2017年01月26日 (木) 21:22:00

3年連続でプラスの上昇を続ける企業向けサービス価格指数(SPPI)をどう見るか!

本日、日銀から昨年2016年12月の企業向けサービス物価指数(SPPI)が公表されています。前年同月比上昇率で見て、ヘッドラインSPPIは+0.4%、国際運輸を除くコアSPPIも+0.4%と、小幅ながら前月統計から上昇率が拡大しています。でも、誤差範囲かもしれません。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

企業向けサービス価格指数の上昇率、12月は0.4% 16年は0.3%に縮小
日銀が26日発表した2016年12月の企業向けサービス価格指数(2010年=100)速報値は103.4で、前年同月比0.4%上昇した。42カ月連続で前年を上回り、上昇率は11月確報値の0.3%から拡大した。前月比でも0.1%上昇した。燃料価格の上昇や為替の円安を受けて運輸関連の料金が上がったことなどが寄与した。
運輸関連では燃料費の上昇分が転嫁された。外貨建てで料金契約する外航貨物では、円安で円ベースの価格が上昇した。道路貨物・旅客ではバス運転手不足による人件費の上昇も料金を押し上げている。企業活動の活発化で東京など大都市圏のオフィス賃料も上昇しているという。
対象の147品目のうち、価格が上昇したのは52、下落した品目は55だった。上昇と下落の品目数の差は下落が13品目多かった11月から縮小した。日銀の調査統計局によると「人手や設備が不足する中でサービス価格も緩やかな上昇基調が続いている」としている。
同時に発表した16年通年の指数(2010年=100、速報値)は103.0で15年から0.3%上昇した。上昇は3年連続だが、伸び率は15年(1.1%上昇)から縮小した。世界的な荷動きの停滞や燃料価格の低迷による運輸関連の料金低迷で全体の上昇率が抑えられた。
一方、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」などの関連ソフトの受託開発や訪日外国人の増加に伴う宿泊サービスなどが全体を下支えした。


いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、SPPI上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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引用した記事にもある通り、前年同月比の上昇プラスが続いていますが、極めて小幅なレンジでの変動であり、もともと物価は粘着性が強いわけで、どこまで統計的に有意な差で変動しているのかどうかは不明です。言い換えれば、測定誤差の可能性も否定できませんし、統計的な有意性のレンジを広げれば、ひょっとすれば実はマイナス、という可能性も、いちユーザである私のレベルでは否定できかねます。
かなり強い膠着状態にあった企業向けサービス物価ながら、前年同月比の11月から12月への前月差を見ると、ひとつには、国際商品市況における石油価格の上昇や円安を受けた運輸関係価格の上昇、というか、下落幅の縮小が寄与しています。もうひとつは、リースと不動産です。こちらは企業活動が活発な方向に向かう中での価格上昇と考えられます。ただ、広告については、新聞や雑誌などの媒体の広告が前年同月比マイナスを続けているのに対して、テレビとインターネットはプラスとなっており、媒体で少し差が出ています。もう少し長い目で見れば、サービス価格の構成比で人件費は無視できませんので、人手不足に伴う価格上昇が下支えする構図は変わらないと考えています。
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