨夜の時点での第1報のバージョンを私がメモしておいたものですから、現時点では差し替えられている可能性があります。悪しからず。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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米国の雇用の増加については、市場の事前コンセンサスが170-180千人増でしたので、7月の統計が大きく下方修正されたことと相まって、やや物足りない結果と受け止めています。しかし、民間部門の雇用者は順調に増加しており、米国労働省の雇用者増はやや物足りないものの、ADP のデータは米国労働省の民間部門雇用者増を上回っており、もちろん、失業率が着実に低下しているわけですから、基本的には米国の雇用は堅調と考えるべきです。しかし、物足りないもの事実ですから、米国準備制度理事会 (FED) による量的緩和 QE3 は年内にも規模縮小とのウワサもありましたが、シリア情勢とも併せて考えると、FED の出口戦略は少し後ズレしそうな気もします。でも、引用した New York Times の記事の4パラ目は微妙な表現だったりします。

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米国の雇用について手放しで堅調といい切れないもうひとつの要素は、雇用・人口比率がサッパリ上がらないことです。日本のように高齢化がとてつもないスピードで進行している国であれば、高齢化に伴って労働市場から退出する人が多いわけですから、雇用者の比率が停滞ないし減少する可能性も十分にありますが、移民人口が決して少なくなく、人口がそれなりに増加を続けている米国では、まだ高齢化がそれほどのスピードでは進んでいませんから、デモグラフィックな要因よりは景気に起因する循環要因でこの雇用・人口比率が上がらないんだろうと私は考えています。

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最後に、日本の経験も踏まえて、もっとも避けるべきデフレとの関係で、私が注目している時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見てほぼ底ばい状態が続いていて、サブプライム危機前の3%超の水準には復帰しそうもないんですが、底割れして日本のようにゼロやマイナスをつけて、デフレに陥る可能性は小さそうに見えます。
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2013年09月06日 (金) 22:17:00

4番に座った鳥谷選手が4安打5打点で巨人に完勝!

  HE
読  売000200002 492
阪  神10203200x 8131


投手陣がコンスタントに2-3点に抑えている中で、勝負は打線の得点力にかかっています。昨夜は「別の打順を試す」のを提案し、どなたかがこのマイナーなブログを読んでくれているのかもしれませんが、今夜のオーダーで結実しました。今度は、バント以外の作戦も試すべきではないでしょうか。阪神を見ていると何が何でもバントするか、ただ単に漫然と打つか、どちらかしか作戦がありません。と言うか、ハッキリ言って、ほとんど作戦がないに等しく、ベンチワークがまったく欠けています。ジャイアンツは言うに及ばず、タイガースもレギューラーシーズンの順位はもう動かないんですから、ポストシーズンの試合に向けて、いろいろと試行錯誤すべき段階と私は考えています。

9月の勝負は度外視しても10月を見据えて、
がんばれタイガース!
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2013年09月06日 (金) 19:24:00

7月の景気動向指数はリバウンドし景気は改善に向かう!

本日、内閣府から7月の景気動向指数が発表されました。統計のヘッドラインとなるCI一致指数は前月から+0.9ポイント上昇して106.4、また、CI先行指数も+0.6ポイント上昇して107.8を、それぞれ記録しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の景気一致指数、2カ月ぶり上昇 基調「改善」
内閣府が6日発表した7月の景気動向指数(CI、2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比0.9ポイント上昇の106.4と2カ月ぶりに上昇した。内閣府が8月、暫定的に前回の景気の「山」と認定した12年4月(107.0)の水準まで回復。輸送機械、半導体を含む電子部品・デバイスを中心に幅広い業種で生産が伸びたことや、それに伴い大口電力使用量が増えたことが寄与した。
内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を前月までの「上方への局面変化を示している」から「改善を示している」に上方修正した。判断を引き上げるのは2カ月ぶりで、「改善を示している」との表現を用いるのは12年5月以来1年2カ月ぶり。
数カ月後の先行きを示す先行指数は0.6ポイント上昇の107.8だった。東証株価指数(TOPIX)の上昇に加え、化学工業や非鉄金属業界の在庫率が低下したことで2カ月ぶりに上昇した。
景気に数カ月遅れる遅行指数は0.6ポイント上昇の111.2だった。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前と比べて改善した指標が占める割合を示すDIは一致指数が65.0、先行指数が66.7だった。


