2013年10月08日 (火) 19:26:00

久し振りに改善を示した景気ウォッチャーと黒字幅が縮小した経常収支

本日、内閣府から9月の景気ウォッチャー調査結果が、また、財務省から8月の経常収支がそれぞれ発表されています。まず、それぞれの統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

9月の街角景気、6カ月ぶり改善 判断を7カ月ぶり上方修正
内閣府が8日発表した9月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比1.6ポイント上昇の52.8で、6カ月ぶりに改善した。自動車メーカー各社が相次いで投入した新型車の販売が好調だったほか、消費税引き上げ前の住宅関連の駆け込み需要が寄与した。内閣府は街角景気の基調判断を前月の「緩やかに持ち直している」から「着実に持ち直している」へ上方修正した。判断を引き上げるのは7カ月ぶり。
指数を構成する「家計」「企業」「雇用」の全部門が上昇した。家計関連は1.3ポイント上昇の50.6。住宅関連が6.4ポイント上昇し、好調ぶりが際だった。「現行の消費税率が適用される請負工事契約の締結時期の影響により、9月末までの契約を要望する客が大半で、新築、リフォーム工事の商談および受注は大幅に増加した」(北陸の住宅販売会社)という。自動車各社が相次いでハイブリッド車など低燃費の新型車を投入した効果も大きく、「受注の勢いが増している」(東海の乗用車販売店)という声も出ていた。
2-3カ月後の景気を占う先行き判断指数は3.0ポイント上昇の54.2で、5カ月ぶりに改善した。東京五輪の開催決定や消費税引き上げ前の駆け込み需要への期待感が目立った。家計分野では「冬の賞与の増額などで、経済政策のプラス効果を実感する層が拡大してくる」(東北の百貨店)と、政策効果に期待する声もあった。
調査は景気に敏感な小売業など2050人が対象で、有効回答率は91.4%。3カ月前と比べた現状や2-3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。
8月の経常黒字1615億円に縮小 所得収支の黒字9カ月ぶり減
財務省が8日発表した8月の国際収支(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1615億円の黒字だった。7カ月連続で黒字だったが、前年同月と比べ黒字額は63.7%減った。円安を背景に原粗油などのエネルギー輸入額が膨らみ、貿易収支が8月としては現在の基準で比較可能な1985年以降で最大の赤字だったうえ、所得収支の黒字は9カ月ぶりに減った。
貿易・サービス収支は1兆392億円の赤字。赤字は17カ月連続で、赤字額は8月としては最大だった。うち貿易収支は、輸送の保険料や運賃を含まない国際収支ベースで8859億円の赤字だった。輸出額は米国向け自動車や中国向けの有機化合物などが増え14.1%増加した。一方で輸入額は16.4%増。エネルギー輸入に加え、半導体等電子部品や衣類などが増えた。旅行や輸送動向を示すサービス収支は1533億円の赤字だった。
所得収支の黒字は前年同月比10.0%減の1兆2530億円。円安もあって海外からの配当金受け取りなど証券投資収益は増えたが、海外企業による送金の増加などで直接投資収益が減少したことが影響した。


いつもながら、適確に取りまとめられた記事だという気がしますが、経常収支については季節調整していない原系列の統計に基いていますので、季節調整済みの系列で見たのと少し印象が異なるかもしれません。続いて、景気ウォッチャーのいつものグラフ、現状判断DIと先行き判断DIは以下の通りです。影をつけた部分は景気後退期であり、いつものお断りですが、直近の景気の谷は昨年2012年11月だったと仮置きしています。

photo


今年2013年3月をピークに先月統計まで下がり続けて来たんですが、9月の統計は6か月振りに現状判断DI、先行き判断DIとも改善を示しました。上のグラフの通りです。まず、現状判断DIについては、家計動向ではコンビニや飲食で客足の鈍化が見られたものの、新型車をはじめとする高額商品の販売が増加したことに加え、消費税引上げ前の駆込み需要もあって住宅関連が好調であったことなどから現状判断DIが上昇しています。雇用についても、建設業などでの求人増がDIの改善につながり、雇用関連DIだけは7月を底に2か月連続の改善です。また、先行き判断DIについても政策効果に加え、オリンピックや消費税引上げ前の駆込み需要への期待感などから上昇を示しています。久し振りのDIの上昇ですが、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府は基調判断を「緩やかに持ち直している」から「着実に持ち直している」に上方修正しています。微妙な違いで、霞が関文学の範囲内かもしれませんが、まずまず雰囲気は伝わるんではないでしょうか。

photo


経常収支について上のグラフは季節調整済みの統計をプロットしています。経常収支を青い折れ線で示し、その内訳が積上げ棒グラフに分解されています。色分けは凡例の通りです。経常収支の黒字幅は今年2013年4-6月は5000億円を超えて1兆円近くに上ったんですが、先月7月の収支から従来の震災以降のトレンドに戻ったように見えます。しかし、GDPの外需のベースで考えると経常収支のうち所得収支はGDPに含まれませんので、現状の7-8月だけで見ると4-6月期よりも、外需はややマイナス寄与が大きくなる可能性があると見ています。また、アベノミクスによる円高修正のJカーブ効果が続いていますが、来年春くらいには本格的に貿易収支の改善効果が始まると考えられますので、その際に、黒色の棒グラフの貿易収支がどこまで改善するかを見極める必要があると考えています。

この週末から開催されるIMF世銀総会に合わせて、IMFから「世界経済見通し」 World Economic Outlook のうちに見通し編が公表されています。国際機関のリポートに着目するのはこのブログの特徴のひとつです。日を改めて取り上げたいと思います。
Entry No.3656  |  経済評論の日記  |  コメント(0)  |  トラックバック(0)  |  to page top ↑

コメント

コメントを投稿する

URL
コメント
パスワード  編集・削除するのに必要
非公開  管理者だけにコメントを表示
 

トラックバック

この記事のトラックバックURL



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 | BLOG TOP |