2013年10月10日 (木) 22:47:00

順調な改善を示し基調判断が上方修正された機械受注と消費者態度指数

本日、内閣府から機械受注消費者態度指数が公表されています。それぞれ、機械受注は8月、消費者態度指数は9月の統計です。機械受注はGDPベースの設備投資の先行指標となるコア機械受注、すなわち、船舶と電力を除く民需の季節調整値で見て前月比+5.4%増の8193億円と、市場の事前コンセンサスを大幅に上回りました。消費者態度指数も8月の43.0から9月は45.4と+2.4ポイントも大幅に上昇しています。いずれも大きく改善したことから基調判断が上方修正されています。まず、統計のヘッドラインを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

8月機械受注、3カ月ぶり増 8000億円超は4年10カ月ぶり
内閣府が10日発表した8月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比5.4%増の8193億円だった。増加は3カ月ぶりで、受注額が8000億円を超えるのはリーマン・ショックが起きた直後の2008年10月(8082億円)以来4年10カ月ぶり。製造業と非製造業からの受注が共に増え、水準としては08年9月(8464億円)以来の高さだった。
QUICKが9日時点で集計した民間の予測中央値は2.0%増だった。回復傾向が続いているとの見方から、内閣府は機械受注の判断を7月の「緩やかに持ち直している」から「持ち直している」へ2カ月ぶりに上方修正した。
主な機械メーカー280社が製造業から受注した金額は0.8%増の3213億円と4カ月連続のプラスだった。4カ月連続の増加は統計を遡れる05年4月以降で初めて。石油・石炭製品業界からボイラーやタービンの受注が伸びたほか、化学メーカーからプラント向け機器などの需要が旺盛で、設備投資意欲が高まっていることがうかがえる。
船舶・電力を除いた非製造業から受注した金額も6.2%増えて4911億円と2カ月連続のプラスだった。金融業界のシステム投資を受けてコンピューターが伸びたうえ、運輸・郵便業からは鉄道車両の受注が好調だった。
8月に発表した船舶・電力除く民需の7%9月期の受注額見通しは前期比5.3%減。9月が前月比29.1%減までにとどまれば達成でき、14.1%減なら横ばいになる。これまで単月で最も大きかった落ち込みは09年1月の11.9%減のため、内閣府では「見通し達成のハードルは高くない」とみている。
9月の消費者態度指数、4カ月ぶり改善 基調判断を上方修正
内閣府が10日発表した9月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は45.4となり前月から2.4ポイント上昇した。改善は4カ月ぶり。安倍晋三政権の経済政策、アベノミクスによる株高や雇用環境の好転などへの期待感が消費者心理の改善につながったとみられる。内閣府は基調判断を8月の「改善に足踏みがみられる」から「改善基調にある」に上方修正した。判断を上方修正するのは4カ月ぶりとなる。
消費者態度指数を構成する4項目全てが前月比プラスだった。「暮らし向き」「収入の増え方」は4カ月ぶり、「雇用環境」は2カ月ぶりに前月を上回った。2020年の東京五輪の開催が決定し、景気底上げへの期待感が高まったことも消費者心理の改善につながったようだ。
1年後の物価の見通しについては「上昇する」と答えた割合(原数値)が0.5ポイント上昇の87.8%と9カ月連続で増えた。米リーマン・ショック前の2008年8月(88.2%)以来5年1カ月ぶりの高水準となった。電気代、ガソリン代などエネルギー価格が高水準で推移しているほか、日銀の「異次元緩和」でインフレ予想が高まっていることが影響したとみられる。
調査は全国8400世帯が対象。調査基準日は9月15日で、有効回答数は5926世帯(回答率70.5%)。


いつもながら、とてもよく取りまとめられた記事で、おなかいっぱいという気がします。続いて、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその後方6か月移動平均を、下のパネルは需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。いつものお断りですが、このブログだけのローカル・ルールで、直近の景気循環の谷は2012年11月であったと仮置きしています。

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コア機械受注の市場の事前コンセンサスは、日経QUICK調査に従えば+2.0%増でしたので、実績の+5.4%増8193億円はかなり大きく上振れしたと受け止めています。予測レンジの上限といえます。特に、上のグラフを見れば一目瞭然で、水準としてはリーマン・ショック以前にははるかに及ばないながら、コア機械受注は明らかに上昇トレンドを取り戻しています。従って、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府は基調判断を先月までの「緩やかに持ち直している」から、「緩やかに」を削除して「持ち直している」に上方修正しています。設備や雇用といった要素需要は景気から少しラグを伴う遅行性がありますので、9月調査の日銀短観における設備投資計画を併せて考えても、現在の景気回復・拡大局面もいよいよ本格化しつつあると考えるべきです。ついでながら、本日、日本政策金融公庫から「中小製造業設備投資動向調査」が公表されていますが、中小企業でも今年度の設備投資計画は前年度比+7.7%増が見込まれています。

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消費者態度指数は直近では5月の45.7をピークに8月まで3か月連続で加工して来ていたんですが、9月は45.4と前月から+2.4ポイントもジャンプし、3か月の間の下降分を一気に取り戻しました。引用した記事にあるように、東京オリンピック効果なのかもしれません。「アベノミクスの第4の矢」のように見なされていたりもします。加えて、基調判断は前月の「改善に足踏みがみられる」から「改善基調にある」に上方修正されています。少し詳しく見ると、消費者態度指数を構成する暮らし、収入、雇用、耐久財買い時の4コンポーネントともすべて上昇したんですが、雇用が前月から+4.8ポイント上昇した一方で、収入は前月からわずかに+0.4ポイントしか改善していません。量的に雇用機会が増加して働く場が拡大している一方で、賃金をはじめとする収入は伸び悩んでいたり、あるいは、非正規雇用のような賃金の低い雇用機会しかない、といった状況を私は想像していたりします。現在のような順調な景気回復・拡大を継続するには賃金や収入の増加が焦点と言えます。

先日の景気ウォッチャーとともに、需要サイドの消費者態度指数も改善を示し、供給サイドも需要サイドも、また、企業も消費者も、マインドはかなり改善に向かっています。賃金や収入の面で以下に国民生活をサポートするか、もっといえば、企業が溜め込んだキャッシュをいかに従業員や国民に還流させるかが重要な政策課題と受け止めています。
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