相変わらず、とてもよくまとまった記事だという気がします。続いて、景気動向指数の推移をプロットしたグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数、下はDI一致指数です。影をつけた部分は景気後退期なんですが、いつものお断りで、このブログのローカル・ルールにより、直近の景気の谷は2012年11月であると仮置きしています。

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ということで、CI一致指数と先行指数ともに上方モメンタムを取り戻しており、引用した記事にもある通り、CI一致指数に基づく景気判断は先月までの「上方への局面変化」から「改善」に上方修正されています。CIへの採用系列を少し細かく見ると、小売業の商業販売額の前年同月比がマイナス寄与を示した他、耐久消費財出荷や所定外労働時間が寄与度として比較的大きなマイナスだったんですが、それを上回って、鉱工業生産財出荷、鉱工業生産、輸送機械を除く投資財出荷、有効求人倍率などが大きなプラスの寄与を記録し、CI一致指数は2か月ぶりの上昇となっています。基調判断は「改善」へ機械的に上方修正されましたが、景気実感ともかなり合致すると私は考えています。なお、9月3日火曜日に毎月勤労統計を取り上げた記事で、所定外労働時間の季節調整済みの系列が7月にマイナスを示したのは生産統計と整合的でないために「不可解」と私は表現しましたが、それ以外では、家計部門の耐久消費財出荷がマイナスになったものの、企業部門の鉱工業生産や投資財出荷などがプラス寄与を示しており、家計部門にけん引された今次景気拡大局面に企業部門も追いついて来た、という私の実感を裏付けています。そして、上のグラフを均して見れば、CI先行指数の傾きがやや緩やかになりつつ、CI一致指数に近い傾きに回帰しつつあります。ホントはCI一致指数が傾きを急にしてCI先行指数に並ぶのが、より望ましいのかもしれませんが、今次景気拡大局面のもうひとつの特徴であった期待先行の景気感も終了に向かっているような気がしないでもありません。

来週の冒頭月曜日には4-6月期のGDP統計2次QEが発表されます。昨日のエントリーでお示ししたように、多くのエコノミストの間では1次QEから上方修正されて消費税率の引上げに追い風であると考えられています。現在の景気局面を逃すと、次に消費税率を引き上げるハードルがさらに厳しくなり、財政のサステイナビリティが市場で信認されるかどうか疑問が生じかねません。今日の景気動向指数をはじめ、現時点までの経済指標を見る限り、消費税率は予定通りに引き上げるべきであるとの意見が大勢を占めるのも当然ではなかろうかと私は受け止めています。
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2013年09月05日 (木) 21:40:10

打線に決定力なくDeNAに零封されてサヨナラ負け!

  HE
阪  神000000000 080
D e N A000000001x 170


まったく打線に決定力なく零封されました。最後は安藤投手でサヨナラ負けでした。そろそろ、この打順はいいので、クライマックスシリーズに向けて、明日からの巨人戦では別の打順を試すのはいかがでしょうか。投手もいろいろと試してみるべきなのかもしれません。しばらく、結果を度外視した試行錯誤が続きそうです。それはそれでOKと私は受け止めています。

勝負は度外視しても打線を見極めるべく
がんばれタイガース!
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2013年09月05日 (木) 19:25:00

来週発表の4-6月期GDP統計2次QEは消費税率引上げに追い風か?

