2016年02月10日 (水) 21:14:00

企業物価上昇率は下落幅を縮小させつつも大幅マイナスが続く!

本日、日銀から1月の企業物価指数(PPI)が公表されています国内物価のヘッドライン上昇率は前年同月比で▲3.1%と、前月の▲3.5%からマイナス幅を縮小させているものの、まだまだ大幅なマイナスが続いています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1月の企業物価指数、前年比3.1%下落 前月比は8カ月連続下落
日銀が10日発表した1月の国内企業物価指数(2010年=100)は100.1で、前年同月比3.1%下落した。原油価格が一段安となったことが波及し、10カ月連続で前年割れとなった。市場予想の中心は2.8%下落だった。前月比では0.9%下落し、8カ月連続で前の月を下回った。
前年比での下落幅は前の月(確報値で3.5%下落)からやや縮小した。前月比での下落要因の内訳を見ると、寄与度が最も大きかったのは石油・石炭製品だった。原油価格下落の影響が出た。国際市況の低迷を背景に、化学製品や鉄鋼、非鉄金属も下落した。
足元の原油価格下落の影響は時間差で電力料金などに波及する。このため日銀調査統計局は、物価には当面下押し圧力がかかると見ている。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち、前年同月比で上昇したのは277品目、下落は427品目となった。下落品目と上昇品目の差は150品目で、前の月の116品目から拡大した。


いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは下の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の、下のパネルは需要段階別の、それぞれの上昇率をプロットしています。いずれも前年同月比上昇率です。影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

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日銀からの公表資料では前月比で下落した主要な類別・品目が明らかにされており、国内企業物価では前月比▲0.9%下落のうち、ガソリン、軽油、C重油などの石油・石炭製品だけで▲0.48%の寄与度があります。また、契約通貨ベースの輸入物価の前月比下落率▲3.0%のうち、原油、液化天然ガス、原料炭などの石油・石炭・天然ガスだけで▲2.08%の寄与となっています。季節調整済みの系列ではないので、確定的なことはいえないかもしれませんが、もう、何度も言い古された表現ながら、国際商品市況における石油価格の下落に伴う物価下落がまだ続いており、加えて、国際商品市況では石油だけでなく、化学製品や鉄鋼、非鉄金属も下落していることから、取引される財のうち、モノで構成される国内企業物価が大きく下落し、サービスで構成されるサービス物価の上昇率は国際商品市況の影響を受けつつも、国内労働市場における人手不足に起因する賃金上昇のインパクトの方が大きく、最近時点までプラスを維持しているのとは対照的です。
他方、国際商品市況の下落の大きな原因となった中国などの新興国経済の低迷のゆくえが気にかかるところ、国内企業物価のうちの非鉄金属の前年同月比の下落幅が12月の▲12.6%から1月には▲13.8%になったことなどをもって中国経済の先行きのさらなる低迷を占う意見もあって、まだまだ先が長い話だという気もしますが、上の企業物価上昇率のグラフでも、国内物価の前年同月比上昇率で見て昨年2015年9月の▲4.0%の下落から徐々に下落幅を縮小させつつあるのも事実です。もちろん、最近時点での金融市場の動揺から円高が進んでいて、日銀のインフレ目標達成へのマイナス要因も見られますが、マイナス金利導入による追加緩和も実行され、時期は遅れるものの、日銀のインフレ目標に向かった方向感としては評価すべきではないか、と私は受け止めています。マイナス金利を含めて、日銀の異次元緩和に対する批判は根強いものの、逆から見て、これだけ強力な金融緩和をしなければ物価が上昇しないような経済状況を作り出し、そういった期待形成をしてしまった黒田総裁より前の日銀の金融政策の「罪と罰」も同時に問われるべきではないでしょうか?
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