2013年09月26日 (木) 22:49:00

9月調査の日銀短観は企業マインド大幅改善を裏付けるか?

来週火曜日10月1日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから9月調査の日銀短観予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業と非製造業の業況判断DIと大企業の設備投資計画を取りまとめると下の表の通りです。設備投資計画は2013年度、すなわち、今年度です。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。いつもの通り、先行きに関する見通しを可能な範囲で取りました。もともと先行き判断を含む調査ですから、何らかの先行きに関する言及があるリポートが多かったような気がします。ただし、長くなりそうな場合はこの統計のヘッドラインとなる大企業製造業だけにした場合もあります。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名大企業製造業
大企業非製造業
<設備投資計画>
ヘッドライン
6月調査 (先行き)+10
+12
<+5.5>
n.a.
日本総研+10
+20
<+6.0>
先行き(2013年12月調査)は、大企業・製造業、大企業・非製造業で各々9月対比+2%ポイント、+4%ポイントと改善を予想。製造業では、生産や輸出の拡大が企業業績の回復を後押しする見込み。一方、非製造業では、消費税率引き上げ前の駆け込み需要や、円安基調を背景とした訪日外国人客数の増加により、景況感が改善を続ける見通し。
大和総研+5
+15
<+6.9>
先行きに関しても、2013年度は収益の改善が見込まれることから、幅広い業種で改善が続くとみている。足下のドル円レートは100円前後と、企業の業績前提と比べて円安水準での推移が続いている。企業の想定為替レートが現在の値に収斂していけば、企業の収益見通しは上方修正され、業況感の押し上げ要因になるだろう。ただし、ASEAN諸国をはじめとする新興国の景気減速懸念が高まっていることは、企業の収益見通しを押し下げる可能性があり、先行きの改善幅を縮小させる可能性がある。
みずほ総研+8
+14
<+5.8>
(大企業製造業) 先行きは、原材料コストの上昇や新興国の景気減速が懸念されるが、円安による輸出数量面への効果が続くことなどから改善が続く見込みとなるだろう。
(非製造業) 先行きは、冬のボーナス増加に伴う年末商戦への期待や、緊急経済対策による公共投資の押し上げが続くことなどを背景に改善の見込みとなろう。
ニッセイ基礎研+8
+14
<+6.1>
先行きについても、米国を中心とする海外経済の回復やアベノミクスへの期待は根強く、全体としては小幅ながら景況感の改善を予想する。ただし、先行きに対して慎重になりがちな中小企業では、ほぼ横ばい推移に留まると見ている。
伊藤忠商事経済研+6
+14
<+6.0>
大企業製造業の現状判断DIは6月調査の4が9月調査で6へ改善、リーマンショック直前の2008年6月調査で記録した5を上回ると見込む。先行き見通しは更に8へ改善するが、消費税率引き上げ後の需要動向に対する懸念もあり、改善幅は小幅にとどまると考えられる。
第一生命経済研+7
+15
<+5.7>
10月1日の日銀短観は、安倍首相が最終的に消費税率を引き上げる上での判断材料になる。筆者は、ここでの業況判断DIの改善を見極めて、首相は増税を決断するとみている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+11
+15
<+7.0>
政府は、2014年4月に予定されている消費税率の引き上げ(5%→8%)の是非について、日銀短観(9月調査)発表後の10月初旬に最終判断を下すとみられる。今年上半期に高成長を実現した日本経済だが、さらに夏場にかけての企業マインドの改善ならびに設備投資意欲の高まりが確認された場合、政府は、「経済状況の好転」が条件となっている消費税率引き上げを決断する可能性が高い。
三菱総研+7
+14
<n.a.>
先行きの業況判断DI(大企業)は、米国経済の回復持続や国内需要の堅調維持を背景に、引き続き改善となろう。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+9
+15
<+6.1>
(大企業製造業) 先行きの業況判断DIは1ポイント低下の8と小幅に悪化する可能性がある。輸出企業を中心とした円安による売上高の押上げ効果が一巡する上、国際商品市況の上昇が徐々にコストを押上げ利益を圧迫する。
(非製造業) 先行きの業況判断DIは1ポイント低下の14と、改善は頭打ちとなるだろう。個人消費は足元までの急な伸びが一服すると見込まれ、小売など消費者関連の業種を中心に業況は悪化する可能性がある。


ということで、ヘッドラインは業況判断に関する先行き見通しについて主としてピックアップしたんですが、ハイライトしてある第一生命経済研と三菱UFJモルガン・スタンレー証券だけは来年2014年4月からの消費税率引上げに関する判断を取っています。先週金曜日の9月20日に経済見通しを取りまとめた記事と同じ結論なんですが、日銀短観に見られる企業マインドも順調に改善を示しており、大雑把に、多くのエコノミストの間で「消費税率引上げの環境は整った」とのコンセンサスが出来上がりつつあるような気がします。
ほぼすべての予測機関が公表する業況判断DIと設備投資計画のほかに、前回6月調査の日銀短観から私は販売と仕入の価格判断DIにも注目しているんですが、上のテーブルに取りまとめたシンクタンクや金融機関の短観予測にはいずれも含まれていません。ただし、メールに添付してクローズな形のニューズレターの中に、Deutsche Bank からちょうだいしているリポートがあるんですが、そこでは大企業製造業の販売価格判断DIは9月調査ではプラスに転ずるとの予想が示されていました。6月調査時点では足元▲4、先行き▲1だったDIが9月調査の足元では+1に転ずるとの予想でした。そろそろ販売価格引上げのマインドが広がりつつあるような気がしないでもありません。言うまでもありませんが、日銀による+2%のインフレ目標やデフレ脱却には追い風と考えるべきです。

photo


最後に、日銀短観のうちの業況判断DIの予想の一例として、日本総研のリポートからグラフを引用すると上の通りです。何らご参考までなんですが、直近の2012年4月を山とする景気後退期のシャドーは示されていませんので念のため。
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