来週月曜日の9月9日に今年2013年4-6月期GDP速報2次QEが内閣府より発表されます。今週月曜日の法人企業統計を含め、必要な経済指標がほぼ出尽くし、各シンクタンクや金融機関などから2次QE予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ウェブ上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。可能な範囲で、来年4月からの消費税率引上げに関する部分を中心に取っているつもりです。言及していないニッセイ基礎研と三菱UFJリサーチ&コンサルティングと三菱総研はアッサリと済ませてあります。特に、2次QEですから、淡々としたリポートも少なくありません。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
内閣府1次QE+0.6%
(+2.6%)
n.a.
日本総研+0.8%
(+3.2%)
2次QEの結果や、企業の利益率、自己資本比率といった収益・財務環境の大幅な改善などを踏まえれば、消費税率の引き上げは、当初の予定通り実施することが可能と判断。
大和総研+0.9%
(+3.7%)
2013年4-6月期GDP2次速報は消費税率引き上げの重要な判断材料となる。予想通りの結果となれば、前期比年率+3%後半という高い成長率であること、一次速報段階での懸念材料であった設備投資がプラス転換することから、消費税増税の実現性が一層高まることとなるだろう。
みずほ総研+0.9%
(+3.6%)
2014年4月からの消費税率引き上げを巡る有識者会合では、過半が予定通りの引き上げを求めた模様である。今回の2次QEでは回復の遅れが懸念された設備投資も増加に転じていたことが明らかになり、安倍首相による予定通りの税率引き上げ決断を後押しする材料となりそうだ。
ニッセイ基礎研+0.9%
(+3.8%)
大幅に上方修正されると予想する。
第一生命経済研+0.9%
(+3.7%)
仮にこの予想通りの大幅上方修正となった場合、予定通りの消費税率引き上げ(14年4月に8%)が実現するとの観測が強まるだろう。
伊藤忠経済研+1.0%
(+3.9%)
安倍政権は、二次QEに加え、8月下旬に実施した有識者会合の意見や8月の月次データ(9月下旬公表)、9月日銀短観(10月1日公表)などを踏まえ、10月4日頃に消費税率引き上げの最終判断を行う方針と報じられている。少なくとも、GDP動向は、政府が課した基準に照らし消費税率引き上げの判断を支持するものと考えられる。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+1.0%
(+4.1%)
1-3月期の前期比年率3.8%に続く高成長が確認されることで、政府が10月上旬にも判断するとみられる、2014年4月からの消費税率の引き上げ(5%→8%)も、一段と現実味を増すとみられる。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+1.0%
(+4.1%)
上方修正される見込みである。
三菱総研+1.0%
(+4.2%)
大幅な上方修正を予想する。


何といっても2次QEですので、1次QEからの改定幅は決して大きくないんですが、すべての機関が上方改定を予想しています。大雑把に見て、年率成長率で3%台後半から4%くらいといったところでしょうか。その主たる要因は設備投資の回復となっています。家計部門の消費にけん引されていた今回の景気回復・拡大に企業部門の設備投資が追いついて来たということで、これらの予想が正しいとしてGDP統計を見る限り、来年2014年4月からの消費税率の引上げをサポートする結果であると考えるエコノミストが多くなっているのも事実です。

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最後に、みずほ総研のリポートから、需要項目別に寄与度分解したGDPの前期比成長率の推移です。現在の槐記回復・拡大局面では、紫色の家計の消費や住宅の寄与が大きい一方で、黒い外需については1-3月期を別にすれば必ずしも寄与が大きくなく、また、この4-6月期からようやく企業の設備投資がプラスに転じること、などを読み取ることが出来ます。あくまで予想の一例ですが、大雑把なコンセンサスと言えそうな気がしなくもありません。
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2013年09月04日 (水) 22:21:00

投手陣は14被安打で8点取られ、打線は13安打で3点しか取れず!

  HE
阪  神001020000 3131
D e N A42001001x 8140


昨夜の攻撃陣の効率のよさは単なるまぐれだったということなのでしょうか。昨夜の繰返しになりますが、勝負は得点力にかかっていると考えるべきです。今夜の阪神打線は13安打で3得点、他方、DeNAは14安打で8得点、ちなみに、昨夜の阪神打線は15安打で10得点ですから、今夜の攻撃がいかに決定力なく、また、策もなかったのかということが分かります。でも、ペナントレースの優勝争いはほぼ終戦ですから、阪神はいかにしてポストシーズンの試合を勝ち抜くかに集中することを期待します。

打線の奮起を期待して、
がんばれタイガース!
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2013年09月04日 (水) 19:29:00

経済開発協力機構 (OECD) の「経済見通し中間評価」 Interim Economic Assessment

昨日、経済開発協力機構 (OECD) から先進7か国G7と中国などの新興国の「経済見通し中間評価」 Interim Economic Assessment が公表されています。2013年を通して、日本は+1.6%成長と今年5月時点の予測を据え置いた一方で、米国は+1.7%成長と▲0.2%ポイントの下方修正、他方、独仏伊のユーロ圏主要3か国は+0.4%成長と前回のユーロ圏諸国全体の▲0.6%のマイナス成長から大幅に上方修正されています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

