2017年02月09日 (木) 22:42:00

設備投資と機械受注はいよいよ本格的な回復に向かうか?

本日、内閣府から昨年2016年12月の機械受注が公表されています。変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの系列で見て、前月比+6.7%増の8898億円を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

12月の機械受注6.7%増 1-3月は3.3%増見通し
10-12月は0.2%減、2四半期ぶりマイナス機械受注

内閣府が9日発表した12月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比6.7%増の8898億円だった。増加は2カ月ぶり。QUICKが事前にまとめた民間予測の中央値(3.1%増)を大幅に上回った。製造業と非製造業がともに増加した。判断は「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に据え置いた。
製造業の受注額は1.0%増の3670億円と2カ月連続で増加した。需要者の業種別では、化学機械や電子計算機が伸びた「化学工業」が71.8%増と急増した。原子力原動機や重電機が増えた「非鉄金属」も53.2%増えた。
非製造業の受注額は3.5%増の5002億円と2カ月ぶりに増えた。需要者の業種別では、鉄道車両で大型案件があった「運輸業・郵便業」が60.9%増と伸びが目立った。建設機械や電子計算機が増えた「建設業」は16.9%増だった。
前年同月比での「船舶・電力を除く民需」受注額(原数値)は6.7%増だった。
併せて公表した2016年10-12月期の船舶・電力を除いた民需の受注額は2兆6018億円と前期比0.2%減だった。電子通信機や産業機械の受注が予想以上に伸び、内閣府が昨年11月に示した16年10-12月期見通し(5.9%減)より減少幅は小さかった。
16年通年の船舶・電力を除いた民需の受注額は10兆2600億円と、前の年に比べ1.7%増えた。増加は4年連続。製造業は1.6%減の4兆3010億円と4年ぶりに減った。非製造業は4.1%増の5兆9854億円と2年連続で増えた。
1-3月期の船舶・電力を除いた民需の受注額は3.3%増の見通し。内閣府は「原動機や航空機の需要が好調に推移する」とみている。製造業は前期比11.6%増え、非製造業は2.3%減にとどまるとしている。


いつもながら、よく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は、その次の企業物価とも共通して、景気後退期を示しています。

photo


まず、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスではコア機械受注で見て前月比+3.1%増が予想されていたんですが、大幅にこれを超えた増加を示しています。しかしながら、先月11月の▲5.1%減もあり、10-12月期を通しては▲0.2%減を記録しています。このため、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に据え置いたようですが、先月の段階では10-12月期は▲5.9%減を予想していただけに、マイナス幅もかなり小幅でとどまったと私なんぞは受け止めています。しかも、今年2017年1-3月期の予想は前期比で+3.3%の増加を見込んでおり、海外経済情勢や経済外要因などの不透明さは払拭し切れないものの、基本的には設備投資や機械受注は本格的な回復に向かう可能性が高まったと考えるべきです。ただ、「本格回復」といっても、増加率や増加幅などを照らし合わせると、まあ、人によっては表現上の違いながら、緩やかな回復の範囲にとどまるのかもしれません。しかも、下振れリスクは基本的に海外要因ですが、足元の為替相場を見ると円高方向に向かう可能性は否定できませんし、米国のトランプ政権の通商政策や英国のBREXITの行方、大陸欧州のいくつかの国政選挙など、経済の自律的な動きを反映するものではない経済外要因もどのような方向に向かうか、現時点では不透明です。いくぶんなりとも雇用もそうですが、投資は中長期的な経済の見通しに基づいて実行するものだけに、こういった先行きの不透明さは下押し要因になる恐れがあると考えるべきです。もちろん、自律的な経済要因としては、企業部門の利益水準がかなり高い点や人手不足に伴う合理化や省力化のための投資が見込まれ、米国はもとより欧州や中国などの海外経済の回復に伴う外需も上向きの方向にあり、2020年東京オリンピック・パラリンピックのためのインフラ整備も視野に入って来ており、そろそろ、設備投資や機械受注が本格的に回復してもいい時期であることも確かです。最後に、12月データが利用可能になりましたので、いつもでしたら四半期ベースの達成率のグラフを書くんですが、今夜は遅くなったためグラフは割愛します。ただ、2016年いっぱいは、1-3月期103.2%、4-6月期99.1%、7-9月期98.8%、10-12月期104.4%と、景気転換点としてエコノミストの経験則である90%ラインより上に達成率が位置していたことだけ確認しています。
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