2015年07月30日 (木) 20:13:00

鉱工業生産の停滞は続くが先行きは増産へ向かう見込み!

本日、経済産業省から鉱工業生産指数が公表されています。ヘッドラインとなる季節調整済みの系列で生産は前月比+0.8%増の増産と、引き続き、停滞を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

6月の鉱工業生産、0.8%上昇 4-6月期は前期比1.5%低下
経済産業省が30日発表した6月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)速報値は前月比0.8%上昇の98.0だった。上昇は2カ月ぶり。QUICKがまとめた民間予測の中央値は0.3%上昇で、市場予想を上回った。自動車の需要が内外ともにやや持ち直したことが寄与した。4-6月期は前期比1.5%低下の98.2となり3四半期ぶりに前期を下回った。経産省は「6月の数字は悪くないが、5月の低下を補ったとは言えない」として、生産の基調判断を「一進一退で推移している」に据え置いた。
6月の生産指数は15業種のうち9業種が前月から上昇し、6業種が低下した。自動車などの輸送機械工業が2.4%上昇した。化粧品の販売が好調なことで化学工業も2.8%上昇した。スマートフォンの生産が一服していることを受け、電子部品・デバイス工業は2.1%低下した。
出荷指数は前月比0.3%上昇の96.3だった。在庫指数は1.3%上昇の114.4、在庫率指数は1.6%低下の113.5だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査によると、7月は前月比0.5%上昇、8月は2.7%の上昇を見込む。もっとも予測調査は実績よりも上振れる傾向にある。依然として在庫は高水準で、経産省は「出荷が大きく増加しない限り、いずれかの時点で生産を減らす局面がくるだろう」としている。


網羅的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、鉱工業生産と出荷のグラフは以下の通りです。上のパネルは2010年=100となる鉱工業生産指数そのもの、下は輸送機械を除く資本財出荷と耐久消費財出荷です。いずれも季節調整済みの系列であり、影を付けた部分は景気後退期です。

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6月は+0.8%の増産にとどまりましたが、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、+0/3%増でしたので決して悪くなくまずまずと評価するエコノミストも多そうです。もっとも、前月5月の統計が▲2.1%の減産でしたので、リバウンドしたとは言っても、まだ物足りない気はします。先月の統計発表時の製造工業生産予測調査でも、6月は+1.5%増と見込まれていました。ですから、統計作成官庁の経済産業省でも基調判断を「一進一退」で据え置いていますし、私を含めて、多くのエコノミストは生産の停滞はまだ続いており、6月統計をもって抜け出したとは考えられない、と受け止めています。ただし、引用した記事にもある通り、いつも強めに出る製造工業生産予測調査ですので、少し割り引いて考える必要はあるものの、7月は+0.5%増、8月も+2.7%増を示していることに加え、6月統計では輸送機械工業が自動車税の増税に起因する停滞を払拭しつつある動きが見て取れ、すなわち、季節調整済みの系列で前月比を見ると生産+2.4%増、出荷も+0.2%増を示しており、これは昨日発表の商業販売統計と整合的ですし、我が国の基幹産業のひとつとして、先行きに明るい展望をもたらすと考えるべきです。ただし、上のグラフの下のパネルに見られる通り、生産の回復は企業の設備投資ないし海外への輸出が主導する可能性が高く、消費回復の足取りが重いのはやや懸念されるところです。

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次に、4-6月期の四半期データが利用可能となりましたので、いつもの在庫循環図を書いてみました。上の通りです。縦軸は出荷の前年同月比を、横軸は在庫の前年同月比を、それぞれプロットしています。ただし、ややトリッキーなんですが、季節調整済みの指数の前年同月比です。昨年10-12月期から今年1-3月期、そして、直近の4-6月期まで3四半期連続で第4象限にあり、在庫調整局面を示しています。ただし、通常は時計回りを描くところが、この3四半期は反時計回りの動きを示しており、踊り場的な停滞局面を脱して第1象限に戻るんではないかと私は予想しています。

最後に、4-7月期の四半期の鉱工業生産は季節調整済みの系列の前月比で▲1.5%の減産となりました。8月17日に4-6月期のGDP統計1次QEが公表されますが、おそらく、外需の寄与はマイナスでしょうし、生産も大きなマイナスですから、4-6月期はマイナス成長であった可能性が高いと私は見込んでいます。シンクタンクなどの1次QE予想はまた日を改めて取り上げたいと思います。
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