日米英「経済活動が拡大」 OECDが下期見通し
経済協力開発機構(OECD)は3日、主要7カ国(G7)の短期経済見通しを公表した。2013年4-6月期に景気回復のペースが加速し、13年後半もこのペースが維持されると予測。日本と米国、英国は「経済活動が拡大している」と評価した。独仏伊のユーロ圏も「全体として、もはや景気後退期ではない」との見解を示した。
G7の実質国内総生産(GDP)成長率では、日本が13年通年で1.6%と5月末時点の予測を据え置いた。米国は1.7%で0.2ポイント下方修正。独仏伊のユーロ圏主要3カ国は0.4%で前回のマイナス0.6%から大幅に上方修正した。先進国経済は「13年下期は従来予想より強い成長が見込まれる」との認識を示した。
OECDは13年上期の日本経済を積極的な経済政策で再浮揚したと評価。今後は「2%のインフレ目標が持続的に達成されるまで、金融緩和を継続すべきだ」と主張した。財政の健全化に向け「計画通り14年に消費増税を実現すべきだ」とも注文を付けた。ただ増税時には「一時的な財政政策の検討の余地はある」とし、補正予算編成などによる景気下支えを容認した。
米欧経済は全体的に上向いているとしながらも「リスクは残っている」と引き続き警戒感を示した。とりわけ失業率がユーロ圏平均で12%程度、米国で7.5%程度と依然として高水準にある現状を指摘。「政府が最も焦点を当てなければならない課題」として、職業訓練の拡充などを求めた。
一方、新興国経済にも言及し、「一部の国で成長が鈍化している」と分析した。米金融政策の出口戦略の議論が引き金となって、金融市場が混乱したことに関連し「多額の経常赤字など新興国経済が持つ困難に焦点を当てた」と解説。新興国はこうした問題の解消に取り組むべきだと強調した。
中国については、成長ペースが鈍化していた13年上期に比べて下期はやや持ち直すとしたものの「緩やかな伸びにとどまる」と指摘。同国の13年の経済成長率予測は7.4%と、5月末時点の7.8%から下方修正した。新興国の世界経済に占める比率が高まっているため、新興国経済の伸び悩みは「世界の短期的な成長を低迷させる」と予想した。


やや長いんですが、よくまとまった記事ではないかと思います。今夜のエントリーでは、OECD が記者発表に用いたジャーナリスト向けのハンズアウトからいくつか図表を引用して、簡単に我が国と先進国の経済見通しを紹介したいと思います。

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まず、上のテーブルはハンズアウト p.1 Indicator-based forecasts for GDP growth in the major economies を引用しています。成長率見通しの総括表です。我が国は年内いっぱいは年率2%台半ばの順調な景気回復・拡大が続くと予想されています。2013年を通しては+1.6%成長と、引用した記事にもある通り、5月時点の見通しと変わりありません。もっとも大きな変更があったのは欧州です。ユーロ圏で見て、5月時点では2013年▲0.6%のマイナス成長と見込まれていたのが、今回の中間評価では3大ユーロ圏諸国、すなわち、独仏伊とまったくベースが異なるものの、+0.4%に大きく上方改定されています。しかし、"The euro area remains vulnerable to renewed financial, banking and sovereign debt tensions." と、まだリスクが残されていると言及されています。

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Interim Assessment にしては、かなり広範なテーマを取り上げており、金融や不良債権はいうに及ばず、政府バランス、物価、雇用、貿易など、さまざまなグラフが示されていますが、その中で目立ったのが上の投資がGDPに占める比率のグラフです。ハンズアウト p.10 Investment-to-GDP ratio and GDP growth, 2010-2012 を引用しています。縦軸に投資がGDPに占める比率を、横軸に成長率をそれぞれ取っていますので、当然ながら、正の相関が観察されます。新興国や途上国は成熟した先進国よりも右上にプロットされています。これまた、当然です。しかし、投資の促進は生産性の向上をはじめ、潜在成長率の引上げなどに必要であり、"Persistently weak investment in advanced economies since the crisis has slowed the growth of capital and risks holding back productivity growth during the recovery, while low investment continues to drag on demand." と分析されています。

