2015年06月02日 (火) 22:48:00

米国における自由貿易の支持やいかに?

その昔の2013年8月20日付けのこのブログの記事で「どういう人が自由貿易を支持するのか?」と題して、杏林大学総合政策学部の久野新准教授の論文を引いて、自由貿易の選好に関する議論を紹介したりしたんですが、日本ではないものの、ピュー・リサーチセンターから5月27日に "Free Trade Agreements Seen as Good for U.S., But Concerns Persist" とのタイトルの世論調査結果が公表されています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。家計に対するインパクトともに、米国経済への影響について質問がなされていますので、主として後者に着目して、図表を引用しつつごく簡単に紹介したいと思います。

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まず、上のグラフは調査結果のサイトから Views of How Free Trade Deals Affect Economy を引用しています。2009年と2010年における過去の同様の調査に比べて最近時点の2015年では、経済成長と賃金と雇用について好影響を及ぼすとの結果が増加しているのは確かですが、これら3点については否定的な影響の方が強いと考えられているようです。特に、賃金や雇用については自由貿易が悪影響を及ぼすとの見方の方がかなり多いとの結果が示されています。

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次に、上のテーブルは調査結果のサイトから Age Gap in Views of Free Trade Agreements を引用しています。テーブルのタイトルになっている通り、いろんな属性のうちで年齢別がもっとも顕著に差が出ています。すなわち、若い層ほど自由貿易協定を good thing と見なす比率が高いということです。さらに、年齢別ほど明らかでも差が大きくもありませんが、所得階層別では大雑把に見て高所得者ほど自由貿易協定の支持者が多そうに見えます。高齢になるほど自由貿易が支持されないという点は日米で共通しているように見えますが、日本ではいわゆる「食の安全」とも関係して、性別に見て女性が自由貿易に反対する比率が高い一方で、ピュー・リサーチセンターのこの調査結果では、引用はしないものの、また、米国経済への影響ではなく家計への影響ながら、性別で自由貿易に対する態度に差があるようには見えません。興味のあるところです。

最後に、厚生労働省から毎月勤労統計が公表されています。4月の統計です。いつものグラフだけ以下の通り貼り付けておきます。

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