2016年12月05日 (月) 20:48:00

基調判断が下方修正された消費者態度指数の悪化の主因は野菜価格か?

本日、内閣府から11月の消費者態度指数が公表されています。前月から▲前月比1.4ポイント低下して40.9を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

11月の消費者態度指数が低下 基調判断9カ月ぶり下方修正
内閣府が5日発表した11月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比1.4ポイント低下の40.9だった。前月を下回るのは2カ月連続。夏場の天候不順による生鮮野菜の価格高騰が重荷となった。内閣府は消費者心理の基調判断を「持ち直しのテンポが緩やかになっている」とし、前月の「持ち直しの動きがみられる」から引き下げた。下方修正は9カ月ぶり。
指数を構成する4指標は全て低下した。「暮らし向き」は1.3ポイント低下の40.1、「雇用環境」は2.3ポイント低下の42.5だった。昨年に比べてボーナスの伸びが鈍化するとの観測が出ていることが響き「収入の増え方」は40.4と0.6ポイント低下した。
1年後の物価見通しについて「上昇する」と答えた比率(原数値)は74.2%と、前月から0.4ポイント上昇した。
調査基準日は11月15日。全国8400世帯が対象で、有効回答数は5576世帯、回答率は66.4%だった。


いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、消費者態度指数のグラフは以下の通りです。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。また、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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11月統計では、引用した記事で指摘されている通り、消費者態度指数を構成する消費者意識指標4項目がすべて前月から下降を示しています。すなわち、マイナス幅の大きい順に、雇用環境が▲2.3ポイント低下し42.5、耐久消費財の買い時判断が▲1.4ポイント低下し40.5、暮らし向きが▲1.3ポイント低下し40.1、収入の増え方が▲0.6ポイント低下し40.4を、それぞれ記録しています。消費者態度指数を構成する4つのコンポーネントすべてが2か月連続で前月から低下しており、統計作成官庁である内閣府では前月までの「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直しのテンポが緩やかになっている」と、持ち直しの動きについては肯定しつつも、その動きが緩やかになっているとし、基調判断を半ノッチ下方修正しています。
短期的に、この1年ほどの消費者マインドの動きを大雑把に振り返ると、2015年年末から2016年年始にかけての水準から、今年2016年に入っての円高や金融市場の動揺に伴い、2016年2月に40.1と直近の底を打った後、9月の43.0まで緩やかに上昇を続けたんですが、その9月から10月にかけての天候不順に伴う野菜の価格高騰などから、再び消費者マインドは低下しています。確かに、私がスーパーマーケットなどで見かける限り、ここ2-3年季節果物のミカンが高く、大好きな私でもなかなか手が出せないのは別の話としても、最近では野菜価格が高騰しているのは明らかです。かつては100円くらいだったブロッコリーも、最近では250円の値がついていることもめずらしくありません。引用した記事でも、こういった野菜価格が消費者マインドに及ぼす影響をクローズアップしていたりします。それだけに、トランプ次期米国大統領の政策動向によって、TPPが不成立に終わるのは残念であるという気がします。
もっとも、ここ2か月、すなわち、10-11月の2か月で消費者態度指数が合わせて▲2.1ポイント低下していて、4つのコンポーネントの中でもっとも低下幅が大きいのが雇用環境です。10-11月の2か月で合わせて▲3.7ポイントの低下を示しています。8-9月の2か月で合わせて+3.2ポイント上昇した反動かもしれませんし、まだ、4つの構成項目の中ではもっとも水準が高いことから、現時点では何ともいえませんが、これだけ失業率が低くて有効求人倍率も上昇している中で、この10-11月に雇用環境に関するマインドが大きく低下したのはパズルです。私なんぞは、やっぱり、お給料がよかったり、正社員だったりする、という意味で、いい条件の職が見つかりにくいのだろうかと思わないでもないですし、ほかに、求人と求職のマッチングの問題など、いろいろと想像しています。明日、厚生労働省から公表予定の毎月勤労統計も参考にしたいと思います。
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