2016年10月08日 (土) 08:09:00

相変わらず非農業部門雇用者が+200千人増に達しない米国雇用統計をどう見るか?

日本時間の昨夜、米国労働省から9月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数の増加幅は+156千人と前月の+167千人から伸びを減速させ、失業率は前月からわずかに上昇して5.0%を記録しています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、New York Times のサイトから最初の4パラだけ記事を引用すると以下の通りです。

U.S. Economy, Showing Resilience, Added 156,000 Jobs Last Month
Amid a presidential campaign marked by fears about the country's economic future, the American jobs machine keeps chugging.
Employers added 156,000 positions in September, the Labor Department said on Friday, enough to accommodate new entrants to the labor force and entice back workers who dropped out after the Great Recession. The unemployment rate, which had been stuck at 4.9 percent since spring, ticked up slightly to 5 percent, but that was mostly because more people were drawn into the labor force by evidence that hiring is still going strong.
For all the anxiety at home and turmoil abroad, like the vote in Britain to withdraw from the European Union, the current expansion shows little prospect of ending abruptly.
Average hourly earnings rose by 0.2 percentage point last month, bringing the wage gain over the last 12 months to 2.6 percent, well above the pace of inflation. The typical workweek also grew slightly in September, after a pullback in August.


この後、さらにエコノミストなどへのインタビューや米国大統領選へのインプリケーションの分析が続きます。包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは下の通りです。上のパネルは非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門、下のパネルは失業率です。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

photo


ということで、8月雇用統計に続いて力及ばずという結果ではなかろうかと受け止めています。基本的に堅調であるといえるんだろうと私は考えているものの、非農業部門雇用者数の伸びが前月から鈍化し、市場の自薦コンセンサスの180千人に届かず、雇用者の増加幅は2か月連続で金融政策運営の目安とされる200千人を下回っており、しかも、直近3か月の月平均増加幅は+192千人と、これまた200千人を下回っています。しかもしかもで、失業率は統計の誤差範囲とはいえ、0.1%ポイントながら上昇を記録したりしています。まあ、金利引上げには慎重姿勢を取らざるをえないところかと思います。なお、米国連邦準備制度理事(FED)の公開市場委員会(FOMC)は原則として6週間に1度開催され、Meeting calendars, statements, and minutes のサイトによれば、年内は11月1-2日と12月13-14日の開催となっています。10-11月の両月の米国雇用統計を見つつ、そして、米国大統領選も横目でにらみつつ、12月中旬のFOMCまで待つんだろうという気がします。

photo


また、日本やユーロ圏欧州の経験も踏まえて、もっとも避けるべきデフレとの関係で、私が注目している時間当たり賃金の前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。ならして見て、ほぼ底ばい状態が続いている印象です。サブプライム・バブル崩壊前の+3%超の水準には復帰しそうもないんですが、まずまず、コンスタントに+2%のラインを上回って安定して推移していると受け止めており、少なくとも、底割れしてかつての日本や欧州ユーロ圏諸国のようにゼロやマイナスをつけてデフレに陥る可能性はほぼなさそうに見えます。
Entry No.5073  |  経済評論の日記  |  コメント(0)  |  トラックバック(0)  |  to page top ↑

コメント

コメントを投稿する

URL
コメント
パスワード  編集・削除するのに必要
非公開  管理者だけにコメントを表示
 

トラックバック

この記事のトラックバックURL



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 | BLOG TOP |