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最後に、やや趣味的なグラフながら、上のグラフはハンズアウト p.12 の Appendix から Uncertainty around GDP forecasts を引用しています。最近何年かの OECD の経済見通しごとの成長率予想に対して、予測に用いる indicator-based models 間の標準偏差を示しています。日独、特に我が国の標準偏差が大きくなっています。我が国の経済構造や経済主体のマインドが OECD の各種のモデルでは捉え切れていない可能性が示唆されていると受け止めています。

何度かこのブログでも書きましたが、現在の日本の景気回復・拡大局面の特徴は、家計部門の消費が先行して景気をけん引し、次に企業部門の設備投資が追いかけながら回復を示しつつあることで、逆から見れば、従来の輸出主導型の景気回復とは異なり、海外部門が後景に退いています。この先、欧州が経済活動を活発化させ、それに伴って中国が経済低迷から脱する方向に向かうと、世界経済のみならず我が国の景気もより力強さが増すのではないかと期待しています。
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2013年09月03日 (火) 21:44:00

あっぱれ白仁田投手、初先発初勝利おめでとう!

  HE
阪  神201320101 10150
D e N A000001000 181


あっぱれ白仁田投手、初先発初勝利おめでとう! とはいうものの、層の厚い阪神投手陣、特に強力リリーフ陣を擁しているわけですから、これくらい打って得点すれば、誰が投げてもそこそこ勝てます。要するに、勝利は得点力にかかっていると考えるべきです。
それにしても、新戦力としてはボイヤー投手が1イニング投げましたが、大リーグ帰りの西岡選手と福留選手を欠いて、さらに、新外国人のコンラッド選手に至っては日本にとどまっているのか、米国に帰ったのかも私は知らないような状況となっており、昨年の布陣から金本選手と平野選手が抜けて戦力ダウンしているにもかかわらず、苦手の三浦投手相手に若手主体でこれだけ打てるわけです。この先、クライマックス・シリーズ目指していろいろと試して、最終的にベストの状態でポストシーズンの試合に臨めるよう期待します。

さらなる打線の奮起を期待して、
がんばれタイガース!
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2013年09月03日 (火) 19:27:00

毎月勤労統計で7月賃金はボーナスに支えられ上昇!

本日、厚生労働省から7月の毎月勤労統計が発表されました。ヘッドラインとなる現金給与総額は季節調整していない原系列の前年同月比で+0.4%増加し、他方、景気に敏感な所定外労働時間指数は季節調整済みの指数の製造業で前月から▲3.0%の減少となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

7月の現金給与総額、2カ月連続増 賞与など増加
厚生労働省が3日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報)によると、現金給与総額は前年同月比0.4%増の36万2141円となり、2カ月連続で増えた。賞与や残業代が2%程度伸び給与総額を底上げした。ただ、基本給(所定内給与)は14カ月連続で減っている。デフレ脱却に向けては、今後も賃金上昇が続くことが重要になる。
調査は従業員5人以上の事業所が対象。給与総額の内訳をみると、残業代など所定外給与が1.9%増の1万8752円、賞与など特別給与が2.1%増の10万1184円と増えた。一方で、基本給となる所定内給与は0.4%減の24万2205円にとどまった。
特別給与の伸びでは、建設業の12.1%、金融・保険業の17.8%、郵便局など複合サービス業の27.5%が目立った。
残業代をみると、卸・小売業が8%、飲食サービス業が6.7%と高い伸び率となった。猛暑の影響で仕事量が増えたとみられる。
生産の回復に伴い、製造業の残業時間は0.7%増と、1年ぶりに前年同月を上回ったが、季節調整済みの前月比では3%減っている。
就業形態ごとの給与総額を比べると、フルタイムで働く一般労働者が0.9%増の46万9666円だったのに対し、賞与の割合が低いパートタイム労働者は0.7%減の10万349円となった。


いつもの通り、とてもよくまとまった記事だという気がします。次に、毎月勤労統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、下は製造業に限らず調査産業計の賃金の季節調整していない原系列の前年同月比を、それぞれプロットしています。賃金は凡例の通り現金給与総額と所定内給与です。毎度のお断りですが、このブログのローカル・ルールで、直近の景気の谷は2012年11月と仮置きしています。

