2016年01月14日 (木) 19:23:00

大きく減少した11月の機械受注とマイナス続く企業物価上昇率!

本日、内閣府から11月の機械受注が、また、日銀から12月の企業物価 (PPI)が、それぞれ公表されています。機械受注は船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの系列で見て前月比▲14.4%減の7738億円となり、企業物価は国内企業物価のヘッドライン前年同月比上昇率が▲3.4%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注、11月は14.4%減 市場予想下回る、3カ月ぶりマイナス
内閣府が14日発表した2015年11月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)は、前月比14.4%減の7738億円だった。マイナスは3カ月ぶりで、減少率は14年5月(16.4%減)以来の大きさだった。QUICKが事前にまとめた市場予想(7.8%減)を下回った。15年9月(7.5%増)、10月(10.7%増)と伸びていた反動で大きく落ち込んだ。
内閣府は機械受注について「持ち直しの動きがみられる」との基調判断を据え置いたうえで、「11月の実績は大きく減少した」と単月の落ち込みに言及した。10月は上方修正していた。受注額(船舶・電力除く民需)の原数値は前年同月比1.2%増。同受注に大型案件は製造業で1件あった。
主な機械メーカー280社の製造業からの受注額は前月比10.2%減の3383億円だった。減少は2カ月ぶり。航空機や鉄道車両、内燃機関や風水力機械などの受注が減った。中国の景気減速の波及について内閣府は「電気機械や一般機械といった業種からの受注減が続いており、影響が出ている可能性がある」としている。非製造業は18.0%減の4379億円で、マイナスは3カ月ぶり。非製造業の減少率はデータをさかのぼれる05年以降で最大だった。運輸業・郵便業や金融業・保険業、農林漁業からの受注減が目立った。
内閣府は15年10-12月期の受注額(船舶・電力除く民需)について、前期比2.9%増になるとの見通しを示している。12月実績が前月比で横ばいなら、ちょうどこの見通しを達成できるという。
12月の企業物価指数、前年比3.4%下落 年平均は3年ぶり下落
日銀が14日に発表した2015年12月の国内企業物価指数(2010年平均=100)は101.1で、前年同月比で3.4%下落した。原油価格など国際商品市況の低迷で、関連製品の価格下落が続いた。前月比では0.3%下がり7カ月連続でマイナスだった。2015年通年の平均では前年に比べ2.2%、消費増税の影響を除くベースでは2.9%下落し、いずれも3年ぶりの下落となった。
前月比で下落の大きな要因となったのは、石油・石炭製品や非鉄金属だった。原油価格や同価格の下落が波及したほか、暖冬の影響が灯油価格を押し下げた。
通年ベースでも原油価格下落の影響が大きく、石油・化学製品、電力・都市ガスなどが下落に寄与した。日銀は今後の動向について「原油価格の下落や円高が物価の下押し圧力となる」(調査統計局)との見方を示している。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち、前年同月比で上昇したのは301品目、下落は402品目となった。上昇品目と下落品目の差は11月から縮小した。


いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は、次の企業物価上昇率とも共通して、景気後退期を示しています。

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まず、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスはコア機械受注の季節調整済みの前月比で▲7.8%減でレンジでも下限は▲11.3%でしたから、これも下回った大幅減と受け止めています。9月と10月で計20%近く増加し、11月でその9割が戻ってしまったことになります。しかし、引用した記事の最後のパラにある通り、10-12月期の四半期ベースでは当初見込み通りの前期比+2.9%は何とか達成できそうですし、昨年12月調査の日銀短観では引き続き強気の設備投資計画が示されたところですので、統計作成官庁である内閣府が11月単月に関して但し書きをつけつつも、「持ち直しの動き」で据え置いたのは、ギリギリ理解の及ぶ範囲ではないかという気はします。でも、年初来の東証などの株式市場の動向に示されている通り、世界経済の方向性は不透明感を増しており、その意味で、現時点での企業のマインドが設備投資を増加させる方向にあるかどうかは、やや疑問が残ると考えざるを得ません。また、コア機械受注の外数ですが、外需については原油価格が低迷する中で、産油国からの引き合いが減少しているという見方もあり、機械受注のうちの外需がコア機械受注の先行指標となるとすれば、これも不透明感がぬぐいきれません。ひとつだけ設備投資マインドを向上させる要因は人手不足です。すなわち、生産要素を労働力から資本ストックに代替する動きなんですが、あくまで直観的な見方ながら、世界経済の不透明感が設備投資を抑制する作用の方が人手不足に対応した設備投資需要よりも大きいような気がします。

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続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の、下のパネルは需要段階別の、それぞれの上昇率をプロットしています。いずれも前年同月比上昇率です。ヘッドラインの国内物価上昇率は、今年4月統計で昨年の消費増税の影響が一巡して▲2.1%を記録してから、月を追うごとに下落幅を拡大して、5月▲2.2%、6月▲2.4%、7月▲3.1%、8月▲3.6%、9月▲4.0%から、10月にようやく下落幅が縮小に転じて▲3.8%を記録し、11月▲3.6%、12月▲3.4%と緩やかなペースながら、少しずつマイナス幅を縮小させています。ただし、まだまだ大きなマイナスを記録していることに変わりなく、また、縮小テンポは物足りないと考える向きがあるかもしれません。もちろん、国際商品市況における石油や金属などの価格下落に伴う物価低迷と考えるべきです。原油はまだ下落を続けており、人民元安と裏腹の円高とともに、物価の押し下げ要因となっています。ただ、上のグラフの下のパネルに見られる通り、さすがに、素原材料価格の下落もボトムに達しつつあるように見えなくもありません。
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