2017年05月26日 (金) 22:43:00

プラスを続ける消費者物価(CPI)及び企業向けサービス物価(SPPI)の先行きを考える!

今日は物価統計が2本、すなわち、総務省統計局の消費者物価指数(CPI)企業向けサービス物価指数(SPPI)が、それぞれ公表されています。いずれも4月の統計です。生鮮食品を除くコアCPIの前年同月比上昇率は+0.3%と、今年に入ってから4か月連続でプラスを続けている一方で、ヘッドラインSPPI上昇率は+0.7%、国際運輸を除くコアSPPIも+0.7%と、徐々に上昇幅が拡大しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の全国消費者物価、0.3%上昇 都区部は1年5カ月ぶりプラス
総務省が26日発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、値動きの大きな生鮮食品を除く総合指数が100.1と、前年同月比0.3%上昇した。プラスは4カ月連続。ガソリンなど石油製品の価格上昇が大きく寄与したが、QUICKがまとめた市場予想の中央値(0.4%上昇)は下回った。
生鮮食品を含む総合では全体の56.6%にあたる296品目が上昇し、168品目が下落した。横ばいは59品目だった。
生鮮食品を含む総合は100.3と0.4%上昇した。イカなど一部魚介類の上昇が続いた。生鮮食品とエネルギーを除く総合は100.7と横ばいだった。
併せて発表した東京都区部の5月のCPI(中旬速報値、15年=100)は生鮮食品を除く総合が100.0と、前年同月比0.1%上昇した。プラスは2015年12月(0.1%上昇)以来1年5カ月ぶり。石油製品の上昇に加えて、うるち米や牛肉など生鮮食品を除く食料が寄与した。生鮮食品を含む総合は100.1と0.2%上昇した。
4月の企業向けサービス価格、前年比0.7%上昇 広告が鈍化
日銀が26日に発表した4月の企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)は103.7で、前年同月比で0.7%上昇した。前年同月比での上昇は46カ月連続。ただ、上昇率は5カ月ぶりに縮小(前月は0.8%上昇)し、前月比では0.2%の下落だった。広告の上昇率縮小が主因で、土木建築や宿泊などの諸サービスの上昇率も鈍化した。
広告を種類別に見ると、テレビ広告は3月にスポーツ特番などで押し上げられた反動で伸び率が縮小した。新聞広告は飲食店の全面禁煙の検討でたばこ会社が広告の出稿に慎重になった影響もあり、3月の上昇から4月は下落に転じた。
諸サービスのうち、土木建築は引き続き人件費が上昇しているものの、上げ幅は前月より小さかった。宿泊サービスは4月の訪日外国人客数が過去最多となったものの、近畿を中心に民泊の利用が多かったことやホテルの建設ラッシュを受け、値上げの勢いが鈍化した。
一方、人手不足による人件費の上昇を背景にした情報通信、燃料費の上昇による運輸・郵便の伸び率が拡大した。
企業物価指数は輸送や通信など企業間で取引するサービスの価格水準を総合的に示す。対象の147品目のうち、消費税の影響を除くと前年比で価格が上昇したのは75品目、下落は30品目だった。上昇から下落の品目を引いた差は45品目と、3月の確報値(20品目)から25品目拡大し、15年1月以来の大きさだった。
日銀の調査統計局は「企業間のサービス需給は大きな価格上昇につながるほどには逼迫していない」との見解を示した。


いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、物価統計を2本も取り上げたので、とても長くなってしまいました。続いて、いつもの消費者物価上昇率のグラフは以下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIのそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。エネルギーと食料とサービスとコア財の4分割です。なお、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。加えて、酒類の扱いがビミョーに私の試算と総務省統計局で異なっており、私の寄与度試算ではメンドウなので、酒類(全国のウェイト1.2%弱)は通常の食料には入らずコア財に含めています。念のため。

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現状での物価上昇は財関係ではエネルギーが、そして、サービスでは人手不足が物価上昇を牽引しているように見えます。コアCPIの前年同月比上昇率は、今年に入ってから4か月連続でプラスを記録し、小幅ながらジワジワと上昇幅を拡大しています。私の計算によれば、コアCPI上昇率に対してエネルギーの寄与は+0.34%ありますので、ほぼすべてを説明しつくしているカンジです。また、長らくマイナスを続けていた東京都区部のコアCPIが久し振りにプラスに転じています。上のグラフでは灰色の折れ線グラフです。東京都区部の物価は、最近その傾向が崩れつつあるとはいえ、全国物価の先行指標と考えられており、先行きについても、全国ベースで秋口くらいまで上昇率のプラス幅が拡大するものと私は予想しています。ただ、おそらく、あくまでおそらくの直観的な理解ですが、日銀の物価上昇目標である+2%には今年中に届こうハズもありません。そして、国際商品市況の石油価格も、この先さらに上昇するようには見受けられませんから、早ければ年内くらいタイミングでコアCPIの上昇ペースは鈍化し始める可能性が高いんではないかと考えています。まとめれば、今年2017年10月前後くらいまでコアCPIは上昇幅を拡大させるものの、日銀の物価目標である+2%には届かず、その後、年内には上昇ペースが鈍化し始める可能性が高い、と私は受け止めています。企業間取引では4月は価格改定期なのでしょうが、何分、消費者物価にはこういったタイミングは設定されていない品目も多く、企業物価と同じような価格改定は見受けられなかったように思います。

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続いて、SPPI上昇率のグラフは以下の通りです。サービス物価(SPPI)と国際運輸を除くコアSPPIの上昇率とともに、企業物価(PPI)上昇率もプロットしてあります。SPPIとPPIの上昇率の目盛りが左右に分かれていますので注意が必要です。なお、影をつけた部分は景気後退期を示しています。ということで、SPPI上昇率は今年2016年2-3月の+0.8%から小幅に縮小を示し、4月は+0.7%となりました。引用した記事にもある通り、広告が3月の+2.8%上昇から4月には+0.7%と大きく上昇率が鈍化しています。人手不足の影響については、土木建築サービスが引き続きたい相上昇率ながら3月の+6.1%から4月には+4.7%と上昇幅をやや縮小させている一方で、情報通信は3月の+0.2%から4月は+0.5%に加速を示しています。なかなか一様ではないものの、全般的に底堅いサービス物価の動向が垣間見える気がします。
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