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まず、上のパネルの所定外労働時間が減少しているのがやや不可解です。7月の生産は増産となり大きく増加したんですが、同じ製造業どうしで比較しているにもかかわらず、残業時間が減少している結果が出たわけです。新たに雇用を増加させて残業時間を抑制した、というのがひとつの解釈ですが、私にはピンと来ません。上のグラフの所定外労働時間は季節調整済みの指数ですが、引用した記事にもある通り、季節調整していない前年同月比ではプラスとなっており、季節調整が何らかの影響を及ぼしている可能性があります。それにしても、季節調整済みの前月比で▲3%減というのは大きい気がします。他方、下のパネルの賃金は増加したとはいえ、消費者物価上昇率を下回りましたから、実質賃金は減少しています。短期に生産性の変動を無視すれば、企業にとっては新たに雇用を増加させるインセンティブとなりますが、逆から見て、雇用者にとっては物価に見合った賃金上昇がなければ生活水準の低下に直結します。特に、引用した記事の最後のパラにある通り、7月の賃金はフルタイムのボーナス増に支えられており、ボーナス支給比率の低いパートタイムには恩恵が及んでいませんから、アベノミクスの第1の矢である金融政策のラグの範囲内とはいえ、消費のサステイナビリティを考える上でも重要なポイントです。なお、アルバイト・パートの賃金が前年と比べて下がっているのは、リクルートジョブズの「アルバイト・パート全国エリア別募集時平均時給調査」では三大都市圏においては上昇となっていますので、都市部から地方への地域的な景気の波及が遅れている可能性があります。最後に、ボーナスに支えられた賃金上昇は景気と連動的なんですが、消費には所定内賃金が恒常的な所得としてより大きな影響を及ぼす可能性があります。この所定内賃金が前年同月比で1年を超えて減少しているのも消費のサステイナビリティに対する懸念材料のひとつです。

労働時間についてはやや不可解な結果でしたが、賃金統計については毎月勤労統計が月次で分かる数少ない統計ですので、引き続き注視したいと思います。
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2013年09月02日 (月) 19:23:00

法人企業統計では企業部門の業績改善、設備投資増加、資金余剰を確認!

本日、財務省から4-6月期の法人企業統計が発表されました。昨年中にミニ・リセッションを終了して景気が回復・拡大する中で、売上と利益は順調に伸びており、設備投資も増加基調にあります。相対的に投資より利益の拡大が大きく、企業部門の資金余剰は拡大しているようです。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

設備投資4-6月、3期ぶりプラス 法人企業統計
0.016%増

財務省が2日発表した4-6月期の法人企業統計によると、金融機関を除く全産業の設備投資は前年同期比0.016%増の8兆3106億円だった。ごくわずかながら3四半期ぶりのプラスとなった。前年の投資の反動で情報通信機械や食料品などで設備投資を手控える動きが根強く製造業は減ったが、建設や小売業など非製造業の新規投資が伸び、全体を押し上げた。
設備投資の産業別の投資動向をみると、製造業は9.1%減と3四半期連続で減少した。減少幅は1-3月期の8.3%より拡大。自動車で新車対応の工場や製造ラインへの投資があった輸送用機械などは増えたが、広がりに欠けた。非製造業は、大型複合ビル開発や住宅資材製造ラインへの投資で建設業が伸びたほか、不動産業、卸売業、小売業などで増えた。
国内総生産(GDP)改定値を算出する基礎となり、注目が高いソフトウエアを除く全産業の設備投資額は、季節調整して前期と比べると2.9%増えた。6月の発表時点では0.9%減だった1-3月期が今回0.3%増に上方修正されたため、3四半期連続のプラスとなった。
全産業の売上高は0.5%減の311兆6656億円と5四半期連続で減った。製造業は3.9%減。北米向け自動車など好調な輸送用機械などは増収だったが、低価格競争の続く食料品などは減収だった。非製造業は1.0%増。自動車も扱う商社など卸売業などが伸びた。
経常利益は前年同期比24.0%増の15兆6790億円と6四半期連続で増えた。なかでも製造業は51.5%増と高い伸び。3四半期連続の増加だった。自動車など輸送用機械業で円安により輸出採算が改善したほか、情報通信機械や鉄鋼などが増益となった。非製造業は11.3%増で2四半期ぶりに増加。商社など卸売業、小売業などで増えた。
同統計は資本金1000万円以上の企業の収益や投資動向を集計。今回の結果は内閣府が9日に発表する4-6月期のGDP改定値に反映される。
併せて発表した2012年度の設備投資は、輸送用機械などが伸び前年度比4.0%増の34兆6431億円だった。売上高は0.5%減の1374兆5105億円、経常利益は7.0%増の48兆4611億円だった。


