2015年07月06日 (月) 21:24:00

景気動向指数の足踏みは何を意味するのか?

本日、内閣府から5月の景気動向指数が公表されています。ヘッドラインとなるCI一致指数は前月から▲1.8ポイント下降して109.2に、CI先行指数が同じく▲0.2ポイント下降して106.2を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月景気動向指数、1.8ポイント低下 基調判断「足踏み」に下げ
内閣府が6日発表した5月の景気動向指数(2010年=100、速報値)は、景気の現状を示す一致指数が前月より1.8ポイント低い109.2となり、2カ月ぶりに悪化した。生産や消費に関連する指標が落ち込んだ。内閣府は基調判断を9カ月ぶりに引き下げ、「足踏みを示している」との見方を示した。中国経済の減速などを受け、景気回復の動きは一時的に足踏みしている。
基調判断は4月まで「改善を示している」としていた。5月は一致指数を構成する11指標のうち、耐久消費財出荷指数や鉱工業生産指数など9指標が低下方向に働いた。
自動車や家電など耐久消費財の出荷指数は前月比5.9%低下。自動車は生産や小売り関連の指標も低迷した。アジアで製造するスマートフォン向けの電子部品の需要が減ったことも生産を押し下げた。
景気回復の動きが一服したのは、中国経済の減速で輸出が伸び悩んだことが大きい。財務省の貿易統計によると、中国向けの輸出は数量ベースで5月まで4カ月連続で前年を下回った。
国内の消費も力強さを欠く。消費増税後の反動減は一巡したものの、「次の消費増税や社会保険料の引き上げをにらみ、家計は節約志向を強めている」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの片岡剛士主任研究員)。
数カ月先の景気を示す先行指数は106.2と0.2ポイント低下した。内閣府は月々の振れをならすと上向きの動きが依然続くとみている。在庫の積み上がりが指数を下押しする一方、新規求人数や消費者心理は改善した。5月は株価など金融環境も堅調だった。
6月の日銀企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断指数はプラス15と3四半期ぶりに改善した。収益の改善を背景に、企業は設備投資への前向き姿勢を強めている。「7月以降は回復軌道に戻る」(第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト)と、景気回復の流れは途切れていないという見方が多い。


いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo


4月の景気動向指数の速報が出た段階で、このブログでは「本格的な回復とは言いがたい」と書きましたが、5月の統計を見て改めて同じ感想を持ちます。4-6月期は海外経済の低迷から我が国経済も踊り場に入ったとの認識は変わりありません。ですから、というわけでもないんでしょうが、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府の基調判断も機械的な判断ながら、前月までの「改善」から「足踏み」に変更されています。定義によれば、「足踏み」とは、「3か月後方移動平均の符号が変化し、1か月、2か月、または3か月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合」となっています。「足踏み」の次は「局面変化」であり、7か月後方移動平均の符号が変化で判断しますが、実は、5月統計では7か月後方移動平均も4月統計のプラスからマイナスに符号が変化しています。でも、まだ標準偏差の大きさまで逆方向に振れていない段階です。
指標を細かく見ると、CI一致指数に対してプラス寄与の大きい項目は人手不足に起因する有効求人倍率だけなんですが、マイナス寄与は耐久消費財出荷指数、商業販売額(卸売業)(前年同月比)、鉱工業生産財出荷指数などが並んでいます。繰返しになるものの、現在の景気の踊り場の主因は海外経済に起因する輸出の低迷だと私は考えているんですが、引き続き、消費も消費増税のショックから脱したとは言えないようです。ボーナスや賃上げによる消費の本格回復、あるいは、設備投資の拡大などが景気回復・拡大につながるまで、今日発表された景気動向指数に見られるように、今少し踊り場が続くのかもしれません。
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