2014年09月29日 (月) 21:58:00

10月1日発表の日銀短観の予想やいかに?

明後日10月1日の発表を前に、シンクタンクや金融機関などから9月調査の日銀短観予想が出そろっています。4月からの消費増税後2回目の短観ですから、年内と想定されている消費税率再引上げの政府判断を前に、注目が集まっていますが、いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って、大企業製造業と非製造業の業況判断DIと大企業の設備投資計画を取りまとめると下の表の通りです。設備投資計画は2014年度です。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、今回の日銀短観予想については、次回12月調査の業況判断DIの予想に着目して拾いました。いつもの通り、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、html の富士通総研以外は、pdf 形式のリポートが別タブで開くか、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあってリポートが読めるかもしれません。

機関名大企業製造業
大企業非製造業
<設備投資計画>
ヘッドライン
6月調査 (先行き)+15
+19
<+7.4>
n.a.
日本総研+10
+17
<+7.0>
先行き(12月調査)は、全規模・全産業で9月調査対比▲1%ポイントを予想。増税の影響が和らぐなか大企業では改善する一方、中小企業ではコスト高や人手不足から悪化する見込み。
大和総研+10
+16
<+7.2>
先行きに関しては、総じて改善が見込まれる。足下で改善が一服している個人消費が増加基調へと復することで、「小売」の業況感が改善すると見込んでいる。また、2015年10月の増税を控えて住宅着工戸数が徐々に持ち直しに転じる見込みであること、公共投資の増加が見込まれることから、「木材・木製品」、「窯業・土石製品」、「建設」、「不動産」といった業種でも改善に向かうだろう。
みずほ総研+10
+17
<+7.2>
(製造業) 先行きは、+2ポイントの小幅な改善を見込んでいる。在庫調整の進展や設備投資・輸出の持ち直しなどが業況改善に寄与するとみられる。
(非製造業) 先行きは横ばいを見込んでいる。個人消費の持ち直しが追い風となる一方で、労働需給のひっ迫による人手不足や円安の進行によるコスト増といった下押し圧力もあり、景況感の改善は見通し難いだろう。
ニッセイ基礎研+10
+15
<+6.8>
先行きの景況感は総じて小幅の改善が予想される。不透明感は残るものの、駆け込み需要の反動減緩和が期待されるためだ。人手不足という制約はあるものの、遅れ気味であった公共工事の執行が進むこともプラス材料にはなる。ただし、先行きに対して慎重に見る傾向が強い中小企業非製造業では、マインドのさらなる悪化が示されると見ている。
第一生命経済研+10
+16
<+6.5>
先行きのDIについては、 企業は大きなリバウンドを予想するだろう。予測では、+4ポイントの改善を見込むと予想している。理由は、反動減の影響が長引いているにせよ10-12月にはさらに回復力が高まってもおかしくないと考えられるだ。さらなる円安進行、冬のボーナス増加といった要因が、夏場には出て来なくても、遅れて冬には顕在化するとみている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+8
+13
<+7.6>
4月の消費税率引上げ(5%→8%)以降の内需の停滞などを背景に、製造業は生産調整を余儀なくされている模様だ。原材料コストの高止まりも、一部の素材業種の業況悪化につながった可能性がある。もっとも、先行きは+9と、やや持ち直す見込みだ。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+12
+18
<+7.0>
(製造業) 先行きについては、駆け込み需要の反動の影響がさらに和らぎ、個人消費も持ち直しへ向かうとみられることから、企業の業況感は改善すると見込まれる。大企業製造業の業況判断DI(先行き)は3ポイント上昇し15になると予測する。
(非製造業) 先行きは、個人消費の持ち直しに合わせて「小売」など個人消費関連の業種を中心に改善すると見込まれることから、大企業非製造業の業況判断DI(先行き)は2ポイント上昇し20になると予測する。
三菱総研+9
+17
<n.a.>
先行きの業況判断DI(大企業)は、新興国経済の減速などから外需不振が続くとみられるものの、内需は増税後の反動減の影響が徐々に和らいでいくと予想され、製造業は+11%ポイント、非製造業は+18%ポイントといずれ小幅改善を予想する。
富士通総研+10
+17
<+7.0>
先行きについては、雇用・所得の改善は続いており、各種設備投資計画調査に示される、企業の設備投資意欲は高いことから、再び回復軌道に戻っていくと見込まれる。先行きについては、製造業、非製造業とも改善すると考えられる。


ということで、大きな差は認められないんですが、業況判断DIについては足元の9月は前回調査の6月よりもやや悪化するにしても、次のの12月調査にはやや改善する可能性が示唆されています。しかし、いずれにせよ、足元も先行きも業況感はほぼ横ばい圏内の動きです。機関によっては12月調査でもさらに悪化すると見ている場合もあります。ただし、方向性はほぼ横ばい圏内としても、水準としてはかなり高い点も見逃すべきではありません。大企業製造業ではほぼ+10の水準ですし、内需に依存する部分が大きい非製造業は、同時に消費増税ショックも製造業よりも大きいと想定されるんですが、レベルとしては+10を大きく上回っています。ですから、製造業・非製造業を通じて業況感は底堅いと私は受け止めています。ついでながら、設備投資計画については短観の統計としてのクセが現れており、6月調査で大きく年度計画が上方修正された後、9月調査から12月調査にかけて徐々に下方改訂される動きを示しています。

photo


上のグラフはニッセイ基礎研のリポートから p.3 の消費増税前後の業況判断D.I.を引用しています。前回1997年における消費増税の時と今年では景気局面が異なりますので注意が必要ですが、1997年当時は1997年5月を景気の山として景気後退に入りましたので、景況感は悪化を続けました。今年の足元については、少なくとも私は景気後退局面に入ったとは考えていませんし、多くのエコノミストも現時点では同じ意見だと思いますから、当然に、今年の場合は1997年よりも景況感は底堅く推移すると予想されています。1997年の消費増税時のように急速に悪化するとは見込まれません。

最後に、来年2015年10月からの消費税率の再引上げは、12月8日公表予定の7-9月期GDP速報2次QEがひとつの重要指標と見なされているようですが、場合によっては、12月15日公表予定の12月調査の日銀短観まで待つ可能性もあります。
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