いつもの通り、とてもよくまとまった記事だという気がします。法人企業統計とGDP統計の関係についても適切に記述されています。次に、法人企業統計の売りのヘッドラインに当たる売上げと経常利益と設備投資をプロットしたのが下のグラフです。影をつけた部分は景気後退期なんですが、いつものお断りで、直近の景気の谷は2012年11月あるいは10-12月期と仮置きしています。

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上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしていますので、主として季節調整していない原系列の統計を基にした記事と少し印象が異なるかもしれません。見れば分かりますが、季節調整済みの前期比で見て、売上高がわずかに+0.6%増にとどまったのに対して、経常利益は+10.6%増と跳ね上がっています。企業の経営効率が強化されたという評価ができる一方で、リーマン・ショック前のように、家計部門に均霑することなく企業部門だけが余剰を溜め込む方向に進みつつある懸念も脳裏をよぎります。もっとも、今回の景気回復・拡大局面では企業部門よりも家計部門が先行しましたので、その反動という側面もあります。いずれにせよ、企業収益は「史上最高益」に沸いたリーマン・ショック以前の水準に近づいているのが読み取れます。他方、引用した記事にもある通り、設備投資は+2.9%増となり、さかのぼって1-3月期も上方改定されています。8月12日に発表されたGDP統計の1次QEで4-6月期の設備投資は実質前期比▲0.1%減、名目+0.2%増でしたから、単純に当てはめると来週発表の2次QEでは上方改定されることが予想されます。

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続いて、上のグラフは擬似的に計算した労働分配率と設備投資とキャッシュフローの比率をプロットしています。労働分配率は分子が人件費、分母は経常利益と人件費と減価償却の和です。なお、特別損益は無視しています。キャッシュフローは実効税率を50%と仮置きして経常利益の半分と減価償却の和でキャッシュフローを算出しています。まず、上のパネルの労働分配率について見ると、昨年のミニ・リセッションではほとんど上昇も見られず、大雑把にならして70%を十分に下回る水準で推移しているのが読み取れます。他方、下のパネルの設備投資はキャッシュフローの半分近くまで水準が低下しています。労働分配率については雇用の増加、あるいは、賃金の上昇に耐える企業体質が出来上がったと評価できますし、設備投資向けの資金も債券発行や借入れに頼る必要なく、十分に内部資金で調達できると見られます。

法人企業統計では、最初のタイトルに上げたように、企業業績が改善し、設備投資も増加し、さらに、資金余剰も拡大した企業部門の姿を確認することが出来ました。現在の景気回復・拡大局面はマインドの改善に基づく家計部門の消費拡大が先行していますが、公共投資も増加していますし、ここに企業部門が加わり、もしも、為替の円高是正と海外経済の持ち直しに伴う輸出増が加われば、さらに力強い全員参加型の景気拡大が望めるかもしれません。
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2013年09月01日 (日) 22:17:00

決定打が出ずに秋山投手がソロホームラン2発に沈む!

  HE
広  島010001000 281
阪  神001000000 170


相も変わらず、打線に決定力なく、7回2失点と先発として立派に試合を作った秋山投手を見殺しです。結局、ソロホームラン2発に沈んだ形となりました。しかし、上本内野手や藤川俊介外野手を積極的に起用し、クライマックス・シリーズに向けたさまざまな試行錯誤が見られる気もします。ポストシーズンの試合で結果を残せるような展望を持ってレギュラーシーズンを乗り切っていただきたいと望みます。

打線の奮起を期待して、
がんばれタイガース!
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