2016年02月12日 (金) 21:42:00

2015年10-12月期1次QE予想はマイナス成長か?

来週月曜日の1月15日に今年2015年10-12月期GDP速報1次QEが内閣府より公表される予定となっています。必要な経済指標がほぼ利用可能となり、シンクタンクや金融機関などから1次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、先行きの今年1-3月期以降を重視して拾おうとしています。明示的に取り上げているシンクタンクは、日本総研、大和総研、みずほ総研など、決して少なくなく、それらについてはヘッドラインを気持ち長めに引用してあります。なお、より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲0.3%
(▲1.4%)
2016年1-3月期を展望すると、中国経済の減速懸念や米利上げを巡る不透明感から、年初以降円高・株安が進行し、景気下振れリスクが高まる状況。もっとも、①良好な企業の収益環境、②高水準の収益と人手不足を背景とする所得雇用環境の緩やかな改善傾向、が続くなか、金融面での世界的な協調対応などを通じて金融市場が安定化すれば、景気が持続的に落ち込む事態は回避される見込み。ただし、回復ペースは緩やかなものにとどまる公算。
大和総研▲0.3%
(▲1.4%)
先行きの日本経済は基調として緩やかな拡大傾向へ復する公算であるが、海外経済の停滞・金融市場の混乱を起因とした下方リスクの高まりには警戒が必要である。
個人消費は緩やかながら拡大基調へ復すると見込んでいる。エネルギー価格の下落を通じた実質所得の押し上げ効果が続くことに加え、ベースアップ等による名目賃金の上昇が支えになるとみている。さらに、足下で消費者マインドが改善傾向にあることから、これまで手控えられてきた選択的支出への増加が期待できる。加えて、短期的な要因として、①1月の急激な気温の低下に伴う季節商材の動きの活性化、②うるう年によって1-3月期の対象日数が一日増加すること、といった要因が1-3月期の個人消費を押し上げる方向へ作用する。
みずほ総研▲0.4%
(▲1.5%)
2016年1-3月期以降の景気は、緩やかながらも回復基調に復するとみている。引き続き天候要因による下振れには警戒が必要だが、人手不足の高まりなどを背景に雇用者所得が堅調に推移していることから、個人消費は持ち直していくと予想している。設備投資も、企業収益が堅調な中で積極的な投資計画が維持されていることから、回復に転じると見込まれる。輸出については、年明け後の新型スマートフォン減産などによる下押しが見込まれるものの、欧米を中心とした海外経済の回復が下支えとなるだろう。ただし、年明け直後に金融市場が激しく変動したことから、円高・株安による輸出・個人消費の下押し、不確実性の高まりを受けた設備投資の先送りなどのリスクには注意が必要だ。
ニッセイ基礎研▲0.6%
(▲2.2%)
日本経済は消費税率引き上げの影響が和らぐ中、2014年度末にかけて持ち直していたが、2015年度に入ってからは一進一退となっており、2015年10-12月期の実質GDPは2014年度末(2015年1-3月期)を下回ることが予想される。日本経済は消費増税から2年近く経っても底離れできずにいる。
第一生命経済研▲0.7%
(▲2.8%)
このように、15年10-12月期は大幅マイナス成長が予想され、足元の景気が厳しい状況にあることを再確認させる結果になるだろう。個人消費や輸出、設備投資といった主要な需要項目がそろって低調に推移しており、景気は牽引役不在の状況にある。1-3月期についてもこの牽引役不在の状況が急に解消されるとは見込みがたく、目立った回復は見込めないだろう。景気に回復感が出るにはもうしばらく時間がかかるとみられる。
伊藤忠経済研▲0.2%
(▲0.8%)
原油相場の下落と中国経済の停滞が懸念材料であるが、前者は不確定ながら協調減産の可能性を受けて下げ止まりの兆しを見せている。中国経済は1月の製造業PMI指数が悪化するなど未だ出口は見えないものの、日本経済の底割れリスクは低下しつつあると言えよう。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券+0.2%
(+0.7%)
15年10-12月期の実質GDP成長率を前期比年率0.7%と予想する。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.5%
(▲2.1%)
2015年10-12月期の実質GDP成長率は、前期比-0.5%(年率換算-2.1%)とマイナス成長に転じたと見込まれる。ほとんどの需要項目で前期比マイナスとなっており、景気の下振れリスクが高まっていることを示す結果となろう。
三菱総研▲0.2%
(▲0.6%)
2015年10-12月期の実質GDPは、季節調整済前期比▲0.2%(年率▲0.6%)と予測する。消費を中心とする内需の落ち込みを背景に、再びマイナス成長となる見込み。


ということで、三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所を除いて、軒並みマイナス成長を予想している中、私自身は、前期比年率成長率を丸めて▲1%前後のマイナス成長ではないかと考えており、その意味で、仕上がりの数字としては、日本総研、大和総研、伊藤忠経済研などがいいセン行っているんではないかという気がします。年率で▲2%を超える可能性もなくはないような気がしますが、その場合は在庫のマイナスが大きい、逆から見て、在庫調整が進む、ということでしょうから、決して悪くはないような気もします。例えば、上のテーブルの中では、第一生命経済研が前期比▲0.7%で前期比年率▲2.8%の大きなマイナス成長を予測しているんですが、前期比成長率の在庫の寄与度は▲0.3%とほぼ半分近くを占めます。日本総研の予測でも前期比▲0.3%のマイナスのうち、在庫の寄与が▲0.2%を占めます。その意味で、前期比年率▲2.2%のマイナス成長で、前期比▲0.6%のうち在庫の寄与が▲0.2%しかないニッセイ基礎研の予想は他の需要項目が弱過ぎるような気がしてなりません。ただし、ニッセイ基礎研も含めて、外需は押しなべてプラスの寄与度を予想されています。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の予想がプラス成長となっているのは、ひとえに設備投資が強いと見ているからです。確かに、日銀短観などに示された設備投資計画が実現されるには、そろそろ設備投資が出始めないと帳尻が合わない気もします。もちろん、逆の目が出て、設備投資計画が最終的に下方修正される可能性も十分あり得ます。ヘッドラインで拾った1-3月期以降の見通しについては意見が分かれており、日本総研、大和総研、みずほ総研、伊藤忠経済研などでは、基本は緩やかな回復基調が続くと考えているものの、金融市場の混乱の影響も無視できないわけで、ニッセイ基礎研や第一生命経済研などのように先行きの回復感の遅延を強調するエコノミストも多そうな気がしています。
最後に、下のグラフは、私の実感に近いということで、日本総研のリポートから引用しています。

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