2015年04月21日 (火) 19:32:00

我が国研究機関の論文成果はどのように評価されているのか?

私は約30年ほどキャリアの国家公務員をしているんですが、この間、大学を含めて研究機関に出向したり、役所の中でも行政職ではなく研究職として勤務したりという比較優位があります。というか、行政職のお仕事が比較劣位なのかもしれませんが、それはともかく、先週4月16日にトムソン・ロイターからインパクトの高い論文数の分析に基づいて、研究機関のランキングが公表されています。トムソン・ロイターからは毎年のノーベル賞予測を引用しているんですが、この研究機関ランキングについても科学分野を網羅しており、自然科学をはじめとして工学・薬学・医学などだけでなく、経済学や経営学も含まれています。ということで、トムソン・ロイターのサイトから引用すると、我が国国内研究機関の総合トップ20機関のランキングは以下の通りです。ヘッダで赤っぽい影を付けた高被引用論文の論文数でソートした順位です。

国内順位機関名高被引用論文
論文数割合
1東京大学1,3111.6%
2京都大学7391.2%
3大阪大学5901.2%
4国立研究開発法人理化学研究所5572.3%
5東北大学5051.1%
6国立研究開発法人産業技術総合研究所3751.3%
7名古屋大学3391.1%
8東京工業大学2881.1%
9国立研究開発法人物質・材料研究機構2571.8%
10九州大学2540.8%
11筑波大学2321.1%
12北海道大学2070.6%
13広島大学1861.1%
14岡山大学1791.2%
15自然科学研究機構*1481.2%
15慶應義塾大学1480.9%
17早稲田大学1441.3%
18神戸大学1381.0%
19高エネルギー加速器研究機構1221.9%
20千葉大学1110.8%


トップスリーは東大、京大、阪大ですから、1918年の大正時代の大学令のころから100年近く変わらず、この不動の順位が維持されているような気もします。もちろん、このトップスリーの中でも東大が飛び抜けていて、さらに京大が前後に大きく水を空けてナンバー2の位置に収まる、というのも大筋で昔から変わらないような気もします。そして、とても興味深いのは、社会科学系と自然科学・工学系のそれぞれの単科大学で東大や京大に近いポジションにあると考えられている一橋大学と東京工業大学のうち、後者はランクインしている一方で、前者は漏れている点です。ということで、トムソン・ロイターのサイトからアルファベット順に並んだ以下の22分野における日本の順位の表を引用すると下の通りです。

分野順位
Agricultural Sciences16
Biology & Biochemistry6
Chemistry5
Clinical Medicine13
Computer Science14
Economics & Business21
Engineering11
Environment/Ecology18
Geosciences8
Immunology5
Materials Science4
Matdematics15
Microbiology12
Molecular Biology & Genetics6
Multidisciplinary9
Neuroscience & Behavior10
Pharmacology & Toxicology8
Physics6
Plant & Animal Science6
Psychiatry/Psychology21
Social Sciences, general20
Space Science9


日本の順位が10位に満たない、ゴルフでいえばシングルに当たる分野について主要なものを上から見ると、生物学・生化学、化学、地球科学、免疫学、物理学、植物・動物科学などが並んでいます。まあ、ノーベル賞を取った、ないしは近い業績を上げた日本人科学者がいる分野ということが出来ます。他方、精神医学・心理学とともに、経済学・経営学は21位とかなり低位にランクされていたりします。ノーベル経済学賞ままだ先かもしれないと思ったりしています。
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