2016年01月26日 (火) 19:39:00

企業向けサービス物価に見るデフレ脱却の現況やいかに?

本日、日銀から12月の企業向けサービス価格指数(SPPI)が公表されています。ヘッドラインの前年同月比上昇率は+0.4%と前月の+0.2%からやや上昇率を高めています。また、国際運輸を除くコアPPIの前年号月火上昇率+0/5%を示しています。はまず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2015年12月の企業向けサービス価格、前年比0.4%上昇 テレビ広告など値上がり
日銀が26日発表した2015年12月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は103.1で、前年同月比0.4%上昇した。前年比の上昇幅は11月から0.2ポイント拡大した。テレビ広告や都市部の事務所賃貸料が値上がりした。前月比では0.1%上昇した。
価格が上昇した品目は60、下落した品目は48だった。品目数で上昇が下落を上回るのは27カ月連続だった。上昇と下落の品目数の差は12で、前月から拡大した。
品目別に見ると、企業収益の拡大を背景にテレビ広告の値上がりが目立った。大型のスポーツイベント中継や年末番組があったため、番組枠を指定して出稿する広告も増えた。都市部の事務所賃貸料も上昇した。賃貸料を割り引きする動きが、足元で一巡したためとみられる。訪日外国人観光客の増加などで、国内航空旅客輸送の運賃なども上昇した。ホテルの宿泊サービス料金も上昇基調を維持した。
15年通年で見ると、消費税を除く企業向けサービス価格指数は100.1で、前年比0.5%上昇した。土木建築サービス料の上昇が目立った。人手不足で人件費を引き上げる企業が多かった。一方、国際商品市況の悪化や燃料費の下落で外航貨物輸送の料金は下落した。通信サービス料は値下げの動きがあった。
企業向けサービス価格指数は運輸や通信、広告など企業間で取引されるサービスの価格水準を示す。


いつもながら、コンパクトによく取りまとめられた記事だという気がします。次に、SPPI上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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昨年2015年4月から消費増税の物価への影響が一巡し、その後、ヘッドラインの企業向けサービス物価(SPPI)上昇率は、2015年4月の+0.7%や5月の+0.6%などからはプラス幅を縮小させつつも、12月も+0.4%と人手不足による賃金上昇などを背景に基本的にはプラスを維持しており、変動の激しい国際運輸を除くコアSPPI上昇率は12月も+0.5%を示しています。ヘッドラインとコアの上昇率の差から、国際運輸がヘッドラインほど上昇していないという事実がインプリシットに読み取れますが、これは運輸コストには石油価格の占める割合が高いと考えられますから当然です。要するに、国際商品市況における石油価格の下落に対して、日本国内の労働市場における人手不足に伴う賃金上昇の綱引きがあり、結果として、人件費コスト比率の高いサービス価格の上昇率がプラスになっているわけです。ただし、物価指数の特徴のひとつとして、ラスパイレス指数で算出されていますので、その上方バイアスを考慮すれば、基準年から5年を経過して、この程度の小幅プラスが本当に「上昇」と呼べる範囲に含めていいかどうかは議論があるかもしれません。その意味で、日銀のインフレ目標+2%の達成にはまだ時間がかかるのかもしれません。なお、品目別に見て、テレビ広告や事務所賃貸がプラスの寄与を示し、リースがマイナスの寄与が大きくなっています。
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