2016年09月12日 (月) 20:52:00

2か月連続で増加を示す機械受注とマイナス続く企業物価!

本日、内閣府から7月の機械受注が、また、日銀から8月の企業物価(PPI)が、それぞれ公表されています。機械受注は船舶と電力を除くコア機械受注の季節調整済みの系列で見て前月比+4.9%増を示し、PPIのヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は▲3.6%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注、7月4.9%増 「持ち直しの動き」に上方修正
内閣府が12日発表した7月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比4.9%増の8919億円と2カ月連続で伸びた。QUICKが事前にまとめた民間予測(3.1%減)を大きく上回った。6月(8.3%増)に続いて比較的大きく伸びたため、内閣府は機械受注の基調判断を「足踏みがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。上方修正は9カ月ぶり
製造業の受注額は0.3%増の3677億円と2カ月連続で増えた。大型案件があった鉄鋼業は75.8%増加した。金属製品は2.1倍となった。
非製造業は8.6%増の5251億円と2カ月連続で伸びた。通信業でネットワーク機器の更新や修繕の需要が旺盛だった。金融業・保険業では金融システムでの受注があった。
前年同月比での「船舶、電力を除く民需」受注額(原数値)は5.2%増だった。
8月の企業物価指数、前年比3.6%下落 前月比は2カ月ぶり下落
日銀が12日に発表した8月の国内企業物価指数(2010年平均=100)は98.9で、前年同月比で3.6%下落した。前年比で下落するのは17カ月連続。7月確報値の3.9%下落からはやや下げ幅を縮めた。市場予想の中央値は3.4%下落だった。
前月比では0.3%下がり2カ月ぶりのマイナスだった。7月確報値は前月比で横ばいだった。液化天然ガス(LNG)通関単価の下落の影響があった電力・都市ガス・水道料金が全体を押し下げた。国際市況の低迷や円高を背景に石油・石炭製品や非鉄金属も下落。豚肉や牛肉、鶏卵など農林水産物の価格の下げも目立った。日銀は「国際商品市況や円相場の影響が引き続き大きく、国内需給要因による変動は小さい」(調査統計局)としている。
円ベースの輸出物価は前月比で1.4%下落、前年同月比で14.6%下落した。前年比の下落幅は2009年7月(15.6%下落)以来の大きさだった。輸入物価は前月比で2.4%下落し、前年比では22.0%下げた。円高進行が円ベースでの価格を押し下げた。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち、前年同月比で下落したのは510品目となった。上昇は232品目だった。下落品目と上昇品目の差は278品目で、7月の確報(287品目)から縮小した。


いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。でも、2つの統計を並べるとどうしても長くなってしまいます。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は次の企業物価上昇率とも共通して景気後退期を示しています。

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まず、機械受注の動向ですが、上のグラフのうちの上のパネルを見ても明らかな通り、コア機械受注はほぼ下げ止まったんではないかという気はします。特に、6月季節調整済み前月比+8.3%増の後の7月+4.9%ですから、反動減を予想していた市場の事前コンセンサスを大きく上回り、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「足踏みがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」に上方改定しています。私自身は、機械受注の回復に力強さにはまだ確信が持てませんが、製造業・非製造業(船舶と電力を除く)ともに2か月連続で前月比プラスを示しており、足元の7-9月期は機械受注はプラスを記録しそうな勢いは感じられます。しかし、その後のさらに長い先行きを考えると、円高が投資にどこまでマイナスの影響を及ぼすかどうか、にかかっているような気がします。加えて、政策効果がどのように企業マインドや設備投資に現れるかも注目したいと思います。

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次に、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。上のパネから順に、は国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率、需要段階別の上昇率、最後に、輸入物価のうちの円建て原油価格指数を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は、景気後退期を示しています。企業物価(PPI)はようやく下げ止まって来たと受け止めています。ただ、まだ▲4%近い下落ですので国際商品市況における石油価格次第とはいえ、ゼロ近傍ないしプラスに戻るのには少し時間がかかる可能性があります。7月の統計でも、国内物価を前月比で押し下げた寄与度の大きい品目の筆頭は電力・都市ガス・水道の▲0.10%であり、その次は石油・石炭製品の▲0.04%だったりします。加えて、円相場の水準も円高に振れており、輸出入物価をダイレクトに、そして国内物価も間接的に、それぞれ引き下げる作用を及ぼしていることは明らかです。引用した記事には、日銀の分析として「国内需給要因による変動は小さい」との見方が示されていますが、そうなのかもしれません。
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