2014年05月29日 (木) 23:02:00

商業販売統計に見る消費税率引上げ前後の駆込み需要と反動減やいかに?

本日、経済産業省から4月の商業販売統計が発表されました。4月1日からの消費税率引上げが実施された直後の統計ということで大いに注目されましたが、個人消費の代理変数として注目され、統計のヘッドラインとなる小売業販売額は、季節調整していない原系列の前年同月比で▲4.4%の減少、季節調整指数の前月比で▲13.7%の減少と、ほぼ想定内ながら予想通り、駆込み需要の反動減により大幅な減少を示しました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の小売販売額、4.4%減 約3年ぶりマイナス幅 9カ月ぶり減
経済産業省が29日発表した4月の商業販売統計(速報)によると、小売業の販売額は前年同月比4.4%減の11兆110億円と、9カ月ぶりのマイナスとなった。減少幅は2011年3月(8.0%減)以来の大きさだった。消費増税前の駆け込み需要の反動で、自動車や家電などの販売減少が目立った。
小売業の内訳をみると、自動車が10.2%減で8カ月ぶりのマイナス。白物家電の落ち込みが響いた機械器具は12.3%減、飲食料品は1.9%減少した。
百貨店とスーパーの大型小売店は6.1%減の1兆4668億円と、前年同月比で9カ月ぶりの減少。既存店ベースでは6.8%減だった。このうち既存店ベースで百貨店は衣料品の販売が落ち込み10.1%減。スーパーは主力の飲食料品が減り、5.1%減少した。
一方、コンビニエンスストアは4.2%増の8113億円で、前年同月比で14カ月連続のプラスとなった。増税前に買いだめが起きた反動でたばこは減少したが、おにぎりや弁当が好調だった。
同時に発表した専門量販店販売統計(速報)によると、4月の販売額は家電大型専門店は2869億円、ドラッグストアが3496億円、ホームセンターが2698億円だった。


いつもながらよく取りまとめられた記事だという気がします。次に、商業販売統計のグラフは以下の通りです。上のパネルは季節調整していない原系列の小売販売の前年同月比伸び率を、下のパネルは小売業の2010年=100となる季節調整指数を、それぞれプロットしています。影を付けた部分は景気後退期です。なお、毎度のお断りですが、このブログのローカル・ルールで、直近の景気の谷は2012年11月であったと仮置きしています。

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まず。前回の統計発表時にも1997年の消費税率引上げ当時と比較しましたが、今月も季節調整していない原系列の統計の前年同月比で同じことを考えると、1997年当時は3月が+12.4%増の後、4月は▲3.8%減となりましたが、今回は3月+11.0%増、4月▲4.4%減ですから、ほぼ想定通りの動きと言えます。コンマ以下まで考えに入れれば、3月の駆込み需要は1997年の方が大きかったが、4月の反動減は今回2014年の方が大きい、と言うことになります。この程度は誤差範囲内かもしれず、議論しても仕方ないので、大雑把に、3月の駆込み需要と4月の反動減はほぼ想定の範囲内・レンジ内と受け止めています。単価が高い商品ほど、また、耐用期間が長いほど、消費増税の影響の大きいと考えられますから、当然ながら、事前の駆込み需要と事後の反動減が大きく、引用した記事にもある通り、4月統計に見る通り、自動車が▲10.2%減、白物家電を含む機械器具が▲12.3%減の一方で、飲食料品は▲1.9%減と影響は軽微だったと言えます。

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同じように、3月の駆込み需要と4月の反動減を百貨店・スーパー・コンビニの業態別に見たのが上のグラフです。直感的に理解される通り、販売単価が 百貨店 > スーパー > コンビニ でしょうから、この販売単価が大きい順で3月の駆込み需要と4月の反動減が大きくなっているのがグラフから読み取れると思います。当然です。このあたり、商業販売統計は統計として信頼性が高いと私は受け止めています。

内閣府が週次で発表している「消費税率引上げ後の消費動向等について」を私はチェックしているんですが、政府によるいわば「大本営発表」に近い情報かもしれないとはいえ、消費は想定通りに反転ないしマイナス幅の縮小を示していると私は受け止めています。景気が腰折れする確率も事前の想定通りにかなり小さいと考えるべきです。
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